大人の夏休み その4 / 2006年08月30日
テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
不思議な天気が続いています。中途半端。
涼しいんだか、あっちいんだか、雨なんだか、曇ってんだか、晴れてんのか。結局、天気に気持ちが激しく揺さぶられている事に気づいて、可笑しくて顔がほころんでしまう。東京は夏がとても短かった。
人生を折り返し、カウントダウンの始まる年代になると1日や、ひと夏が愛おしい。1日を大切に過ごそうと考えるんだけど、ちゃんと出来た事がない。いつも夏が来る前はこんな事しよう、あんな事しようと考えるんだけど、思うように行ったためしがない。
横をみると、のぼるくんが何かを食べている。見てみると観葉植物の枯れた葉っぱだ。時々悔しくなるほど羨ましく思う。
のぼるくん。
随分前に名古屋の知り合いから、8月26日に行われる「大曲の花火」に誘われた。
よくわからなかったけど、すごいらしい。
一応カレンダーに印をつけた。
しかし、今年は夏休みもとれなかったから、すぐに丁寧に断った。
すっかり忘れていた。
先週、ドラマの脚本が遅れた。大幅に。
急に週末の仕事がなくなってしまった。本がないんだもの。
ちょっと可笑しかった。人生いろいろな、予期せぬ事がたくさんおこる。
でも、何もする事が無い。
先週の土日は、この二ヶ月で初めて蹴球の試合もなかった。
何もする事が無い。
突然の休日。
僕の家族はまとまった休みのとれない僕を早々と見限り、海外に旅立って行った。そして、入れ替わりに兵藤ゆき姉親子が我が家に住んでいる。
愛の家族かい。
今年は何処にも泊まりで出掛けていない。
まー、杉本哲ちゃんたちと飲みに行くと、ほとんど朝まで飲んでるから泊まりに出掛けているのとかわらないが、、、
どーしよーかなー?やっぱり飲みに行っちゃおうかなー?
と、何気なくカレンダーを見た。26日に「花火」と書いてある。
何だこれ?
すぐには思い出せなかった。
「あー!」
思い出しちゃった。花火に誘われてたんだぁ!断ったんだけど、、、
何処だっけか?そーだ、秋田だ。秋田?とーいなぁー。どーしよーかなー?
ちょっと迷った。
でも神様のくれた折角の短い夏休み。ちょっと冒険してみる事にした。
しかし、相手の事情もある。とりあえず名古屋に電話してみた。
「あー、かっちゃん。珍しい。やっとかめ。(八十日目と書く。名古屋の人の久しぶりと言う意味)どしたの?」
「あのー、前に花火に誘っていただきましたよね?僕も行っていい?」
「おー、かっちゃん。あんた運のいい人だね。一人急にいけんよーになってな、 ちょーどよかった。じゃあ、昼ごろ角館の駅で待ち合わせよー」
ってな事で、偶然と奇跡が重なり秋田の大曲の花火に参加する事になった。
しかし、よく考えてみたら一人旅は多分初めてだ。ちょっと不安になってきた。
旅には慣れているつもりだ。でも考えてみたらほとんど全部仕事。
全て用意されている。だいじょぶかな?
さらに不安になりかけた時に携帯がなった。
名古屋のおじちゃん。
「あー、かっちゃん。わしら名古屋から飛行機で行くんだけど、かっちゃんは○○時の新幹線がええと思うんだけど、チケットとれんかもしれんよ」
「は?」
「人が多いから」
「は?」
渋谷にチケットを買いに行った。満員だった。
何だそれ?
一本前の新幹線のグリーン車のチケットが1枚だけ!1枚だけあった。
何だそれ?
勇気を出して、たった1枚残っていたグリーン車のチケットを買った。
ま、とりあえず行ける。
何故か今回の旅は奇跡を呼ぶ。花火が「俺」を呼んでいる。
奇跡が「俺」を呼んでいる。どーしても「俺」を呼んでいる。
なにがなんでも呼んでいる。と思う。
神様が味方してくれている。かならずいい事がある。はずである。
ちょっと調子に乗った。
いよいよ土曜日。新幹線に乗り込んだ。やっぱり満員だった。
角館に着くと太陽が照りつけてきた。太陽がおいしい。
空気が澄んでいる。ちょっと呼吸を多めにしてみた。
空気も太陽も風もおいしい。
1本早かったので、時間をつぶそうと思ったが面倒くさいので連絡してみた。
「着きました」
「おー、早いなぁ。ちょーど飯食おーと店に入った所だからタクシーでおいで」
「わかりました」
ラッキー!ちょーどお腹が空いていたのだ。
やはり「俺」を呼んでいる。食事も「俺」を呼んでいる。
タクシーに乗り込み店の名前を言った。有名な料亭らしくすぐに運転手さんが「わかりました」とちょっとなまった返事をしてくれた。いい感じ。
やはり、地方の一番のごちそうは「訛り」だ。
なんだかホッとする。
2分もたたないうちに「着きました」と言われた。
「おい!歩くよ、こんな距離。言えよ!近いって!」と心の中の叫び声を飲み込んだ。
店に入ると誰も出て来ない。「あれ?」
「すみません」クレッシェンドで何度か叫んだ。
それでも応答がない。上がってみる事にした。
1階の奥に、おばあちゃんがいた。
目があった。
少し間があって「ん?」と言われた。
「『ん?』じゃねーだろ?客だよ客」また飲み込んだ。
「あのー、6人の予約の人が食事していると思うんですが?」
「ん?」
「だから、『ん?』じゃねんだよ」もちろん飲み込んでいる。
「あのぉ、6人連れがご飯食べているんですが、何処にいます?」
「おー、んじゃ、よす子にきげ」
「ん?」今度は僕が言ってしまった。
「だがら、よす子にきげ」
らちがあかない。
しばらくすると、他の女性がきた。(よす子?よし子?さんらしい)
同じ事を説明すると、「ここをまっすぐいっで、おぐをひだりにいっで、みぎっがわになります」説明だけで案内はしてくれなかった。そしてすぐいなくなった、、、
おばあちゃんとかわらなかった。
行こうとしたら、さっきのおばあちゃんが「スリッパはいてげ」と小さな声で言った。
奥の座敷に入ると知らない人だらけだった。僕より20歳以上うえ。
知り合いにおじちゃん夫婦。もーひと夫婦。おじちゃん2人。
さっそく紹介してもらった。
え~、けんちくの関係の○○さんと石油の関係の○○さんとたまごやさん。
簡単な紹介だが、知り合いのおじちゃんは、僕が10年前に名古屋で「近松心中物語」という舞台をやった時に、共演の坂東三津五郎さんに紹介していただいた。名古屋でも指折りの料亭の方である。粋できれいな「遊び」を教えてくれた、僕の人生の師匠の一人である。
そのおじちゃんのお友達。どんな人たちかは簡単に想像がつく。
でも、すごい人たちは大体何処かいい意味で欠けている。
昼からビールを飲みながら、地元の山菜中心の料理を食べた。
繊細な味付けで実においしかった。
みなさん流石に話題が豊富で、山菜の名前、生えている場所、料理法など、他にも僕の知らない事をたくさんユーモアを交えて話してくれた。「へぇ~」の連発だった。(ちょっと古い?)
岩魚の焼き物を食べている時に、隣のたまごやさんが「あれぇ~、これめずらしいわ。ほらぁ、内臓の中にまだ消化しとらん餌がはいっとるでぇ」
見ると、芋虫みたいなのが3匹胃袋の中で燻されていた。
普通は、「うわ!気持ち悪ぅ~」みたいなことになると思うんだが、みなさまキモが座ってます。「ほぉ、餌食べてすぐに釣られたんだ、腹減っとったんだ~。
がっはっは」とか、「昔食べた天然のうなぎに釣り針が入っててな」などと笑っている。ちょうど料理を運んできたよす子さんにたまごやさんが、「ほれ、魚に虫が入っとるよ」するとよす子さん顔をしかめて気持ち悪そうに(これが普通だよね)しながらも、クレームだと思い、「す、すみませ、、」と言い終わらないうちに、たまごやさん箸で芋虫さわりながら「食べてみようかなぁ~」だって。
もー、さすがに僕は大爆笑。よす子さんは困っているし、結局食べなかったけど、すごい人は発想が違う。
その間も飛行機事故の話とゴルフの話と1日10km以上歩く話がシンクロしている。楽しそうに飲んでいた「けんちくさん」が、急に「え?飛行機からキャディーさんが歩いて落ちたの?」と、もーわけわかんない。
イレギュラーの僕が入ったので少し空間が歪んでいたのは確かだが、楽しくて仕方なかった。石油さんの石油話は、びっくりの連続。書けない事もたくさん話してくれた。1バレルが何故159リットルだか知ってる?
タンクローリーが何であの形か知ってる?(誰に聞いてんだっつーの)
僕は知ったばっかり。
宿に着いて温泉に入って準備を整えた。バスで出発。他に10数人が集まっていた。そして僕の動きが止まった。
バスには、「藤原養鶏場様」と書いてあった。
あー、参加してよかった。秋田まできてよかったとこの時思った。
こんなバスに昔から乗ってみたかった。
「藤原養鶏場様」。やったー!
思い切ってグリーン車できてよかった。
感動さえしてしまった。
おじちゃんだらけ。
最初はみんな馬鹿にしてた。しかし、帰りにはこの旗のおかげで、全員無事に帰れた。なんせ75万人。
我らが「藤原養鶏場様」一行は大曲に着いた。
そした鶏の黄色い旗を掲げ期待を胸に川に向かった。
場所は川の1番前。花火の事を細かく書くと長過ぎて読み飽きてしまうと思うので、僕からのささやかなプレゼント。
その時の写真をがんばって携帯でこのブログのために撮ってきました。
参加者は75万人だったそうだ。
帰りがどれほど大変で、どれほど楽しかったかは想像に任せます。
帰りは地獄。
川の一番前で見ることが出来たプラチナチケット。
これを見て2006最後の夏を楽しんで下さい。
すごいでしょ。来年は足を運んで、素晴らしい花火師のみなさんに拍手してあげて下さい。
とにかく桁外れ。こんな凄いのは見た事無かった。2時間以上花火を見ていて少しも飽きなかった。
神様、どーもありがとう。
それから、来週はまぁ~た藤原のボケがどっか行くらしくて、更新が木曜日になりそうです。ったく!度し難いよ。(って、自分で更新しろって)
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
全然関係ないけど、駅前のデパートの靴売り場。
棚が全部長靴。考えられない。こんなの初めて見た。感動のおすそわけ。
『大人の夏休み』 その4。
続き。
もう「カブうじゃ公園」(面倒くさいから縮めます)なんか楽勝じゃん。やっぱ素人は素人。ひっこんでろい!って感じ。
「一騎田中」が、いや「一騎田中様」が神々しく見えた。
昼間のうちに、第一のトラップを仕掛けた。
「一騎田中様」の眼鏡の奥の眼光が鋭い。木を一本一本「吟味」、いや、「ガン見」している。
木に「ガン」飛ばしている大人を初めてみた。
勝村さん、この木のこことか(うろのある所など)こことか(樹液が出ている場所)にこれくらいの間隔で止めて下さい。
丁寧にトラップを仕掛ける場所を指示してくれている。
興奮している僕は、既に適当に仕掛け始めていた。奥に入るのが恐いから道路の横の木とか、ガードレールとか適当につけていた。
後ろで、青い炎を感じた。
振り返ると「一騎田中様」がいた。
目を吊り上げて、『何をやってるんですか!勝村さん。そんなとこにつけても集まる訳ないでしょ!』と怒鳴られ、激しく叱られた。
「一騎田中様」の目には、「このバカ、何にもわかんねえくせに勝手はことしやがって、叩き切ってやる!」みたいな光線が出ていた。
「勝村よ。カブトムシがガードレールにとまるのか?あん?少しは考えて行動しろよ。バーカ!」と言われた。
実際には、「勝村さん、カブトムシはガードレールにとまらないでしょ」だったと思うけど、「一騎田中」の目を見ていると、恐くて、そんな風に聞こえてしまった。
しかし、もーしっかりと取り付けてしまったので、仕掛け直すのは面倒くさいし大変なので、「もーそのままでいいっすよ」と半笑いで言われた。
しかも「このガードレールにカブトムシが付いてたら、僕の大事なヘラクレスオオカブトをあげますよ」なんて事もで言われた。
少し恥ずかしかった。
そして夜。第二のトラップ。
昼間のうちに、じっくり選んだ場所にトラップを仕掛けた。
大掛かりなトラップなので、三人で懸命につくった。
いよいよ発電機をまわし、明かりを灯した。
全員で拍手。
感動した。
これで、「カブじゃ公園」(こんなんだっけ?)計画にリーチがかかった。
「光が安定するまで休憩しましょう」と自信たっぷりに微笑む「一騎田中様」が、コンバットのサンダース軍曹に見えた。(知らない人ごめんね)
なんて頼もしい。
休み始めたと思ったら、光が安定もしていないのに虫が集まり始めた。
「うぉー」思わず全員が叫んだ。
小さな虫や、蛾が多かった。
ここで「一騎田中軍曹様」が、「最初のうちは小さな蛾などが多いです。時間が経つと、蛾のサイズがどんどんでかくなってきます。カブトムシなどの甲虫は身体が重く飛ぶのが大変なので、明かりを見つけてから到着するまで時間がかかるのです。まー、後、一時間もすれば、がんがん飛んできますよ」
さすがプロ。さすが軍曹。虫を知りつくしている。
説明も論理的で淀みがない。
「軍曹」の説明の途中にもどんどん虫が集まっている。しかも説明通りで、蛾のサイズが大きくなってきている。その中にカミキリ虫等の甲虫も見られるようになってきた。その度に僕らは歓声をあげる。
歓声が悲鳴に変わったのは、蛾のサイズがマックスに達したからだ。
な、なんと、僕の手のひらくらいの「怪物みたいな俄」くんたちが(「蛾い物」と名付けた)(あんまりうまくない)バサバサと音をたてて現れ始めた。鱗粉をまき散らし、僕らに向かってくる輩までいる。
あちらこちらで悲鳴が聞こえる。しかし僕には、逃げ惑いながらも聞こえて来る悲鳴に酔いしれていた。
代々木公園で歓びの声をあげる子供達。
木々の間を疾走する正三じいちゃん。
飛び回るカブトムシ。
しかも全部度アップ。
そんな映像が僕の頭の中を走馬灯の様にまわっている。
さー、後は僕らのヒーロー、カブトムシだ。
そして待つ事三時間。
ヒーローは未だ現れない、、、、、、。
映画だったら既に街は破壊されている。
「軍曹」の額や背中が冷たい汗でびっしょりになっている。
そして一言。「場所かえましょう」
僕とマギー、そして疲れの見えてきたスタッフの冷たい視線に耐えられなかったのか、「田中」は(もー軍曹ではなくなっている)一人、トラップを片付け始めた。
場所を移し、気分も新たにした。
「田中」は、「すみません。ここかさっきの場所か迷ったんですが、初めからここにすればよかったんです。」少し引きつり気味に「田中」は言った。
スタッフも、ここではもう失敗は許されない。
作品の出来が変わってしまうからだ。
ディレクターが離れた場所で考え込んでいる。
多分、オプションを繋ぎ始めているのだろう。
才能のあるディレクターは、ロケに入る前に様々なオプションを用意している。
ノー天気に、「山に行けばカブトムシがたくさん捕れる」。
なんて考えてはいないのだ。
たくさん捕れた時。
少ししか捕れない時。
全然捕れなかった時。
をロケに行く前から予測して、現場でのイレギュラーを楽しむ。
ノー天気にカブトムシがうじゃうじゃ捕れると思っていたのは、僕とマギーだけだ。
「田中」なんて書いているが、田中さんだって、そーゆー予測は当然している。
なにせ相手は自然だ。人間の考えなど軽く一蹴されてしまう。
だから田中さんも昼のうちに数カ所ポイントは、当然の様に押さえている。これもプロの作業の一つである。
さー、時間もなくなってきた。既に12時をまわっている。5時前には空が明るくなる。第一のトラップも仕掛けてある。あまり遅くなると折角集まっているカブトムシが帰ってしまう。
明かりがついた。またしても小さな虫がすぐに集まってくる。
しかも今回は、大きな虫たちの集まりが早い。汗が引き、目に力の戻ってきた田中さん。小さな声で「ここはいいですよ」と呟く。
またしても、悲鳴があがった。
笑っちゃうくらいの「蛾い物」が、ぶっさぶっさと飛んで来る。
見た事のないサイズに、僕らは悲鳴をあげる事しか術がないのだ。
楽しいし、恐いし、もう、たまらない快感である。
悦楽にひたる僕ら。
不思議な天気が続いています。中途半端。
涼しいんだか、あっちいんだか、雨なんだか、曇ってんだか、晴れてんのか。結局、天気に気持ちが激しく揺さぶられている事に気づいて、可笑しくて顔がほころんでしまう。東京は夏がとても短かった。
人生を折り返し、カウントダウンの始まる年代になると1日や、ひと夏が愛おしい。1日を大切に過ごそうと考えるんだけど、ちゃんと出来た事がない。いつも夏が来る前はこんな事しよう、あんな事しようと考えるんだけど、思うように行ったためしがない。
横をみると、のぼるくんが何かを食べている。見てみると観葉植物の枯れた葉っぱだ。時々悔しくなるほど羨ましく思う。
のぼるくん。
随分前に名古屋の知り合いから、8月26日に行われる「大曲の花火」に誘われた。
よくわからなかったけど、すごいらしい。
一応カレンダーに印をつけた。
しかし、今年は夏休みもとれなかったから、すぐに丁寧に断った。
すっかり忘れていた。
先週、ドラマの脚本が遅れた。大幅に。
急に週末の仕事がなくなってしまった。本がないんだもの。
ちょっと可笑しかった。人生いろいろな、予期せぬ事がたくさんおこる。
でも、何もする事が無い。
先週の土日は、この二ヶ月で初めて蹴球の試合もなかった。
何もする事が無い。
突然の休日。
僕の家族はまとまった休みのとれない僕を早々と見限り、海外に旅立って行った。そして、入れ替わりに兵藤ゆき姉親子が我が家に住んでいる。
愛の家族かい。
今年は何処にも泊まりで出掛けていない。
まー、杉本哲ちゃんたちと飲みに行くと、ほとんど朝まで飲んでるから泊まりに出掛けているのとかわらないが、、、
どーしよーかなー?やっぱり飲みに行っちゃおうかなー?
と、何気なくカレンダーを見た。26日に「花火」と書いてある。
何だこれ?
すぐには思い出せなかった。
「あー!」
思い出しちゃった。花火に誘われてたんだぁ!断ったんだけど、、、
何処だっけか?そーだ、秋田だ。秋田?とーいなぁー。どーしよーかなー?
ちょっと迷った。
でも神様のくれた折角の短い夏休み。ちょっと冒険してみる事にした。
しかし、相手の事情もある。とりあえず名古屋に電話してみた。
「あー、かっちゃん。珍しい。やっとかめ。(八十日目と書く。名古屋の人の久しぶりと言う意味)どしたの?」
「あのー、前に花火に誘っていただきましたよね?僕も行っていい?」
「おー、かっちゃん。あんた運のいい人だね。一人急にいけんよーになってな、 ちょーどよかった。じゃあ、昼ごろ角館の駅で待ち合わせよー」
ってな事で、偶然と奇跡が重なり秋田の大曲の花火に参加する事になった。
しかし、よく考えてみたら一人旅は多分初めてだ。ちょっと不安になってきた。
旅には慣れているつもりだ。でも考えてみたらほとんど全部仕事。
全て用意されている。だいじょぶかな?
さらに不安になりかけた時に携帯がなった。
名古屋のおじちゃん。
「あー、かっちゃん。わしら名古屋から飛行機で行くんだけど、かっちゃんは○○時の新幹線がええと思うんだけど、チケットとれんかもしれんよ」
「は?」
「人が多いから」
「は?」
渋谷にチケットを買いに行った。満員だった。
何だそれ?
一本前の新幹線のグリーン車のチケットが1枚だけ!1枚だけあった。
何だそれ?
勇気を出して、たった1枚残っていたグリーン車のチケットを買った。
ま、とりあえず行ける。
何故か今回の旅は奇跡を呼ぶ。花火が「俺」を呼んでいる。
奇跡が「俺」を呼んでいる。どーしても「俺」を呼んでいる。
なにがなんでも呼んでいる。と思う。
神様が味方してくれている。かならずいい事がある。はずである。
ちょっと調子に乗った。
いよいよ土曜日。新幹線に乗り込んだ。やっぱり満員だった。
角館に着くと太陽が照りつけてきた。太陽がおいしい。
空気が澄んでいる。ちょっと呼吸を多めにしてみた。
空気も太陽も風もおいしい。
1本早かったので、時間をつぶそうと思ったが面倒くさいので連絡してみた。
「着きました」
「おー、早いなぁ。ちょーど飯食おーと店に入った所だからタクシーでおいで」
「わかりました」
ラッキー!ちょーどお腹が空いていたのだ。
やはり「俺」を呼んでいる。食事も「俺」を呼んでいる。
タクシーに乗り込み店の名前を言った。有名な料亭らしくすぐに運転手さんが「わかりました」とちょっとなまった返事をしてくれた。いい感じ。
やはり、地方の一番のごちそうは「訛り」だ。
なんだかホッとする。
2分もたたないうちに「着きました」と言われた。
「おい!歩くよ、こんな距離。言えよ!近いって!」と心の中の叫び声を飲み込んだ。
店に入ると誰も出て来ない。「あれ?」
「すみません」クレッシェンドで何度か叫んだ。
それでも応答がない。上がってみる事にした。
1階の奥に、おばあちゃんがいた。
目があった。
少し間があって「ん?」と言われた。
「『ん?』じゃねーだろ?客だよ客」また飲み込んだ。
「あのー、6人の予約の人が食事していると思うんですが?」
「ん?」
「だから、『ん?』じゃねんだよ」もちろん飲み込んでいる。
「あのぉ、6人連れがご飯食べているんですが、何処にいます?」
「おー、んじゃ、よす子にきげ」
「ん?」今度は僕が言ってしまった。
「だがら、よす子にきげ」
らちがあかない。
しばらくすると、他の女性がきた。(よす子?よし子?さんらしい)
同じ事を説明すると、「ここをまっすぐいっで、おぐをひだりにいっで、みぎっがわになります」説明だけで案内はしてくれなかった。そしてすぐいなくなった、、、
おばあちゃんとかわらなかった。
行こうとしたら、さっきのおばあちゃんが「スリッパはいてげ」と小さな声で言った。
奥の座敷に入ると知らない人だらけだった。僕より20歳以上うえ。
知り合いにおじちゃん夫婦。もーひと夫婦。おじちゃん2人。
さっそく紹介してもらった。
え~、けんちくの関係の○○さんと石油の関係の○○さんとたまごやさん。
簡単な紹介だが、知り合いのおじちゃんは、僕が10年前に名古屋で「近松心中物語」という舞台をやった時に、共演の坂東三津五郎さんに紹介していただいた。名古屋でも指折りの料亭の方である。粋できれいな「遊び」を教えてくれた、僕の人生の師匠の一人である。
そのおじちゃんのお友達。どんな人たちかは簡単に想像がつく。
でも、すごい人たちは大体何処かいい意味で欠けている。
昼からビールを飲みながら、地元の山菜中心の料理を食べた。
繊細な味付けで実においしかった。
みなさん流石に話題が豊富で、山菜の名前、生えている場所、料理法など、他にも僕の知らない事をたくさんユーモアを交えて話してくれた。「へぇ~」の連発だった。(ちょっと古い?)
岩魚の焼き物を食べている時に、隣のたまごやさんが「あれぇ~、これめずらしいわ。ほらぁ、内臓の中にまだ消化しとらん餌がはいっとるでぇ」
見ると、芋虫みたいなのが3匹胃袋の中で燻されていた。
普通は、「うわ!気持ち悪ぅ~」みたいなことになると思うんだが、みなさまキモが座ってます。「ほぉ、餌食べてすぐに釣られたんだ、腹減っとったんだ~。
がっはっは」とか、「昔食べた天然のうなぎに釣り針が入っててな」などと笑っている。ちょうど料理を運んできたよす子さんにたまごやさんが、「ほれ、魚に虫が入っとるよ」するとよす子さん顔をしかめて気持ち悪そうに(これが普通だよね)しながらも、クレームだと思い、「す、すみませ、、」と言い終わらないうちに、たまごやさん箸で芋虫さわりながら「食べてみようかなぁ~」だって。
もー、さすがに僕は大爆笑。よす子さんは困っているし、結局食べなかったけど、すごい人は発想が違う。
その間も飛行機事故の話とゴルフの話と1日10km以上歩く話がシンクロしている。楽しそうに飲んでいた「けんちくさん」が、急に「え?飛行機からキャディーさんが歩いて落ちたの?」と、もーわけわかんない。
イレギュラーの僕が入ったので少し空間が歪んでいたのは確かだが、楽しくて仕方なかった。石油さんの石油話は、びっくりの連続。書けない事もたくさん話してくれた。1バレルが何故159リットルだか知ってる?
タンクローリーが何であの形か知ってる?(誰に聞いてんだっつーの)
僕は知ったばっかり。
宿に着いて温泉に入って準備を整えた。バスで出発。他に10数人が集まっていた。そして僕の動きが止まった。
バスには、「藤原養鶏場様」と書いてあった。
あー、参加してよかった。秋田まできてよかったとこの時思った。
こんなバスに昔から乗ってみたかった。
「藤原養鶏場様」。やったー!
思い切ってグリーン車できてよかった。
感動さえしてしまった。
おじちゃんだらけ。
最初はみんな馬鹿にしてた。しかし、帰りにはこの旗のおかげで、全員無事に帰れた。なんせ75万人。
我らが「藤原養鶏場様」一行は大曲に着いた。
そした鶏の黄色い旗を掲げ期待を胸に川に向かった。
場所は川の1番前。花火の事を細かく書くと長過ぎて読み飽きてしまうと思うので、僕からのささやかなプレゼント。
その時の写真をがんばって携帯でこのブログのために撮ってきました。
参加者は75万人だったそうだ。
帰りがどれほど大変で、どれほど楽しかったかは想像に任せます。
帰りは地獄。
川の一番前で見ることが出来たプラチナチケット。
これを見て2006最後の夏を楽しんで下さい。
すごいでしょ。来年は足を運んで、素晴らしい花火師のみなさんに拍手してあげて下さい。
とにかく桁外れ。こんな凄いのは見た事無かった。2時間以上花火を見ていて少しも飽きなかった。
神様、どーもありがとう。
それから、来週はまぁ~た藤原のボケがどっか行くらしくて、更新が木曜日になりそうです。ったく!度し難いよ。(って、自分で更新しろって)
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
全然関係ないけど、駅前のデパートの靴売り場。
棚が全部長靴。考えられない。こんなの初めて見た。感動のおすそわけ。
『大人の夏休み』 その4。
続き。
もう「カブうじゃ公園」(面倒くさいから縮めます)なんか楽勝じゃん。やっぱ素人は素人。ひっこんでろい!って感じ。
「一騎田中」が、いや「一騎田中様」が神々しく見えた。
昼間のうちに、第一のトラップを仕掛けた。
「一騎田中様」の眼鏡の奥の眼光が鋭い。木を一本一本「吟味」、いや、「ガン見」している。
木に「ガン」飛ばしている大人を初めてみた。
勝村さん、この木のこことか(うろのある所など)こことか(樹液が出ている場所)にこれくらいの間隔で止めて下さい。
丁寧にトラップを仕掛ける場所を指示してくれている。
興奮している僕は、既に適当に仕掛け始めていた。奥に入るのが恐いから道路の横の木とか、ガードレールとか適当につけていた。
後ろで、青い炎を感じた。
振り返ると「一騎田中様」がいた。
目を吊り上げて、『何をやってるんですか!勝村さん。そんなとこにつけても集まる訳ないでしょ!』と怒鳴られ、激しく叱られた。
「一騎田中様」の目には、「このバカ、何にもわかんねえくせに勝手はことしやがって、叩き切ってやる!」みたいな光線が出ていた。
「勝村よ。カブトムシがガードレールにとまるのか?あん?少しは考えて行動しろよ。バーカ!」と言われた。
実際には、「勝村さん、カブトムシはガードレールにとまらないでしょ」だったと思うけど、「一騎田中」の目を見ていると、恐くて、そんな風に聞こえてしまった。
しかし、もーしっかりと取り付けてしまったので、仕掛け直すのは面倒くさいし大変なので、「もーそのままでいいっすよ」と半笑いで言われた。
しかも「このガードレールにカブトムシが付いてたら、僕の大事なヘラクレスオオカブトをあげますよ」なんて事もで言われた。
少し恥ずかしかった。
そして夜。第二のトラップ。
昼間のうちに、じっくり選んだ場所にトラップを仕掛けた。
大掛かりなトラップなので、三人で懸命につくった。
いよいよ発電機をまわし、明かりを灯した。
全員で拍手。
感動した。
これで、「カブじゃ公園」(こんなんだっけ?)計画にリーチがかかった。
「光が安定するまで休憩しましょう」と自信たっぷりに微笑む「一騎田中様」が、コンバットのサンダース軍曹に見えた。(知らない人ごめんね)
なんて頼もしい。
休み始めたと思ったら、光が安定もしていないのに虫が集まり始めた。
「うぉー」思わず全員が叫んだ。
小さな虫や、蛾が多かった。
ここで「一騎田中軍曹様」が、「最初のうちは小さな蛾などが多いです。時間が経つと、蛾のサイズがどんどんでかくなってきます。カブトムシなどの甲虫は身体が重く飛ぶのが大変なので、明かりを見つけてから到着するまで時間がかかるのです。まー、後、一時間もすれば、がんがん飛んできますよ」
さすがプロ。さすが軍曹。虫を知りつくしている。
説明も論理的で淀みがない。
「軍曹」の説明の途中にもどんどん虫が集まっている。しかも説明通りで、蛾のサイズが大きくなってきている。その中にカミキリ虫等の甲虫も見られるようになってきた。その度に僕らは歓声をあげる。
歓声が悲鳴に変わったのは、蛾のサイズがマックスに達したからだ。
な、なんと、僕の手のひらくらいの「怪物みたいな俄」くんたちが(「蛾い物」と名付けた)(あんまりうまくない)バサバサと音をたてて現れ始めた。鱗粉をまき散らし、僕らに向かってくる輩までいる。
あちらこちらで悲鳴が聞こえる。しかし僕には、逃げ惑いながらも聞こえて来る悲鳴に酔いしれていた。
代々木公園で歓びの声をあげる子供達。
木々の間を疾走する正三じいちゃん。
飛び回るカブトムシ。
しかも全部度アップ。
そんな映像が僕の頭の中を走馬灯の様にまわっている。
さー、後は僕らのヒーロー、カブトムシだ。
そして待つ事三時間。
ヒーローは未だ現れない、、、、、、。
映画だったら既に街は破壊されている。
「軍曹」の額や背中が冷たい汗でびっしょりになっている。
そして一言。「場所かえましょう」
僕とマギー、そして疲れの見えてきたスタッフの冷たい視線に耐えられなかったのか、「田中」は(もー軍曹ではなくなっている)一人、トラップを片付け始めた。
場所を移し、気分も新たにした。
「田中」は、「すみません。ここかさっきの場所か迷ったんですが、初めからここにすればよかったんです。」少し引きつり気味に「田中」は言った。
スタッフも、ここではもう失敗は許されない。
作品の出来が変わってしまうからだ。
ディレクターが離れた場所で考え込んでいる。
多分、オプションを繋ぎ始めているのだろう。
才能のあるディレクターは、ロケに入る前に様々なオプションを用意している。
ノー天気に、「山に行けばカブトムシがたくさん捕れる」。
なんて考えてはいないのだ。
たくさん捕れた時。
少ししか捕れない時。
全然捕れなかった時。
をロケに行く前から予測して、現場でのイレギュラーを楽しむ。
ノー天気にカブトムシがうじゃうじゃ捕れると思っていたのは、僕とマギーだけだ。
「田中」なんて書いているが、田中さんだって、そーゆー予測は当然している。
なにせ相手は自然だ。人間の考えなど軽く一蹴されてしまう。
だから田中さんも昼のうちに数カ所ポイントは、当然の様に押さえている。これもプロの作業の一つである。
さー、時間もなくなってきた。既に12時をまわっている。5時前には空が明るくなる。第一のトラップも仕掛けてある。あまり遅くなると折角集まっているカブトムシが帰ってしまう。
明かりがついた。またしても小さな虫がすぐに集まってくる。
しかも今回は、大きな虫たちの集まりが早い。汗が引き、目に力の戻ってきた田中さん。小さな声で「ここはいいですよ」と呟く。
またしても、悲鳴があがった。
笑っちゃうくらいの「蛾い物」が、ぶっさぶっさと飛んで来る。
見た事のないサイズに、僕らは悲鳴をあげる事しか術がないのだ。
楽しいし、恐いし、もう、たまらない快感である。
悦楽にひたる僕ら。
続く。
大人の夏休み その3 / 2006年08月23日
テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
先週、麻布十番祭りに行って来ました。
何年ぶりかで行ったんだけど、「あれ?」と思った。
この祭りって何祭り?
まぁ、麻布十番のお祭りなんだろーけど。
一応、(一応って失礼だね)最初に「十番稲荷」にお参りした。
他にお参りしていたのは、浴衣の女の子2人のみ。
もんのすごい人だらけだったにもかかわらず、、、、、
笑っちゃうくらい、なんだかよくわかんない。
(まぁ、お祭りをちゃんと考えた事はなかったしね)
でも、なんだかドキっとするくらい胸が高鳴った。
これ。
普通もー少しお参りするでしょ。
この前、ラジオで永六輔さんが言ってたんだけど(補足も入れますが)出雲大社の「巫女」の阿国が、慶長年間の関ヶ原の合戦の少し前の1600年頃、京都の四条河原で「念仏踊り」を踊ったのが、歌舞伎の始まり。
もちろん「出雲の阿国」の事は知ってたけど、「念仏踊り」が「盆踊り」だったとは知らなかった。(車で聞いてたから、だいたいね)
何が言いたいかと言うと、「巫女」は「神様」。「盆踊り」は「仏様」。
だんだんわかってきましたか?「女性」が「歌舞伎」の元祖。総家元。
神様に仕える者が、仏様の行事に参加して踊った女性の踊りが、現在では女人禁制の歌舞伎役者の総家元。
もーファンキー。ごっちゃごっちゃ。めっちゃくっちゃ。
笑える。しかも健全。
やっぱ「演劇」はこーでなくっちゃね。
ボーダレスで猥雑でシュールでアナーキーでアンダーグラウンド。
これに基本がしっかりしていたらゆー事なし。
それもめちゃくちゃ。
まぁ、「演劇」は関係ないけど、僕の人生にかかわってるから。
すんごい出店があって、大使館なんかも店出してて、楽しかったんだけど。
おもちゃ金魚釣りの景品
五匹以上釣ると一等賞なんだけど、これが同じ一等賞の景品。
家でやってみたけど、子供達には難し過ぎて大不評。でも、僕はかなり好き。
何故?丹下左膳?しかも絵が劇画タッチ。
これ、何祭り?
パキスタン大使館のナンとカレーとか、タンドリーチキンとかって、祭り?
関係あんの?
中国大使館の出店は餃子から小龍包から北京ダックまで、安くてとても美味しかったんだけど、祭り?
関係あんの?
働いている人を見たら、中國飯店(麻布で有名)の人たちだった。
美味しいはずだ。
日本人と中国人が汗を流して一緒に働いていた。
ここでも、何故かドキっとした。
他にも、アルゼンチン、イタリア、フランス、韓国、スウェーデン等。
そこはまさに、出店のワールドカップだった。(彦麻呂かい)
ちょっと笑っちゃってたくさん買っちゃったんだけど、とっても美味しいし、文句ないんだけど。
なんなんだろ?「祭り」って。
六本木ヒルズまで歩いた。
イカした櫓が組んであって(何だろ?イカした櫓って?)
なんかイベントやってた。
盆踊り風のオリエンタルな出し物。(だから何だそれ?)
思い出して、何とか形容しようとしてるんだけど、難しい。
なんか、あまりにもごちゃごちゃで訳わかんなかったから、、、
オリエンタルな盆おどらー達(何だ?盆おどらーって)
ほとんど人が渡っていない小さな橋を、強引に規制している町内会の人。
なんか(何だろとか、なんかってのが多いね)規模がデカくなりすぎて誰にも収集出来なくなっちゃったんじゃないかな?
ほら、「AKIRA」でテツオが自分を自分でコントロール出来なくなっちゃって収集つかなくなっちゃったでしょ?
あんな感じ。
とにかく笑えた。でも、「何か」が心のすみに引っかかったままだ。
「麻布十番祭り」
浅草のサンバカーニバルも笑える。
高円寺(ご指摘ありがとです。感謝。感謝。多謝)の阿波踊りも笑える。
だって、関係ないんだもん。なんか違うでしょ?
強引に自分たちのものにしてるけど、、、、、
ま、「継続」は力だから、自分たちのものになっちゃうんだな。これが。
他にもたくさん笑える事があると思う。
けどそれは、みうらじゅんさんと安西肇さんたちが詳しいし面白い。
で、永六輔さんの話じゃないけど、ちゃっと考えちゃったのよ。
いーかげんな「日本」を。(でかいな、話が)
戦国時代の武将様たち。
今でも日本のとーちゃんたち大好きな戦国武将。
会社でもいろいろな例えでしょっちゅう使われる。
でも戦国武将は最終的に「裏切る」んだよね。
だから、どんな戦も、最終的な決着は「裏切り」なんだね。
「裏切りの歴史」
最終的な戦術が「裏切り」。
すごいでしょ。考えたら。
根回し。詐欺まがい。たくさんあったんでしょう。
今と何も変わっていない。
しかも「戦」に戦国武将様たちは「小姓」連れて行くし。
おもしろいね。いーかげんで。
いい加減の良さって、いいね。
だって、「いい」加減だし。
永遠がつくれない良さ。みたいなものかな。
日本の家ってのも、永遠じゃないでしょ。
地震が多いから木の家でしょ。
地震に強いけど、すぐに壊れてもいー感じ。
すぐに捨てて逃げられる。
固執してないのがいーんだね。
壊れる事を前提に造られているのがいい。
すぐに再生が出来る。面倒くさいけど。
前にも書いたと思うけど、
「再生」と「崩壊」を同時に行うのが演劇である。
僕は演劇に携わっているから、ついつい演劇を通してものを考えてしまう。「阿国」の話もそうだけど、僕の「違和感」の糸みたいなものが、「違和感」を感じるたびに上手い具合によれてきて太い紐みたいになっていく。
そうすると、「違和感」を理解する事ができる。
理解すると、「違和感」が自分のものになる。
「違和感」が僕の生きる事にとても深くかかわっている。
演劇は、昔は医療だった。
まぁ、今でもね。
僕は、「違和感」という病を常に発症していて、それを演劇を通して考える事によって同時に治療をしているって事になる。
あー、面倒くさ。
でも、この面倒くささが大切。
この面倒くささって素晴らしいでしょ。(そーでもないかな?)
面倒くさい事に時間をかけるのは、生きる「シアワセ」だ。
余裕があると遊び心も生まれてくるし。
だから、「アイディア」も「技術」も豊になる。
今の家も壊す事を前提に造られているけど、「意味」が違う。
だからつまらない。同じ事をしていてもまったく違う。
「違和感」
ちゃんと物を見つめる力をつけたいと思う。切に思う。
だから、なんでもありの「麻布十番祭り」がとても面白かった。
「いい」意味での「いい」加減だったし。
「違和感」だらけだった。
「ドキ」っとした理由がわかった気がした。
「祭り」って宗教とか信仰とかそこにあったはずなんだよね。元々。
で、世界の現状とも重なってしまったんだね。(インチキ臭いね。僕も)
もっと、「いい」加減でいーんじゃないかと。
まぁ、デリケートな問題だから何とも言えないけど。
人はそんな事で死ななくても、憎まなくていーんじゃないかと。
「いい」加減でいーんじゃないかと?
「十番祭り」でいーんじゃないかと?
あれくらい「いい」意味で「いい」加減な事が出来るんじゃんって。
たくさんの人巻き込んで。
たくさんの国巻き込んで。
たくさんの民族巻き込んで。
たくさんの宗教巻き込んで。
「ドキ」っとした理由は、世界に穴が開けられるんじゃないかと思った「ドキ」だったんだな。
話がでかくなりすぎて、僕も「テツオ」みたいになってきた。
まぁ、そのうち「十番祭り」で感じた「違和感」は、何ヶ月かしたら僕の中で熟成されて太い綱になってくれるでしょう。
今回の話、よくわかんなかったらごめんなさい。
僕にはわかっているからだいじょびなんだけど、、、
「世界十番祭り」なんてどー?(プロレスかよ)
「十番祭りラブ&ピース」(ダメだこりゃ)
でも、少なくとも子供たちは死なない。
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その3。
続き。
光陰矢の如し。
それから数ヶ月レイター。
また違う制作会社の人と企画の事で話をした。
話しているうちに、忘れかけていたカブトムシの話題になった。
「カブトムシうじゃうじゃ、イン代々木公園」の話もした。
すると、ディレクターが、「それ行けるんじゃないかな?」みたいな事になって、計画が失敗した所から始めて、もう一度挑戦して行く話にしましょう。
みたいな事になって、、、、
光陰矢の如し。如し。
番組の最初に今までの経緯を専門家(むし社の飯島さん)に説明した。
僕には、消えた天使たちの理由が皆目見当がつかなかった。
全て完璧のはずだ。
しかし、飯島さんは簡単に答えた。
「土に問題があったんじゃないんですか?」
「は?」少し汗が出たが、ちゃんと土をかえていた事を説明した。
「何処で買いましたか?」
「え?あの、○○○○ー○(量販店の名前)ですが、、、」
「あー、それは成虫用じゃないかな?その土には栄養がないんですよ。結構あるんですよね。」
後頭部を鈍器で叩かれた様な気がした。
家に帰り、まだ大量に残っている土が入った袋を確かめた。
袋の表には、しっかりと「成虫用」と書いてあった。
幼虫には使わないで下さい。とも書いてあった。
全てがはっきりした。
「僕が犯人だった」
こんな以外なヘルタスケルター。
大量猟期殺人事件の犯人が、ドラマが終わってから家で自分が犯人だったと気づく。
これが2時間ドラマなら画期的で斬新な作品だ。
スティーブン・キングだって書けやしない。
普通は、大詰めで、犯人が悔恨の長台詞を断崖絶壁で告白する。
周囲には、刑事たちも苦しげに告白を受け止める。
そして、船越さんが、あ、いや、刑事さんが見ている者に希望を与える言葉をかけてあげる。
しかし今回は、犯人があれだけの大量殺人を犯していながら、全く気づいていない。
しかも、随分経ってから家で毒の袋を見て自分の犯行だったと気づく。
それも一人で。
まわりに船越さんはいない。
こんな不条理、ベケットも書けない。
ただのまぬけ。
袋に書いてある事読め。(普段は本読むのが好きなんて言っている癖に)
犯人は(僕ね)心に深い傷を背負った。
そして、山梨に旅立つ事になった。(番組でね)
相方は事務所の後輩の、天才、マギーちゃん。
しかも、今度は昆虫関係の専門家(むし社の飯島さん)の講義を受け、昆虫専門のハンター(こちらはグランドビートルの田中さん)が旅に同行してくれる。
なんと力強い事でせう。
様々なトラップを梶原一騎顔の(いいのかな?)田中さんが用意してくれた。
第一のトラップ。
昆虫は夜行性である。
なので、昼間にカブくん達の大好きな、臭い、臭い罠を仕掛ける。
(バナナを焼酎に浸けて、そこに「一騎田中」のオリジナル激臭のたれ「中身は企業秘密」を加える)
さらにバナナが腐るまで待ち、この世の物とは思えない匂いの「ブツ」を完成させる。その「ブツ」をパンティーストッキングに詰め、カブくん達の集まりそうな木に仕掛ける。
「ここで、仕掛ける木をしっかり選択出来る目を持っているのが、プロです。」
みたいな事を「一騎田中」が説明してくれた。
それで早朝に戻り、ブツに群がるカブくん達を一網打尽にする作戦である。
す、すごいと思った。さすがにプロ。やる事が違う。
第二のトラップ。
これもすごい技だ。
このトラップは夜に行われる。
日のあるうちに場所を探す。
「ここで、仕掛ける場所をしっかり選択出来る目を持っているのが、プロです。」
みたいな事を「一騎田中」がまた説明してくれた。
従順に僕らは頷くしか術が無い。(もちろん目を輝かせて)
このトラップは、夜に大きな白い布みたいな物を張る。
次に特殊なライトを当てる。
ライトに反射し、輝く白い布に吸い寄せられて来るカブくん達を、根こそぎかっさらう。
な、なんと豪快な技でせう。
緻密な技と豪快な技。、、、、、もー、脱帽である。
「一騎田中」は、第二のトラップで、軽く100匹は行けます。
と、のたまった。
僕は軽い目眩を覚えながら、聞き返した。
「ひゃ、ひゃっぴきー!」
僕の頭には、北朝鮮の軍隊の行進が浮かんだ。
同じ歩調。
同じ間隔。
同じスピード。
同じ足の上げ方、
同じ手の振り方。
どれも完璧に揃っている映像。
しかし、それが全部カブトムシ。
「1、2、1、2、1、2、1、2、1、2、、、」
やったー!
先週、麻布十番祭りに行って来ました。
何年ぶりかで行ったんだけど、「あれ?」と思った。
この祭りって何祭り?
まぁ、麻布十番のお祭りなんだろーけど。
一応、(一応って失礼だね)最初に「十番稲荷」にお参りした。
他にお参りしていたのは、浴衣の女の子2人のみ。
もんのすごい人だらけだったにもかかわらず、、、、、
笑っちゃうくらい、なんだかよくわかんない。
(まぁ、お祭りをちゃんと考えた事はなかったしね)
でも、なんだかドキっとするくらい胸が高鳴った。
これ。
普通もー少しお参りするでしょ。
この前、ラジオで永六輔さんが言ってたんだけど(補足も入れますが)出雲大社の「巫女」の阿国が、慶長年間の関ヶ原の合戦の少し前の1600年頃、京都の四条河原で「念仏踊り」を踊ったのが、歌舞伎の始まり。
もちろん「出雲の阿国」の事は知ってたけど、「念仏踊り」が「盆踊り」だったとは知らなかった。(車で聞いてたから、だいたいね)
何が言いたいかと言うと、「巫女」は「神様」。「盆踊り」は「仏様」。
だんだんわかってきましたか?「女性」が「歌舞伎」の元祖。総家元。
神様に仕える者が、仏様の行事に参加して踊った女性の踊りが、現在では女人禁制の歌舞伎役者の総家元。
もーファンキー。ごっちゃごっちゃ。めっちゃくっちゃ。
笑える。しかも健全。
やっぱ「演劇」はこーでなくっちゃね。
ボーダレスで猥雑でシュールでアナーキーでアンダーグラウンド。
これに基本がしっかりしていたらゆー事なし。
それもめちゃくちゃ。
まぁ、「演劇」は関係ないけど、僕の人生にかかわってるから。
すんごい出店があって、大使館なんかも店出してて、楽しかったんだけど。
おもちゃ金魚釣りの景品
五匹以上釣ると一等賞なんだけど、これが同じ一等賞の景品。
家でやってみたけど、子供達には難し過ぎて大不評。でも、僕はかなり好き。
何故?丹下左膳?しかも絵が劇画タッチ。
これ、何祭り?
パキスタン大使館のナンとカレーとか、タンドリーチキンとかって、祭り?
関係あんの?
中国大使館の出店は餃子から小龍包から北京ダックまで、安くてとても美味しかったんだけど、祭り?
関係あんの?
働いている人を見たら、中國飯店(麻布で有名)の人たちだった。
美味しいはずだ。
日本人と中国人が汗を流して一緒に働いていた。
ここでも、何故かドキっとした。
他にも、アルゼンチン、イタリア、フランス、韓国、スウェーデン等。
そこはまさに、出店のワールドカップだった。(彦麻呂かい)
ちょっと笑っちゃってたくさん買っちゃったんだけど、とっても美味しいし、文句ないんだけど。
なんなんだろ?「祭り」って。
六本木ヒルズまで歩いた。
イカした櫓が組んであって(何だろ?イカした櫓って?)
なんかイベントやってた。
盆踊り風のオリエンタルな出し物。(だから何だそれ?)
思い出して、何とか形容しようとしてるんだけど、難しい。
なんか、あまりにもごちゃごちゃで訳わかんなかったから、、、
オリエンタルな盆おどらー達(何だ?盆おどらーって)
ほとんど人が渡っていない小さな橋を、強引に規制している町内会の人。
なんか(何だろとか、なんかってのが多いね)規模がデカくなりすぎて誰にも収集出来なくなっちゃったんじゃないかな?
ほら、「AKIRA」でテツオが自分を自分でコントロール出来なくなっちゃって収集つかなくなっちゃったでしょ?
あんな感じ。
とにかく笑えた。でも、「何か」が心のすみに引っかかったままだ。
「麻布十番祭り」
浅草のサンバカーニバルも笑える。
高円寺(ご指摘ありがとです。感謝。感謝。多謝)の阿波踊りも笑える。
だって、関係ないんだもん。なんか違うでしょ?
強引に自分たちのものにしてるけど、、、、、
ま、「継続」は力だから、自分たちのものになっちゃうんだな。これが。
他にもたくさん笑える事があると思う。
けどそれは、みうらじゅんさんと安西肇さんたちが詳しいし面白い。
で、永六輔さんの話じゃないけど、ちゃっと考えちゃったのよ。
いーかげんな「日本」を。(でかいな、話が)
戦国時代の武将様たち。
今でも日本のとーちゃんたち大好きな戦国武将。
会社でもいろいろな例えでしょっちゅう使われる。
でも戦国武将は最終的に「裏切る」んだよね。
だから、どんな戦も、最終的な決着は「裏切り」なんだね。
「裏切りの歴史」
最終的な戦術が「裏切り」。
すごいでしょ。考えたら。
根回し。詐欺まがい。たくさんあったんでしょう。
今と何も変わっていない。
しかも「戦」に戦国武将様たちは「小姓」連れて行くし。
おもしろいね。いーかげんで。
いい加減の良さって、いいね。
だって、「いい」加減だし。
永遠がつくれない良さ。みたいなものかな。
日本の家ってのも、永遠じゃないでしょ。
地震が多いから木の家でしょ。
地震に強いけど、すぐに壊れてもいー感じ。
すぐに捨てて逃げられる。
固執してないのがいーんだね。
壊れる事を前提に造られているのがいい。
すぐに再生が出来る。面倒くさいけど。
前にも書いたと思うけど、
「再生」と「崩壊」を同時に行うのが演劇である。
僕は演劇に携わっているから、ついつい演劇を通してものを考えてしまう。「阿国」の話もそうだけど、僕の「違和感」の糸みたいなものが、「違和感」を感じるたびに上手い具合によれてきて太い紐みたいになっていく。
そうすると、「違和感」を理解する事ができる。
理解すると、「違和感」が自分のものになる。
「違和感」が僕の生きる事にとても深くかかわっている。
演劇は、昔は医療だった。
まぁ、今でもね。
僕は、「違和感」という病を常に発症していて、それを演劇を通して考える事によって同時に治療をしているって事になる。
あー、面倒くさ。
でも、この面倒くささが大切。
この面倒くささって素晴らしいでしょ。(そーでもないかな?)
面倒くさい事に時間をかけるのは、生きる「シアワセ」だ。
余裕があると遊び心も生まれてくるし。
だから、「アイディア」も「技術」も豊になる。
今の家も壊す事を前提に造られているけど、「意味」が違う。
だからつまらない。同じ事をしていてもまったく違う。
「違和感」
ちゃんと物を見つめる力をつけたいと思う。切に思う。
だから、なんでもありの「麻布十番祭り」がとても面白かった。
「いい」意味での「いい」加減だったし。
「違和感」だらけだった。
「ドキ」っとした理由がわかった気がした。
「祭り」って宗教とか信仰とかそこにあったはずなんだよね。元々。
で、世界の現状とも重なってしまったんだね。(インチキ臭いね。僕も)
もっと、「いい」加減でいーんじゃないかと。
まぁ、デリケートな問題だから何とも言えないけど。
人はそんな事で死ななくても、憎まなくていーんじゃないかと。
「いい」加減でいーんじゃないかと?
「十番祭り」でいーんじゃないかと?
あれくらい「いい」意味で「いい」加減な事が出来るんじゃんって。
たくさんの人巻き込んで。
たくさんの国巻き込んで。
たくさんの民族巻き込んで。
たくさんの宗教巻き込んで。
「ドキ」っとした理由は、世界に穴が開けられるんじゃないかと思った「ドキ」だったんだな。
話がでかくなりすぎて、僕も「テツオ」みたいになってきた。
まぁ、そのうち「十番祭り」で感じた「違和感」は、何ヶ月かしたら僕の中で熟成されて太い綱になってくれるでしょう。
今回の話、よくわかんなかったらごめんなさい。
僕にはわかっているからだいじょびなんだけど、、、
「世界十番祭り」なんてどー?(プロレスかよ)
「十番祭りラブ&ピース」(ダメだこりゃ)
でも、少なくとも子供たちは死なない。
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その3。
続き。
光陰矢の如し。
それから数ヶ月レイター。
また違う制作会社の人と企画の事で話をした。
話しているうちに、忘れかけていたカブトムシの話題になった。
「カブトムシうじゃうじゃ、イン代々木公園」の話もした。
すると、ディレクターが、「それ行けるんじゃないかな?」みたいな事になって、計画が失敗した所から始めて、もう一度挑戦して行く話にしましょう。
みたいな事になって、、、、
光陰矢の如し。如し。
番組の最初に今までの経緯を専門家(むし社の飯島さん)に説明した。
僕には、消えた天使たちの理由が皆目見当がつかなかった。
全て完璧のはずだ。
しかし、飯島さんは簡単に答えた。
「土に問題があったんじゃないんですか?」
「は?」少し汗が出たが、ちゃんと土をかえていた事を説明した。
「何処で買いましたか?」
「え?あの、○○○○ー○(量販店の名前)ですが、、、」
「あー、それは成虫用じゃないかな?その土には栄養がないんですよ。結構あるんですよね。」
後頭部を鈍器で叩かれた様な気がした。
家に帰り、まだ大量に残っている土が入った袋を確かめた。
袋の表には、しっかりと「成虫用」と書いてあった。
幼虫には使わないで下さい。とも書いてあった。
全てがはっきりした。
「僕が犯人だった」
こんな以外なヘルタスケルター。
大量猟期殺人事件の犯人が、ドラマが終わってから家で自分が犯人だったと気づく。
これが2時間ドラマなら画期的で斬新な作品だ。
スティーブン・キングだって書けやしない。
普通は、大詰めで、犯人が悔恨の長台詞を断崖絶壁で告白する。
周囲には、刑事たちも苦しげに告白を受け止める。
そして、船越さんが、あ、いや、刑事さんが見ている者に希望を与える言葉をかけてあげる。
しかし今回は、犯人があれだけの大量殺人を犯していながら、全く気づいていない。
しかも、随分経ってから家で毒の袋を見て自分の犯行だったと気づく。
それも一人で。
まわりに船越さんはいない。
こんな不条理、ベケットも書けない。
ただのまぬけ。
袋に書いてある事読め。(普段は本読むのが好きなんて言っている癖に)
犯人は(僕ね)心に深い傷を背負った。
そして、山梨に旅立つ事になった。(番組でね)
相方は事務所の後輩の、天才、マギーちゃん。
しかも、今度は昆虫関係の専門家(むし社の飯島さん)の講義を受け、昆虫専門のハンター(こちらはグランドビートルの田中さん)が旅に同行してくれる。
なんと力強い事でせう。
様々なトラップを梶原一騎顔の(いいのかな?)田中さんが用意してくれた。
第一のトラップ。
昆虫は夜行性である。
なので、昼間にカブくん達の大好きな、臭い、臭い罠を仕掛ける。
(バナナを焼酎に浸けて、そこに「一騎田中」のオリジナル激臭のたれ「中身は企業秘密」を加える)
さらにバナナが腐るまで待ち、この世の物とは思えない匂いの「ブツ」を完成させる。その「ブツ」をパンティーストッキングに詰め、カブくん達の集まりそうな木に仕掛ける。
「ここで、仕掛ける木をしっかり選択出来る目を持っているのが、プロです。」
みたいな事を「一騎田中」が説明してくれた。
それで早朝に戻り、ブツに群がるカブくん達を一網打尽にする作戦である。
す、すごいと思った。さすがにプロ。やる事が違う。
第二のトラップ。
これもすごい技だ。
このトラップは夜に行われる。
日のあるうちに場所を探す。
「ここで、仕掛ける場所をしっかり選択出来る目を持っているのが、プロです。」
みたいな事を「一騎田中」がまた説明してくれた。
従順に僕らは頷くしか術が無い。(もちろん目を輝かせて)
このトラップは、夜に大きな白い布みたいな物を張る。
次に特殊なライトを当てる。
ライトに反射し、輝く白い布に吸い寄せられて来るカブくん達を、根こそぎかっさらう。
な、なんと豪快な技でせう。
緻密な技と豪快な技。、、、、、もー、脱帽である。
「一騎田中」は、第二のトラップで、軽く100匹は行けます。
と、のたまった。
僕は軽い目眩を覚えながら、聞き返した。
「ひゃ、ひゃっぴきー!」
僕の頭には、北朝鮮の軍隊の行進が浮かんだ。
同じ歩調。
同じ間隔。
同じスピード。
同じ足の上げ方、
同じ手の振り方。
どれも完璧に揃っている映像。
しかし、それが全部カブトムシ。
「1、2、1、2、1、2、1、2、1、2、、、」
やったー!
続く。
大人の夏休み その2 / 2006年08月16日
テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
小学生の頃は「かつむ」と呼ばれ、中学で「かつ」と呼ばれ出し、中学の担任の先生から「お前が高校に行ったら、『か』って呼ばれるぞ」と言われた、勝村政信です。
何だ!『か』って、、、
こんなあだ名紹介でいい?(って誰に言ってんだっつーの)
まーいーや。
残暑厳しくなってきました。って、先週くらいから言われてましたが、先週は、やっと梅雨が終わってやっと夏っぽくなってきたのに、何が残暑だよ!と思っていたんだけど、どーなの?あーゆー時って?
まーいーや。
台風が元気です。子供の頃、台風が大好きだった。なんだかワクワクして、窓とかに木を打ち付ける家があったり、ロウソク準備したり、台風を待っているへんな時間がへんな緊張感がなんともいえなかった。なんだか台風をちゃんと相手にしていた感じがあった。
台風「一家」だと思っていた。
5号とか6号とか一緒にくるから、台風って「家族」なんだと思ってた。
1号がお父さんで、、、
まいいーや。
停電も好きだった。家族が全員一つの部屋に集まり、ロウソクつけてテーブルを囲む。ちょっといつもと違う家族の関係がそこにある。
ロウソクの明かりで、お互いの顔にいろんな影ができる。ちょっと恐くて、ちょっと楽しくて、いつもよりちょっと会話が弾んだ。
去年、西表島でちょっと暮らしていた。
夕ご飯を食べていたら、突然停電した。
なんの前触れもなく。
民宿の食堂がお店も兼ねていたので、すぐに非常灯がついた。
外に出ると、店の中よりも外のほうが明るかった。
満天の星の明かりだった。鳥肌がたった。
思わず「おぉー!」って声が出ていた。
ほんとに出るんだね、声。
都会は明るいしガスが多いから、満天の星なんてない。
とにかく驚いた。
店に戻るとテーブルにロウソクが点いていた。
いい感じに暗くて、ちょっと興奮したんだけど(なんのために?)
島の人たちは全然普通だった。よく停電するらしい。
随分民宿で暮らしていたから、店の人たちとはすっかり仲良しになっていた。店で働いている女の子で、北海道から出て来て沖縄民謡の勉強をしている子がいた。信じられないくらい綺麗な声で地元の人みたいに唄がうまい。
こっそり頼んで停電の中で三線を弾いてもらい、唄ってもらった。
店は突然、ライブ会場に変わった。
ロウソクの前で唄う彼女は幻想的で、神々しく、えらく感動した。
昔、渋谷のジャンジャンと言う劇場で高橋竹山のライブを観た事があるが、同じくらい感動した。
でもさらに凄かったのが、飲みに来ていたお客さんが、「じゃ、次唄うか」って三線を彼女から借りて唄いだした。
ごっつぃ、熊みたいなおじさんだったんだけど、痺れるくらいよかった。「ここの漁師の唄」とか言って、言葉が全然わかんないんだけど、とにかく痺れた。
明るい、弾んだリズムの唄の時は、そこにいた地元のお客さんが指笛を吹き、唄って、踊った。なんて素敵な人たちなんだろと思った。
祖先からの「バトン」を受け取っている人たちだった。
去年、テキサスのカウボーイと飲んでいる時にも(どんなシュチュエーションなんだ?)、カウボーイ、カウガールたちがたくさん唄を唄ってくれた。
カウボーイの一人が、「マーサ(外国に行くと、よくマーサと呼ばれる)お前達の日本の唄を唄ってくれ」って言った。
数分考えた末に、「僕には唄える唄がない」と悲しい顔で答えた。
すると彼は、笑顔で「気にするな、なにも問題はない」と言ってくれた。
僕は、いや、僕らはいつから「バトン」を落としてしまったんだろう?
僕は、いや、僕らはいつから落とした「バトン」を見失ってしまったんだろう?
でも、落ちてるからね。確実に。
ちゃんと見つけて、
ていねいに拾って、
汚れを落として、
しっかり掴んで、
次の走者に渡さないとね。
先週は雨だらけで、ロケ中止が相次ぎすんごい中途半端な休みだらけだった。本当に中途半端で(その日の朝に中止が決まったりする)一日を無駄にしてしまう。もったいないから、ちょっと用事もあったので実家に一人で行ってみた。
なんだかよくわかんない里帰り。
実家は元佃煮やの父と、その彼女(ま、僕の母親だね)の二人暮らし。
三人で部屋にいると、ちょっとシュールな時間が流れる。
そんなに会話もないし、でもせっかく息子が帰ってきたから、元佃煮やの彼女は何かを話そうとするんだけど、話題がない。
でもなにか話したい。
そんな空気感がなんとも心地悪くて、最高におかしい。
「あれなのよ、足がね、先生から薬みんな飲んでいいって言われたからみんな飲んだんだけど、足がね、腫れちゃって。こんなに。でね、先生に言ったら検査してくれて、そしたらなんともないのよ。先生も不思議だ不思議だってね。足が。 腫れちゃって。でも、治ったでしょ。ほら。もー、太いんだか、腫れてんだかわかんないんだけど、足がね。ほら。」
訳わかんない。
「サイダーか冷たい物飲む?」
さらにわかんない。
でも、おかしくておかしくて、黙って聞いている。
すると僕の沈黙に耐え切れず、「ご飯でも食べに行く?」
と、元佃煮やの彼女。
2時を過ぎている。
流石に僕も「え?」って聞き返した。
「できたのね寿司屋。産業道路んとこに。昨日。」
「え?」と僕。
「ちょーどいいんじゃない?寿司屋」
「何が?」と笑いをこらえて僕。
「どお?お父さん?」
「うん、そーだな」と元佃煮や。
「そーだなって?」もー完全に笑いながら僕。
「じゃあ、行きましょうよ」と元佃煮やの彼女。
「こんな時間に飯食うの?」とその息子。
「もーさ、時間なんてあってないみたいなもんだ」と元佃煮や。
「じゃあ、いーよ。別に」と満面の笑みの息子。
かくして、老人2名、おじちゃん1名の計3名。
不思議な時間に、できたばかりの産業道路沿いの回転寿しに向かった。
父 「ここだ。あ、階段上がるんだ」
母 「わたしは大丈夫よ」
子 「、、、、、」
店に入る。
父 「貸し切りみたいだな」
母 「ほんとね。大丈夫かしらね?開店したばっかりなのに」
大丈夫に決まってる。入った時間が中途半端なだけなんだから。
座った。
父 「ネタが小さいな、、、」
母 「シャリがあったかいわね」
子 笑ってる。
父 「これだったら、○○(別の回転寿し)のほうがいいな」
母 「そーね~」
子 「じゃあさ、そこ行ってみる?」(楽しくて仕方ない)
父 「う~ん。、、、、そーしよーか」
子 「すみません、お会計して下さい」
店の人 「はい、475円です」
子 「笑いをこらえ払う」(こんなに安いお会計は初めてだ)
そして、午後の2時過ぎに回転寿しのはしごをする。
ミョウなテンションの老人2名、おじちゃん1名の計3名。
そして次の店に。
ここでは、元佃煮やも、その彼女も大満足だった。
最後に、元佃煮やがかっぱ巻きを食べるかどーかで彼女と話し合っていた。
あまりにも評判がよかったので、思いきって元佃煮やとその彼女の現場写真のせちゃいます。
何故二人が右を向いているかというと、カメラよりも回っている寿司に気をとられているから。
父 「いや、腹はいっぱいなんだけど、さっぱりするから、かっぱは。」
母 「じゃあ、頼めば」
父 「うん。お前さんは(僕に)どーする?」
子 「え~とね、いらない(笑いながら)」
こんなシュールな午後を過ごしたことはない。
3名ともいろんな意味で大満足。
しあわせな気分のまま、実家を後にした。
なんとなく、墓参りに行った。
草が伸び放題だったので、素手で毟った。
両手が土でどろどろになって、洗ったら草の緑が手にたくさんついていた。
草に落書きされたみたいだった。
バッタとカマキリとたくさんのアリがでてきた。
なんか悪い事したかなと思った。
でも、墓参りしてよかったと思った。
そして、元佃煮やとその彼女の事を思い、
「長生きしてくれたまえ」と祈った。
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その2。
続き。
トップブリーダーは震えた。
感動を押さえる事が出来なかった。
感激して涙がほとばしった。
その涙を拭おうともせず、トップブリーダーはガッツポーズをとった。
トップブリーダーは今一度、愛の結晶を見ようとガッツポーズをとき、愛の真珠を眺めた。
次の瞬間、トップブリーダーは地獄に落とされた。
つぶれてる。
振り払ったはずの悪魔が笑っている。
そー、興奮のあまり我を忘れたトップブリーダーは、ガッツポーズで拳を握り締めた時に、愛の結晶の真珠も一緒に握り潰してしまっていたのだ。
喜びの涙はそのまま悲しみの涙にかわった。
そして頭に浮かんだのは、中学の時に習った、「上人(しょうにん)の感涙、無駄になりけり」という一文だった。(違うなぁ、意味が、、、)
ごめんなさい、真珠くん。
トップブリーダーは喪に服そうと思ったその刹那!
涙に濡れた瞳を見開いた。
流石タイソンくん達。
食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくったかいがあり、愛の真珠は一つではなかった。
ごろごろ出て来た。
掘るとこ掘るとこ愛の真珠がざくざく出て来た。ポチもいないのに。
映画「ジャイアンツ」のジェームス・ディーン扮するジェット・リンクが石油を掘り当てた場面と酷似していた。(してない)
小さなアメリカンドリーム。
この夢が!愛の真珠が!
代々木公園をカブトムシでうじゃうじゃに出来るのだ!
子供達もうじゃうじゃするのだ、しかも笑顔で(ちょっと気持ち悪い)
今度は潰さない様に、トップブリーダーは愛の真珠を別のケースに移した。
たっぷりぷりと、おいっしいくて、栄養いっぱいぱいの土を入れて。
数日後、愛の真珠から白くうごめく妖精が出て来た。
(幼虫はちょっと恐いから、妖精と呼ぶ事にする)
愛の真珠がごろごろしていただけあって、妖精もごろごろいる。
しかも妖精は高速で成長している。ぐいんぐいんと、、、
恐い。
正直恐かった。
気持ち悪かった。
悪魔を呼びに行こうかと思った。
「気持ち悪いから捨てれば?」って囁いて欲しかった、、、
いかんいかん。
トップブリーダーには壮大な計画が待っている。
しかも順調に計画は進んでいる。
今更途中で止める訳にはいかない。
しかし、一応僕にも生業としているものがある。
タイソンくん達にかかりっきりの用務員のおじちゃんではないのだ。
忙しいのだ。僕だって。
妖精がうじゃうじゃいるから、土を一杯食う。
親のタイソンくん達も元気一杯に、相変わらず食いまくり、うんこしまくり、交尾しまくっている。
黒糖ゼリーはすぐになくなる。
土はすぐにうんこだらけになる。(妖精くん達は土を食べて成長する)
手間かかるし、金かかるし、買い物しなくちゃいけないし、、、
本当に大変なのだ。
渋谷に行ったついでに量販店に寄ると、カブトムシ関係のコーナーを見つけた。
ラッキー!
安いし、いっぱい売ってたからいっぱい買った。
当分買い物しなくてすむ。
働きっぱなしのトップブリーダーは、やっと一息つけそうだ。
数週間が過ぎ、親カブくん達の勢いもなくなってきた。
妖精たちは小指くらいに成長している。
蜻蛉が飛び始め、暑さがかげりを見せ始めた。
いよいよ世代交代の時期である。
元気に暴れまくっていた親カブくん達は、辞世の句を読み始めている。
「カブトムシ やるだけやったら さようなら」
さー、これからがトップブリーダーの「うで」の見せ所だ。
妖精くんたちを、まず、「さなぎマン」(またふるい)にしなければならない。
たっぷり栄養のある土を適度に湿らせ、温度を保っておく。
土は量販店で大量に買い込んである。心配無用。
後は数週間に一回くらい、うんこが表面を覆ってきたら土をかえてやるだけだ。
完璧。
同じ過ちを繰り返さない様に、トップブリーダーは「心の中」でガッツポーズをとった。(羹に懲りて膾を吹く。とは良く言ったもんだ)
光陰矢の如し。
春になった。
トップブリーダーの季節がやって来た。
さー、さようなら妖精くんたち。
こんにちは、「さなぎマン」
いや、うじゃうじゃの複数形だから「さなぎメン」。
ドキドキしながら、ケースの蓋を開けた。
そこには、黄金色に輝く「さなぎメン」がごろごろと、、、、、、
うじゃうじゃと、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、いなかった。
あれ?
なんで?
何にもいない。2ケースとも何にもいない。
「か、神隠し?」
なんてのも、ジョークにならない。
まったく、いないのである。意味がわからない。
あんなにごろごろしてたのに、あんなにうじゃうじゃしてたのに。
そして僕は途方にくれた。
小学生の頃は「かつむ」と呼ばれ、中学で「かつ」と呼ばれ出し、中学の担任の先生から「お前が高校に行ったら、『か』って呼ばれるぞ」と言われた、勝村政信です。
何だ!『か』って、、、
こんなあだ名紹介でいい?(って誰に言ってんだっつーの)
まーいーや。
残暑厳しくなってきました。って、先週くらいから言われてましたが、先週は、やっと梅雨が終わってやっと夏っぽくなってきたのに、何が残暑だよ!と思っていたんだけど、どーなの?あーゆー時って?
まーいーや。
台風が元気です。子供の頃、台風が大好きだった。なんだかワクワクして、窓とかに木を打ち付ける家があったり、ロウソク準備したり、台風を待っているへんな時間がへんな緊張感がなんともいえなかった。なんだか台風をちゃんと相手にしていた感じがあった。
台風「一家」だと思っていた。
5号とか6号とか一緒にくるから、台風って「家族」なんだと思ってた。
1号がお父さんで、、、
まいいーや。
停電も好きだった。家族が全員一つの部屋に集まり、ロウソクつけてテーブルを囲む。ちょっといつもと違う家族の関係がそこにある。
ロウソクの明かりで、お互いの顔にいろんな影ができる。ちょっと恐くて、ちょっと楽しくて、いつもよりちょっと会話が弾んだ。
去年、西表島でちょっと暮らしていた。
夕ご飯を食べていたら、突然停電した。
なんの前触れもなく。
民宿の食堂がお店も兼ねていたので、すぐに非常灯がついた。
外に出ると、店の中よりも外のほうが明るかった。
満天の星の明かりだった。鳥肌がたった。
思わず「おぉー!」って声が出ていた。
ほんとに出るんだね、声。
都会は明るいしガスが多いから、満天の星なんてない。
とにかく驚いた。
店に戻るとテーブルにロウソクが点いていた。
いい感じに暗くて、ちょっと興奮したんだけど(なんのために?)
島の人たちは全然普通だった。よく停電するらしい。
随分民宿で暮らしていたから、店の人たちとはすっかり仲良しになっていた。店で働いている女の子で、北海道から出て来て沖縄民謡の勉強をしている子がいた。信じられないくらい綺麗な声で地元の人みたいに唄がうまい。
こっそり頼んで停電の中で三線を弾いてもらい、唄ってもらった。
店は突然、ライブ会場に変わった。
ロウソクの前で唄う彼女は幻想的で、神々しく、えらく感動した。
昔、渋谷のジャンジャンと言う劇場で高橋竹山のライブを観た事があるが、同じくらい感動した。
でもさらに凄かったのが、飲みに来ていたお客さんが、「じゃ、次唄うか」って三線を彼女から借りて唄いだした。
ごっつぃ、熊みたいなおじさんだったんだけど、痺れるくらいよかった。「ここの漁師の唄」とか言って、言葉が全然わかんないんだけど、とにかく痺れた。
明るい、弾んだリズムの唄の時は、そこにいた地元のお客さんが指笛を吹き、唄って、踊った。なんて素敵な人たちなんだろと思った。
祖先からの「バトン」を受け取っている人たちだった。
去年、テキサスのカウボーイと飲んでいる時にも(どんなシュチュエーションなんだ?)、カウボーイ、カウガールたちがたくさん唄を唄ってくれた。
カウボーイの一人が、「マーサ(外国に行くと、よくマーサと呼ばれる)お前達の日本の唄を唄ってくれ」って言った。
数分考えた末に、「僕には唄える唄がない」と悲しい顔で答えた。
すると彼は、笑顔で「気にするな、なにも問題はない」と言ってくれた。
僕は、いや、僕らはいつから「バトン」を落としてしまったんだろう?
僕は、いや、僕らはいつから落とした「バトン」を見失ってしまったんだろう?
でも、落ちてるからね。確実に。
ちゃんと見つけて、
ていねいに拾って、
汚れを落として、
しっかり掴んで、
次の走者に渡さないとね。
先週は雨だらけで、ロケ中止が相次ぎすんごい中途半端な休みだらけだった。本当に中途半端で(その日の朝に中止が決まったりする)一日を無駄にしてしまう。もったいないから、ちょっと用事もあったので実家に一人で行ってみた。
なんだかよくわかんない里帰り。
実家は元佃煮やの父と、その彼女(ま、僕の母親だね)の二人暮らし。
三人で部屋にいると、ちょっとシュールな時間が流れる。
そんなに会話もないし、でもせっかく息子が帰ってきたから、元佃煮やの彼女は何かを話そうとするんだけど、話題がない。
でもなにか話したい。
そんな空気感がなんとも心地悪くて、最高におかしい。
「あれなのよ、足がね、先生から薬みんな飲んでいいって言われたからみんな飲んだんだけど、足がね、腫れちゃって。こんなに。でね、先生に言ったら検査してくれて、そしたらなんともないのよ。先生も不思議だ不思議だってね。足が。 腫れちゃって。でも、治ったでしょ。ほら。もー、太いんだか、腫れてんだかわかんないんだけど、足がね。ほら。」
訳わかんない。
「サイダーか冷たい物飲む?」
さらにわかんない。
でも、おかしくておかしくて、黙って聞いている。
すると僕の沈黙に耐え切れず、「ご飯でも食べに行く?」
と、元佃煮やの彼女。
2時を過ぎている。
流石に僕も「え?」って聞き返した。
「できたのね寿司屋。産業道路んとこに。昨日。」
「え?」と僕。
「ちょーどいいんじゃない?寿司屋」
「何が?」と笑いをこらえて僕。
「どお?お父さん?」
「うん、そーだな」と元佃煮や。
「そーだなって?」もー完全に笑いながら僕。
「じゃあ、行きましょうよ」と元佃煮やの彼女。
「こんな時間に飯食うの?」とその息子。
「もーさ、時間なんてあってないみたいなもんだ」と元佃煮や。
「じゃあ、いーよ。別に」と満面の笑みの息子。
かくして、老人2名、おじちゃん1名の計3名。
不思議な時間に、できたばかりの産業道路沿いの回転寿しに向かった。
父 「ここだ。あ、階段上がるんだ」
母 「わたしは大丈夫よ」
子 「、、、、、」
店に入る。
父 「貸し切りみたいだな」
母 「ほんとね。大丈夫かしらね?開店したばっかりなのに」
大丈夫に決まってる。入った時間が中途半端なだけなんだから。
座った。
父 「ネタが小さいな、、、」
母 「シャリがあったかいわね」
子 笑ってる。
父 「これだったら、○○(別の回転寿し)のほうがいいな」
母 「そーね~」
子 「じゃあさ、そこ行ってみる?」(楽しくて仕方ない)
父 「う~ん。、、、、そーしよーか」
子 「すみません、お会計して下さい」
店の人 「はい、475円です」
子 「笑いをこらえ払う」(こんなに安いお会計は初めてだ)
そして、午後の2時過ぎに回転寿しのはしごをする。
ミョウなテンションの老人2名、おじちゃん1名の計3名。
そして次の店に。
ここでは、元佃煮やも、その彼女も大満足だった。
最後に、元佃煮やがかっぱ巻きを食べるかどーかで彼女と話し合っていた。
あまりにも評判がよかったので、思いきって元佃煮やとその彼女の現場写真のせちゃいます。
何故二人が右を向いているかというと、カメラよりも回っている寿司に気をとられているから。
父 「いや、腹はいっぱいなんだけど、さっぱりするから、かっぱは。」
母 「じゃあ、頼めば」
父 「うん。お前さんは(僕に)どーする?」
子 「え~とね、いらない(笑いながら)」
こんなシュールな午後を過ごしたことはない。
3名ともいろんな意味で大満足。
しあわせな気分のまま、実家を後にした。
なんとなく、墓参りに行った。
草が伸び放題だったので、素手で毟った。
両手が土でどろどろになって、洗ったら草の緑が手にたくさんついていた。
草に落書きされたみたいだった。
バッタとカマキリとたくさんのアリがでてきた。
なんか悪い事したかなと思った。
でも、墓参りしてよかったと思った。
そして、元佃煮やとその彼女の事を思い、
「長生きしてくれたまえ」と祈った。
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その2。
続き。
トップブリーダーは震えた。
感動を押さえる事が出来なかった。
感激して涙がほとばしった。
その涙を拭おうともせず、トップブリーダーはガッツポーズをとった。
トップブリーダーは今一度、愛の結晶を見ようとガッツポーズをとき、愛の真珠を眺めた。
次の瞬間、トップブリーダーは地獄に落とされた。
つぶれてる。
振り払ったはずの悪魔が笑っている。
そー、興奮のあまり我を忘れたトップブリーダーは、ガッツポーズで拳を握り締めた時に、愛の結晶の真珠も一緒に握り潰してしまっていたのだ。
喜びの涙はそのまま悲しみの涙にかわった。
そして頭に浮かんだのは、中学の時に習った、「上人(しょうにん)の感涙、無駄になりけり」という一文だった。(違うなぁ、意味が、、、)
ごめんなさい、真珠くん。
トップブリーダーは喪に服そうと思ったその刹那!
涙に濡れた瞳を見開いた。
流石タイソンくん達。
食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくったかいがあり、愛の真珠は一つではなかった。
ごろごろ出て来た。
掘るとこ掘るとこ愛の真珠がざくざく出て来た。ポチもいないのに。
映画「ジャイアンツ」のジェームス・ディーン扮するジェット・リンクが石油を掘り当てた場面と酷似していた。(してない)
小さなアメリカンドリーム。
この夢が!愛の真珠が!
代々木公園をカブトムシでうじゃうじゃに出来るのだ!
子供達もうじゃうじゃするのだ、しかも笑顔で(ちょっと気持ち悪い)
今度は潰さない様に、トップブリーダーは愛の真珠を別のケースに移した。
たっぷりぷりと、おいっしいくて、栄養いっぱいぱいの土を入れて。
数日後、愛の真珠から白くうごめく妖精が出て来た。
(幼虫はちょっと恐いから、妖精と呼ぶ事にする)
愛の真珠がごろごろしていただけあって、妖精もごろごろいる。
しかも妖精は高速で成長している。ぐいんぐいんと、、、
恐い。
正直恐かった。
気持ち悪かった。
悪魔を呼びに行こうかと思った。
「気持ち悪いから捨てれば?」って囁いて欲しかった、、、
いかんいかん。
トップブリーダーには壮大な計画が待っている。
しかも順調に計画は進んでいる。
今更途中で止める訳にはいかない。
しかし、一応僕にも生業としているものがある。
タイソンくん達にかかりっきりの用務員のおじちゃんではないのだ。
忙しいのだ。僕だって。
妖精がうじゃうじゃいるから、土を一杯食う。
親のタイソンくん達も元気一杯に、相変わらず食いまくり、うんこしまくり、交尾しまくっている。
黒糖ゼリーはすぐになくなる。
土はすぐにうんこだらけになる。(妖精くん達は土を食べて成長する)
手間かかるし、金かかるし、買い物しなくちゃいけないし、、、
本当に大変なのだ。
渋谷に行ったついでに量販店に寄ると、カブトムシ関係のコーナーを見つけた。
ラッキー!
安いし、いっぱい売ってたからいっぱい買った。
当分買い物しなくてすむ。
働きっぱなしのトップブリーダーは、やっと一息つけそうだ。
数週間が過ぎ、親カブくん達の勢いもなくなってきた。
妖精たちは小指くらいに成長している。
蜻蛉が飛び始め、暑さがかげりを見せ始めた。
いよいよ世代交代の時期である。
元気に暴れまくっていた親カブくん達は、辞世の句を読み始めている。
「カブトムシ やるだけやったら さようなら」
さー、これからがトップブリーダーの「うで」の見せ所だ。
妖精くんたちを、まず、「さなぎマン」(またふるい)にしなければならない。
たっぷり栄養のある土を適度に湿らせ、温度を保っておく。
土は量販店で大量に買い込んである。心配無用。
後は数週間に一回くらい、うんこが表面を覆ってきたら土をかえてやるだけだ。
完璧。
同じ過ちを繰り返さない様に、トップブリーダーは「心の中」でガッツポーズをとった。(羹に懲りて膾を吹く。とは良く言ったもんだ)
光陰矢の如し。
春になった。
トップブリーダーの季節がやって来た。
さー、さようなら妖精くんたち。
こんにちは、「さなぎマン」
いや、うじゃうじゃの複数形だから「さなぎメン」。
ドキドキしながら、ケースの蓋を開けた。
そこには、黄金色に輝く「さなぎメン」がごろごろと、、、、、、
うじゃうじゃと、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、いなかった。
あれ?
なんで?
何にもいない。2ケースとも何にもいない。
「か、神隠し?」
なんてのも、ジョークにならない。
まったく、いないのである。意味がわからない。
あんなにごろごろしてたのに、あんなにうじゃうじゃしてたのに。
そして僕は途方にくれた。
続く。
大人の夏休み その1 / 2006年08月09日
テニスを愛する皆様ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
先週はバタバタしてしまってすみませんでした。
ドラマ2本を抱え、バラエティーにも出演し、別の仕事で沖縄に行き、もちろんサッカーの試合にも行って来ました。
このブログも水曜日に更新すると宣言したからには、宣言通りに実行するのが大人です。がんばりました。家に帰ってきて、睡眠時間を削り、書き上げ、ちゃんと送りました。しかも、沖縄に旅立つ前に原稿を書き上げねばなりません。通常
よりも早く書き、担当の藤原くんに送りました。
それが大人です。決められたルールです。近代社会の基本です。
そう、ルールを守る。それこそが近代社会です。
ルールを守れない奴は「北斗の拳」の世界の住人です。
阿部寛に「秘孔」を突かれます。
そしてもっとも大事なのは、「信用」です。
お金だって、普段は何気なく使っていますが、あの紙こそ「信用」です。
あんな「ただの紙」を価値あるものと認識させ、流通させている原動力。
それこそが「信用」です。
貨幣に価値はありません!「信用」に価値があるのです。
信用を獲得するのは非常に大変です。しかし信用を失うのは一瞬です。
先週のブログが木曜日に更新されていました、、、、、
はっはっはっはっはっはっは。
言い訳させて下さい。
わたしは(何で急にわたし?)月曜日には原稿を送っていました。担当の藤原の野郎から、いえ、藤原くんからメールが届きました。
「私用で大阪に行くので、今週のブログは木曜日に更新します」
皆様、藤原のクソ餓鬼を、いえ、藤原くんを責めないで下さい。
部下の責任は(いつから上司になった?)わたしの責任です。
わたしが責任をとります。
とは言うものの、考えてみたらどんな風に責任とっていいかわかんないし、ブログって街の掲示板にわたしの、非常にわたくし的な文章を勝手に書いているんだ
からぁ、 いい?
ちょっと反省するくらいで。(誰に甘えてんだっつーの)
そんな訳で、すみませんでした。今週からもしっかりしますのでよろしくお願いします。
ってな訳で先週に書いたんだけど、行って来ました。沖縄。
ベリーハードスケジュールで。
まず、羽田空港で、やっぱり仕事で沖縄に向かう勝地涼くんに会いました。二人で笑いながら沖縄空港に着きました。
こんな偶然中々ないし、折角だから那覇空港で写真撮ろうってことになり、お互いの携帯で写しました。そしたらなんと、その2ショットのバックに大先輩の梅宮辰夫さんが写っているではありませんか!(すみません。僕らは気づいてい
て、狙って撮りました)貴重な写真をゲットし、二宮に(嵐のね)送りました。
(この二人とは、一昨年一緒に舞台をやったのだ)
写真を是非見て欲しいんだけど、前に書いた様に著作権の問題があるので出せませんが、かなりいい写真。
すみません。梅宮さん。
で、空港で勝地と別れ、車でホテルに。
着替えてすぐに車で現場に移動。
2時間30分北に走り、バスの中で食事。
この時、昼の12時。
打ち合わせの後、撮影開始。
刺す様な日差しの中、延々と撮影は続く。
場所を移動して、ロケ。夕日の撮影のため移動してロケ。
また移動して、夜「満天の星」の撮影。
この時、夜10時。
一日目のロケが終わり、ホテルに移動。
移動時間2時間強。
ホテルの側で夕飯。
この時当然、12時を回っている。
業界用語で「てっぺん」を回っている。
昼の12時に昼飯食べて、夜の12時に夕飯。
その間食べ物は一切口にしていない、、、、
ユニオンに訴えようかと思ったが、ユニオンがどこにあるかも知らないので、断念する。(でも、沖縄料理がメチャ美味しかった)
結局、4時くらいまで飲んだり食べたりした。
次の日は7時出発。(死ぬよ)
前日よりも強い日差しの中、ずーっとロケを続け、僕だけ一足早く帰京。
つぎの仕事のためだ。
しかも、那覇空港のチェックインの3分前に到着した。
プロデューサーが素敵な笑顔で「間に合いましたね」と言って送り出してくれた。空港でお土産物を見て回る時間もなく、そのまま飛行機に乗り込んだ。満員の機内は親子連れだらけ。トイレの横に座った僕は、入れ替わり立ち代わりやってくる人々に、しかもひっきりなしに、、、(2時間くらい我慢しろよ!)一睡も出来ず、羽田に戻った。
待っていたハイヤーに乗り込み、もー一仕事して、やっと家に帰った。
で、次の日には、5時30分に起きて、6時前に撮影に出掛けた。
やれやれ。でしょ。
ま、いつもこんなんじゃないけど、詰まっている時はこんな生活をしている。
で、やっとスローライフね。
なんだか、来週に続くって書きたくなってきた。
ちょっと、休憩してきます。
ただいまっと。(冷たい物飲んで来た。復活)
スローライフね。
スローライフって正直なんだかわからない。
今回の沖縄の旅は「スローライフ」がテーマだった。
いい機会だから個人的にもいろいろ聞いてみたい事も聞いてこよーと思ってでかけた。内容はまだこれからオンエアーされるから書けないけど、会った人みんな誰もスローライフなんて知らなかった。
都会でつくりだされた言葉なんだと実感した。
スローライフって、沖縄なんかでゆったりと、しあわせに、「心」ゆたかに暮らしている。
って漠然としたイメージだと思うんだけど、実際にスローライフを送っていると都会で思われている人は、そんな甘っちょろくなかった。
自分がやりたい事が、その場所(例えば沖縄)にあった。
そこは、たまたまリゾート地だったけど、住んでみると実は過酷な場所だった。
でも、人間は慣れていく。
いろいろな事に。
辛かった暑さも、一番辛い時間帯は表に出なければやりすごせる。
ついでに、休んでいるんだから、寝ちゃえと。(ま、シエスタだね)
で、沖縄の人たちは都会みたいにがちゃがちゃ急がない。
初めは戸惑うけど、その生活にも慣れてくる。
で、都会の人間からは、島のリズムでゆったり生きていて、自分のやりたい素敵なことを、時間にとらわれず自由にやって生きている。
そんな素晴らしい人生を謳歌している特殊な人たちの生き様の総称を「スローライフ」と呼ぶ。
みたいな捉え方を、僕らはしていたんじゃないかと思うんだよね。
ま、もちろん天の邪鬼の僕は思ってなかったけど。
今回出会った人たちは、確かに自分の好きな事をやってた。
闘いながら。
ゆったりと余裕かまして生きている人は一人もいなかった。
一人だけ例を出すと、沖縄の昆虫を写真で撮り続けているカメラマン。
(元々は東京の人だ)
沖縄だけにしか生息しない16種類の昆虫を8年かけて撮影に成功した。
とんでもない快挙だし、とんでもないエネルギーだし、真似することは難しい。っていうか、出来ない。
しかも、昆虫に興味の無い人にはなんの意味もない。
そんな生き様に、その意味のなさに僕は感動した。
なんて演劇的な生き方なんだ。
泣きそうになった。
しかし、その生き方を選択した人たちは、全然ゆっくり生きていなかった。
そーゆー質なのだ。
そーゆー事が出来る人なのだ。
そーゆー事しか出来ない人なのだ。
優先順位がはっきりしているのだ。
見つけたものにまっしぐらに向かって行く力がすんごい。
そして、遊び心があって、ちょっと頑固でユーモアがあって、、、
確かに羨ましかった。そんな人生を送れる人たちは少ない。
みんな目が輝いていた。
昔、僕のいた劇団、第三舞台の先輩の長野里美さんが、「才能ってのは、夢を持ち続ける力だ」と言っていた。
けだし名言である。
こんな素敵な経験はなかなか出来るものではない。
こんな素敵は人たちに出会う度、「人生って悪くない」と思う。
そして、第三舞台の主宰の鴻上尚史さんが言っていた言葉を思い出した。
「俺たちの演劇は、前向きの絶望である」
今はこの言葉が、地球人の人生において普遍性を持つ。
と思う。
さー、だから、いえ、それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『大人の夏休み』 その1。
何年か前、番組で「大人の夏休み」をやりましょうって企画があった。
子供の頃に経験した「夏休み」を大人になった僕らが再現しようと。
兵藤ゆき姉。森尾由美ちゃん。勝村くん。の3人が僕ら。
川で泳いだり、魚を捕ったり、カブトムシを捕まえたり、、、、
まあ、子供の頃の僕はどれも経験した事の無い物ばかりだったが、、、、
すごく楽しかった。妙に楽しかった。いやになっちゃうくらい楽しかった。新潟の魚沼郡の、とある村?町?だった。
カブトムシがいる場所に案内してくれたのが、70過ぎの正三じいちゃんだった。木を見て、正確にカブトムシの居場所を教えてくれた。普段はゆっくり歩いているのに、カブトムシが飛んで逃げると、チーターの如く森を走り廻り興奮しながら捕まえていた。
見ていた僕らも興奮した。笑いながら。
そんで、すごいな~と思った。
何がすごいって、正三じいちゃんのスピード。
が、すごいのはもちろんだけど、カブトムシの魅力がすごい。
なにせ、普段ゆっくり歩いている70過ぎのじいちゃんを、森を全力で疾走するカール・ルイス(ちょっとふるい?)に変えてしまう程の魅力。
カブト力(りょく)?
とでも言えばいいのかしらん?
カブトムシは老若男子にとって、憧れの、永遠のスターなのだ。
容姿端麗。ブラックメタリックのボディ。
力が強く、弱気を蹴散らし、強気を蹴散らし、何でも蹴散らす。
いや、角散らす。
全盛期のマイク・タイソン(やっぱりふるい?)みたいだ。
たくさん捕まえて、山分けした。
文字通り山分け。
今年のカブトムシ捕りの成果。
はじめに書いたが、僕は子供の頃カブトムシ捕りをした事が無かった。
ばーちゃん家で、飛んで来たカブトムシを捕まえたりした事はあったが、山に入り、木から捕まえた事など全くなかった。
そこで、おじちゃん(僕)は考えた。
近所の代々木公園にカブトムシを放ち、繁殖させ、渋谷の子供達にもカブトムシ捕りの魅力を味わせてあげたい。と。
あれ? 味わわせてあげたいだっけか?
正三がチーターにミューテーションした様に、渋谷の子供達にも「カブト力(りょく)」を味わせてあげたい。(正しい方で読んでください)
大人をも、動きの遅いじいさんをも(失礼)魅了してしまう「あの」興奮。
を味わわせてあげたい。(以下同文)と切に思ったのだ。
計画は秘密裏に行わなければならない。(何故だ?)
題して、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」
その為には、僕がカブトムシのトップブリーダーにならなければならない。
とにかく、もっともっと数を増やさなければならない、、、、、、
道は険しそうだ。カブトムシは年を越さない。
一夏限りの季節限定の取り扱い注意だ。慎重に、そして大胆に計画を推進しなければならない。(なんか、なければならないが妙に多い)
うじゃうじゃとは繁殖だ。
それにはまず飯だ。
餌だ。
健全な精神は健全な肉体関係に宿る(なんだそれ)。
とにかく、身体作りだ。
栄養バランスのいい、しかも美味しい物を選ぶ。
いくつか試したが黒糖ゼリーが一番人気だった。
本当に美味しそうで、見ていると僕が食べたくなってしまう。
誘惑を断ち切り、カブくん達に振る舞う。
食べる食べる。カブくん、いや、タイソンくん。
タイソンくん達の食欲は底なしである。
我が家のエンゲル係数は一気に跳ね上がる。
やれやれ。である。
これが、三日分のカブくんの食事(ゼリー)
餌のおかげか、夜中に箱の中を元気にブンブン飛び回る。
最初は何の音かわからず、恐怖に顔を引きつらせ、左手に懐中電灯を握りしめ、右手に少年用金属バットを握りしめ、音の出どこを探した始末。
やれやれ。である。
毎日、丑三つ時に起こされる。草木でさえ眠っているのに、、、
連夜のやれやれ。である。
毎日睡眠不足。ただでさえ寝苦しい夏の夜。
2週間も続くとノイローゼ気味になってくる。
「もー、捨てちゃおーかなー」
なんて考えが、しょっちゅう頭をよぎる。
「そんなの捨てて楽になっちゃえよ」
とうとう僕の頭の中に悪魔が登場した。
疲れと睡眠不足とエンゲル係数の高さから、簡単に頷こうとした。
「渋谷の子供達の笑顔が見たくないのかな?」
今度は天使が囁いた。
ハッとわれに返り、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」の秘密計画を思い出した。(忘れてたのかい)
しまった!
トップブリーダーとした事が、、、
悪魔を払いのけ、天使の前に跪いた。
子供達の笑顔の為に、しっかりしなければ、、、
布教のために、世界の極東の島まで行脚したフランシスコ・ザビエル。
わ~た~し~こそ、渋谷の~フランシスコ・ザビエルでぇ~す。
(意味がわからない)
ザビエる決心をした僕の苦悩などおかまい無しに(どんな決心だ)タイソンくん達は食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくっていた。
どーしよーもなくやれやれ。である。
何日か後、うんこで汚れた土をかえようとしたら、白く輝く真珠を見つけた。
そっと手に取ると、それは、タイソンくん達の愛の結晶であった。
先週はバタバタしてしまってすみませんでした。
ドラマ2本を抱え、バラエティーにも出演し、別の仕事で沖縄に行き、もちろんサッカーの試合にも行って来ました。
このブログも水曜日に更新すると宣言したからには、宣言通りに実行するのが大人です。がんばりました。家に帰ってきて、睡眠時間を削り、書き上げ、ちゃんと送りました。しかも、沖縄に旅立つ前に原稿を書き上げねばなりません。通常
よりも早く書き、担当の藤原くんに送りました。
それが大人です。決められたルールです。近代社会の基本です。
そう、ルールを守る。それこそが近代社会です。
ルールを守れない奴は「北斗の拳」の世界の住人です。
阿部寛に「秘孔」を突かれます。
そしてもっとも大事なのは、「信用」です。
お金だって、普段は何気なく使っていますが、あの紙こそ「信用」です。
あんな「ただの紙」を価値あるものと認識させ、流通させている原動力。
それこそが「信用」です。
貨幣に価値はありません!「信用」に価値があるのです。
信用を獲得するのは非常に大変です。しかし信用を失うのは一瞬です。
先週のブログが木曜日に更新されていました、、、、、
はっはっはっはっはっはっは。
言い訳させて下さい。
わたしは(何で急にわたし?)月曜日には原稿を送っていました。担当の藤原の野郎から、いえ、藤原くんからメールが届きました。
「私用で大阪に行くので、今週のブログは木曜日に更新します」
皆様、藤原のクソ餓鬼を、いえ、藤原くんを責めないで下さい。
部下の責任は(いつから上司になった?)わたしの責任です。
わたしが責任をとります。
とは言うものの、考えてみたらどんな風に責任とっていいかわかんないし、ブログって街の掲示板にわたしの、非常にわたくし的な文章を勝手に書いているんだ
からぁ、 いい?
ちょっと反省するくらいで。(誰に甘えてんだっつーの)
そんな訳で、すみませんでした。今週からもしっかりしますのでよろしくお願いします。
ってな訳で先週に書いたんだけど、行って来ました。沖縄。
ベリーハードスケジュールで。
まず、羽田空港で、やっぱり仕事で沖縄に向かう勝地涼くんに会いました。二人で笑いながら沖縄空港に着きました。
こんな偶然中々ないし、折角だから那覇空港で写真撮ろうってことになり、お互いの携帯で写しました。そしたらなんと、その2ショットのバックに大先輩の梅宮辰夫さんが写っているではありませんか!(すみません。僕らは気づいてい
て、狙って撮りました)貴重な写真をゲットし、二宮に(嵐のね)送りました。
(この二人とは、一昨年一緒に舞台をやったのだ)
写真を是非見て欲しいんだけど、前に書いた様に著作権の問題があるので出せませんが、かなりいい写真。
すみません。梅宮さん。
で、空港で勝地と別れ、車でホテルに。
着替えてすぐに車で現場に移動。
2時間30分北に走り、バスの中で食事。
この時、昼の12時。
打ち合わせの後、撮影開始。
刺す様な日差しの中、延々と撮影は続く。
場所を移動して、ロケ。夕日の撮影のため移動してロケ。
また移動して、夜「満天の星」の撮影。
この時、夜10時。
一日目のロケが終わり、ホテルに移動。
移動時間2時間強。
ホテルの側で夕飯。
この時当然、12時を回っている。
業界用語で「てっぺん」を回っている。
昼の12時に昼飯食べて、夜の12時に夕飯。
その間食べ物は一切口にしていない、、、、
ユニオンに訴えようかと思ったが、ユニオンがどこにあるかも知らないので、断念する。(でも、沖縄料理がメチャ美味しかった)
結局、4時くらいまで飲んだり食べたりした。
次の日は7時出発。(死ぬよ)
前日よりも強い日差しの中、ずーっとロケを続け、僕だけ一足早く帰京。
つぎの仕事のためだ。
しかも、那覇空港のチェックインの3分前に到着した。
プロデューサーが素敵な笑顔で「間に合いましたね」と言って送り出してくれた。空港でお土産物を見て回る時間もなく、そのまま飛行機に乗り込んだ。満員の機内は親子連れだらけ。トイレの横に座った僕は、入れ替わり立ち代わりやってくる人々に、しかもひっきりなしに、、、(2時間くらい我慢しろよ!)一睡も出来ず、羽田に戻った。
待っていたハイヤーに乗り込み、もー一仕事して、やっと家に帰った。
で、次の日には、5時30分に起きて、6時前に撮影に出掛けた。
やれやれ。でしょ。
ま、いつもこんなんじゃないけど、詰まっている時はこんな生活をしている。
で、やっとスローライフね。
なんだか、来週に続くって書きたくなってきた。
ちょっと、休憩してきます。
ただいまっと。(冷たい物飲んで来た。復活)
スローライフね。
スローライフって正直なんだかわからない。
今回の沖縄の旅は「スローライフ」がテーマだった。
いい機会だから個人的にもいろいろ聞いてみたい事も聞いてこよーと思ってでかけた。内容はまだこれからオンエアーされるから書けないけど、会った人みんな誰もスローライフなんて知らなかった。
都会でつくりだされた言葉なんだと実感した。
スローライフって、沖縄なんかでゆったりと、しあわせに、「心」ゆたかに暮らしている。
って漠然としたイメージだと思うんだけど、実際にスローライフを送っていると都会で思われている人は、そんな甘っちょろくなかった。
自分がやりたい事が、その場所(例えば沖縄)にあった。
そこは、たまたまリゾート地だったけど、住んでみると実は過酷な場所だった。
でも、人間は慣れていく。
いろいろな事に。
辛かった暑さも、一番辛い時間帯は表に出なければやりすごせる。
ついでに、休んでいるんだから、寝ちゃえと。(ま、シエスタだね)
で、沖縄の人たちは都会みたいにがちゃがちゃ急がない。
初めは戸惑うけど、その生活にも慣れてくる。
で、都会の人間からは、島のリズムでゆったり生きていて、自分のやりたい素敵なことを、時間にとらわれず自由にやって生きている。
そんな素晴らしい人生を謳歌している特殊な人たちの生き様の総称を「スローライフ」と呼ぶ。
みたいな捉え方を、僕らはしていたんじゃないかと思うんだよね。
ま、もちろん天の邪鬼の僕は思ってなかったけど。
今回出会った人たちは、確かに自分の好きな事をやってた。
闘いながら。
ゆったりと余裕かまして生きている人は一人もいなかった。
一人だけ例を出すと、沖縄の昆虫を写真で撮り続けているカメラマン。
(元々は東京の人だ)
沖縄だけにしか生息しない16種類の昆虫を8年かけて撮影に成功した。
とんでもない快挙だし、とんでもないエネルギーだし、真似することは難しい。っていうか、出来ない。
しかも、昆虫に興味の無い人にはなんの意味もない。
そんな生き様に、その意味のなさに僕は感動した。
なんて演劇的な生き方なんだ。
泣きそうになった。
しかし、その生き方を選択した人たちは、全然ゆっくり生きていなかった。
そーゆー質なのだ。
そーゆー事が出来る人なのだ。
そーゆー事しか出来ない人なのだ。
優先順位がはっきりしているのだ。
見つけたものにまっしぐらに向かって行く力がすんごい。
そして、遊び心があって、ちょっと頑固でユーモアがあって、、、
確かに羨ましかった。そんな人生を送れる人たちは少ない。
みんな目が輝いていた。
昔、僕のいた劇団、第三舞台の先輩の長野里美さんが、「才能ってのは、夢を持ち続ける力だ」と言っていた。
けだし名言である。
こんな素敵な経験はなかなか出来るものではない。
こんな素敵は人たちに出会う度、「人生って悪くない」と思う。
そして、第三舞台の主宰の鴻上尚史さんが言っていた言葉を思い出した。
「俺たちの演劇は、前向きの絶望である」
今はこの言葉が、地球人の人生において普遍性を持つ。
と思う。
さー、だから、いえ、それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『大人の夏休み』 その1。
何年か前、番組で「大人の夏休み」をやりましょうって企画があった。
子供の頃に経験した「夏休み」を大人になった僕らが再現しようと。
兵藤ゆき姉。森尾由美ちゃん。勝村くん。の3人が僕ら。
川で泳いだり、魚を捕ったり、カブトムシを捕まえたり、、、、
まあ、子供の頃の僕はどれも経験した事の無い物ばかりだったが、、、、
すごく楽しかった。妙に楽しかった。いやになっちゃうくらい楽しかった。新潟の魚沼郡の、とある村?町?だった。
カブトムシがいる場所に案内してくれたのが、70過ぎの正三じいちゃんだった。木を見て、正確にカブトムシの居場所を教えてくれた。普段はゆっくり歩いているのに、カブトムシが飛んで逃げると、チーターの如く森を走り廻り興奮しながら捕まえていた。
見ていた僕らも興奮した。笑いながら。
そんで、すごいな~と思った。
何がすごいって、正三じいちゃんのスピード。
が、すごいのはもちろんだけど、カブトムシの魅力がすごい。
なにせ、普段ゆっくり歩いている70過ぎのじいちゃんを、森を全力で疾走するカール・ルイス(ちょっとふるい?)に変えてしまう程の魅力。
カブト力(りょく)?
とでも言えばいいのかしらん?
カブトムシは老若男子にとって、憧れの、永遠のスターなのだ。
容姿端麗。ブラックメタリックのボディ。
力が強く、弱気を蹴散らし、強気を蹴散らし、何でも蹴散らす。
いや、角散らす。
全盛期のマイク・タイソン(やっぱりふるい?)みたいだ。
たくさん捕まえて、山分けした。
文字通り山分け。
今年のカブトムシ捕りの成果。
はじめに書いたが、僕は子供の頃カブトムシ捕りをした事が無かった。
ばーちゃん家で、飛んで来たカブトムシを捕まえたりした事はあったが、山に入り、木から捕まえた事など全くなかった。
そこで、おじちゃん(僕)は考えた。
近所の代々木公園にカブトムシを放ち、繁殖させ、渋谷の子供達にもカブトムシ捕りの魅力を味わせてあげたい。と。
あれ? 味わわせてあげたいだっけか?
正三がチーターにミューテーションした様に、渋谷の子供達にも「カブト力(りょく)」を味わせてあげたい。(正しい方で読んでください)
大人をも、動きの遅いじいさんをも(失礼)魅了してしまう「あの」興奮。
を味わわせてあげたい。(以下同文)と切に思ったのだ。
計画は秘密裏に行わなければならない。(何故だ?)
題して、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」
その為には、僕がカブトムシのトップブリーダーにならなければならない。
とにかく、もっともっと数を増やさなければならない、、、、、、
道は険しそうだ。カブトムシは年を越さない。
一夏限りの季節限定の取り扱い注意だ。慎重に、そして大胆に計画を推進しなければならない。(なんか、なければならないが妙に多い)
うじゃうじゃとは繁殖だ。
それにはまず飯だ。
餌だ。
健全な精神は健全な肉体関係に宿る(なんだそれ)。
とにかく、身体作りだ。
栄養バランスのいい、しかも美味しい物を選ぶ。
いくつか試したが黒糖ゼリーが一番人気だった。
本当に美味しそうで、見ていると僕が食べたくなってしまう。
誘惑を断ち切り、カブくん達に振る舞う。
食べる食べる。カブくん、いや、タイソンくん。
タイソンくん達の食欲は底なしである。
我が家のエンゲル係数は一気に跳ね上がる。
やれやれ。である。
これが、三日分のカブくんの食事(ゼリー)
餌のおかげか、夜中に箱の中を元気にブンブン飛び回る。
最初は何の音かわからず、恐怖に顔を引きつらせ、左手に懐中電灯を握りしめ、右手に少年用金属バットを握りしめ、音の出どこを探した始末。
やれやれ。である。
毎日、丑三つ時に起こされる。草木でさえ眠っているのに、、、
連夜のやれやれ。である。
毎日睡眠不足。ただでさえ寝苦しい夏の夜。
2週間も続くとノイローゼ気味になってくる。
「もー、捨てちゃおーかなー」
なんて考えが、しょっちゅう頭をよぎる。
「そんなの捨てて楽になっちゃえよ」
とうとう僕の頭の中に悪魔が登場した。
疲れと睡眠不足とエンゲル係数の高さから、簡単に頷こうとした。
「渋谷の子供達の笑顔が見たくないのかな?」
今度は天使が囁いた。
ハッとわれに返り、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」の秘密計画を思い出した。(忘れてたのかい)
しまった!
トップブリーダーとした事が、、、
悪魔を払いのけ、天使の前に跪いた。
子供達の笑顔の為に、しっかりしなければ、、、
布教のために、世界の極東の島まで行脚したフランシスコ・ザビエル。
わ~た~し~こそ、渋谷の~フランシスコ・ザビエルでぇ~す。
(意味がわからない)
ザビエる決心をした僕の苦悩などおかまい無しに(どんな決心だ)タイソンくん達は食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくっていた。
どーしよーもなくやれやれ。である。
何日か後、うんこで汚れた土をかえようとしたら、白く輝く真珠を見つけた。
そっと手に取ると、それは、タイソンくん達の愛の結晶であった。
続く。
幻の魚 いとう(後編) / 2006年08月03日
テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
早いもので、八月です。長かった梅雨も終わり、太陽が普通に顔を出しています。太陽ってこんなんだったのか?ってな感じですね。
夏がぴたぴたとやって来ました。
天の邪鬼のあちきとしては、「真夏日」とかいう言葉がどーもしっくりこなくて好きではないんですが、たくさん使われるんだろーなー。
なんだ「真夏日」って。30度を超えると真夏日。なんだそれ?
絶対納得出来ない。梅雨ってのも色っぽい響きが素敵なんだけど、梅雨入りとか梅雨あけがいや。梅雨だけでいーじゃん。何時梅雨になろーが、何時梅雨があけようがいいじゃん。どーして枠をつくりたがるんだろー?
どーしてみんなで一緒にならないといけないのかな?
僕は中学生の時からサッカーをやり続けている。
高校の時の夏の合宿なんか今思い出すのも嫌なくらい辛かった。
おじちゃんになった今でも、真夏に毎週試合も練習もやっている。
30日にもシニアの大会で試合をした。前の日の土曜日は雨で中止になったけど、アップはやった。先週も試合した。だから30度超えてても未だに大丈夫だし、冷房なんか自分じゃつけない。「のぼるくん」のために除湿しているくらいである。(ふざけんな!犬。自分で体温調節しろ)
出来ないんだね。これが。横で鼾かいて寝てますが、、、
寝てる、のぼるくん
だから僕は30度超えてようがなんとも思わない。
なのに、「真夏日」なんてカテゴリー分けされると、普段の会話の中に、「真夏日が何日も続いてたいへんですね~」なんて言われたら、「本当ですね~」なんて答えてしまう。
ざっけんな!俺!ひよるな!俺!
だから会話が嘘くさくて、人と話がしずらくなってしまう。
真夏日は何もしていないのに、悪者扱いだ。
共同体の必殺技。
「スケープゴード」
何かを、誰かを生け贄にして結束を固める。くそっくらえだ。
他にもたくさん納得出来ない言葉があるんだけど、長くなるから書かない。でも、せめてぼやきたい。ぼやき倒したい。人生こうろ師匠が懐かしい。
キング・オブ・ぼやき。人生こうろ師匠。いて欲しいな~。
人生師匠じゃないけど、(人生師匠って言い方もへんだね)いつまでもいて欲しい人ってたくさんいますね。
浅越さんもその一人でした。日本人のテニスプレーヤーで世界レベルで戦える人ってそんなに多くないでしょ。本当に凄いことなんだけど、ちゃんと国のレベルで評価して欲しい。
しかも、個人競技。
どれほどの精神力の強さを持っているのか想像すらできない。
浅越さんを目指してテニスを始めたり、諦めたりした若者がたくさんいると思う。
そんな若者が、成長し、ウインブルドンで勝利した時に、「今自分がここにいるのは、浅越さんのおかげです」なんて言って欲しい。
テニスを諦め、企業を起こした人も「自分が今あるのは、テニスの浅越さんがいたおかげなんです」なんて社員の前で言って欲しい。
僕個人は、なんかの試合の後に「ありがとう」なんて言ってるのが、本当に嫌なんだけど、自分に影響を与えてくれた、「人」や「試合」には未だに感謝している。そして違うかたちでお礼や感謝の意を表しているつもりだ。
浅越さん、お疲れ様でした。
世界中に浅越さんに影響を受けて成長している人がたくさんいます。
あなたは僕ら地球人の誇りであります。
もちろん誇れる人は他にもたくさんいます。
でも間違いなく、あなたはその中の一人です。
あなたの勇姿は、僕らの胸に深く刻み込まれています。
生涯忘れることができないでしょう。
実は、この文章がみなさんの目に触れている時に、僕は沖縄にいます。もちろん仕事で。
沖縄との付き合いは非常に古い。
僕が小学生の時に海洋博をやっていて、町内会を代表して連れて行ってもらったのが最初だから、31年の付き合いってことになる。
それからも数えきれないくらい行かせてもらっている。
去年も縁があって沖縄の離島に、撮影でかなり住んでいた。
やはり離島は、観光で行くのと生活をするのでは全く島の顔が違う。
と思ってたけど、全然かわらなかった。日差しを避けるか受けるかの違いくらいで、ほとんど同じ。笑っちゃうくらい。
住んでる人は素敵だし、何か焦った感じがないんだね。これが。
宮古島に行った時は、車が全部30kmくらいしか出していない。
自転車みたいだった。
僕は西表にずっと泊まっていたんだけど、この話もちゃんとまとめて書きたいと思っている。
今回はスローライフをしている人に会いに行くんだけど、それは来週にでも報告します。
そーいえば、28日にカブトムシを捕りに行って来ました。今週は「いとう」の完結編だから、来週の後半にでもカブトムシの話を書きます。さらに長い長い話になるとは思いますが、我慢して下さい。
一昨年に個人で初めて行って、去年は僕が舞台をやってたから行けなかったんだけど、久々に行って来ました。メンバーは、杉本哲太ちゃん。河相我聞ちゃん。
北村一輝ちゃん。松重豊ちゃん。(今回欠席)兵藤ゆきさん家。(今回欠席)
後、専門家のみなさま。それに子供たち。
大体20人くらいの大所帯。興奮したな~。今回も。
これも続編かなんかで文章にしちゃおうかな。みんなまとまった休みがとれないから、仕事の隙間にちょちょいと夏休みしちゃうんだけど、これがまたとても楽しい。
そんな訳で、あと一ヶ月の夏をそれなりに楽しみましょう。
それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『幻の魚 いとう』 完結編。
最後の日、この日もベロベロでボートに乗った。
川をボートで下っている時に、「いとう」を釣りに来ている地元の一行に出会った。
中の一人が夕べ「いとう」を釣り上げたと言っている。
見せてもらうと、なんと!1、6メートルの化け物「いとう」だった。
酔いが醒めた。
これだ!僕らが求めていたものは。
いたんだ!幻!いたんだ!化け物「いとう」!
テンションが一気に上がった。
釣り具を見せてもらった。
自分達で作った質素な釣り具だった。
ルアー(疑似餌)も手作りの発砲スチロールを削ったもので、「ねずみ」の形をしていた。流石に地元の人だと思った。
地元では、このルアー(疑似餌)が主流みたいだった。
僕らの釣り具を見せると目を丸くして驚いていた。
僕らの釣り具は、もちろん日本のメーカーで、竿も数種類。
ルアー(疑似餌)も色とりどりに輝き、種類豊富で美しかった。
「凄い!」地元の人達はとても驚いて「こんな凄いのは初めて見た。」と口々に言っていた。
釣り具では完全に圧倒していた。
初めて見る美しく輝く釣り具達。
嫉妬と羨望と驚愕の目で釣り具を眺める地元の人達。
しかし、化け物「いとう」は地元の人達の前にある。
一通り感動してから地元の人は言った。
『本当に凄い。素晴らしい。見た事もない美しい釣り具だ。だけど「いとう」もこんなきれいなルアー(疑似餌)を見た事がないから、怖がって逃げてしまうよ』
僕らは死後硬直した様に誰も動かなかった。
漆黒の闇夜の意味がやっとわかった。
「いとう」は漆黒の闇夜を泳ぐねずみ等を襲って食べる。
ねずみはキラキラ光ってはいない。
道具ではなく、努力と技術で釣るのだ。
僕らは硬くなったままボートに乗り込んだ。
しかしこれで最後なのだ。落ち込んではいられない。
するとコーディネーターが、「僕もそー思っていたんだけど、言わなかった。あなた達にはあなた達のやり方があると思ったからね(ウインク)。このルアー(疑似餌)のほうがいいよ。」と手作りのルアー(疑似餌。ねずみくん)を貸してくれた。
僕らの身体は超合金になった。もーこれ以上硬くはならない。
借りたルアー(疑似餌。ねずみくん)で始めた。
しばらくするとコーディネーターは「それから、○○(寡黙なおじさんの名前)にはあまり飲まさない方がいい。彼は酒癖が悪くて、昔、人を殴り殺している。ようやく出所して、今は誰もいないこのキャンプ場で働き始めたんだ。」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
僕らはダイヤモンドより硬くなった。
何が赤鹿だ!
何が熊だ!
何が虎だ!
すぐ横にリーサルウエポンがいたのだ。
笑うご機嫌さんに殴り殺される所だった。
よく無事でいられたもんだ。夜に釣れなかったから助かったんだ。
魚がたくさん釣れていたら、釣れた魚に乾杯して、ウオッカがぶがぶ飲んで酔っぱらって、素敵な酒癖が発揮されて、僕らの誰かが殴り殺されていたかもしんなかったんだ!
僕は悲しくないのに泣いていた。
僕らは全員同時にコーディネーターに殺意を抱いた。
おめえ、なんで最後の日にいうんだよ!
飲ますなよ!最初から!ウエポンに!
結局「いとう」は釣れなかった。
でもそれでよかったのだ。
幻は幻のままで。
圧倒的な自然。いや、動物だけが住んでいる「空間」
その匂いに包まれただけで、僕は満足だった。
見たことのない景色。
聞いたことのない音。
嗅いだことのない匂い。
感じた事の無い恐怖。
ほんの数日だったけど、人間って研ぎ澄まされるんだなと感心した。
生きる=恐怖
恐怖と言うフィルターを通して行動すると、普段には感じない別次元の事を感じる。
生きている事をダイレクトに感じる事が出来た。
帰路でもたくさんの風景が、僕の身体に張り付いた。
空港に戻るために、12時間かけて車で移動している途中の外に広がる、見た事の無い灰色の景色。
川に橋が無く、対岸をワイヤーで繋いだだけの簡素なつくりの、電動で動く朽ちかけた「筏」に、車ごと乗り込み川を渡る、不思議な乗り物に乗ったり、ウラジオストックの空港で、丸椅子に座り手作りのピロシキを売るお母さん達をたくさん見かけたり。
一応、国際空港のはずなんだけど。
一生涯忘れる事が出来ない。
今でも身体に張り付いている。
決して、色褪せる事はない。
そして、陽気に微笑む寡黙なウエポンも、違った。寡黙なおじさんも、もちろん忘れる事が出来ない。
早いもので、八月です。長かった梅雨も終わり、太陽が普通に顔を出しています。太陽ってこんなんだったのか?ってな感じですね。
夏がぴたぴたとやって来ました。
天の邪鬼のあちきとしては、「真夏日」とかいう言葉がどーもしっくりこなくて好きではないんですが、たくさん使われるんだろーなー。
なんだ「真夏日」って。30度を超えると真夏日。なんだそれ?
絶対納得出来ない。梅雨ってのも色っぽい響きが素敵なんだけど、梅雨入りとか梅雨あけがいや。梅雨だけでいーじゃん。何時梅雨になろーが、何時梅雨があけようがいいじゃん。どーして枠をつくりたがるんだろー?
どーしてみんなで一緒にならないといけないのかな?
僕は中学生の時からサッカーをやり続けている。
高校の時の夏の合宿なんか今思い出すのも嫌なくらい辛かった。
おじちゃんになった今でも、真夏に毎週試合も練習もやっている。
30日にもシニアの大会で試合をした。前の日の土曜日は雨で中止になったけど、アップはやった。先週も試合した。だから30度超えてても未だに大丈夫だし、冷房なんか自分じゃつけない。「のぼるくん」のために除湿しているくらいである。(ふざけんな!犬。自分で体温調節しろ)
出来ないんだね。これが。横で鼾かいて寝てますが、、、
寝てる、のぼるくん
だから僕は30度超えてようがなんとも思わない。
なのに、「真夏日」なんてカテゴリー分けされると、普段の会話の中に、「真夏日が何日も続いてたいへんですね~」なんて言われたら、「本当ですね~」なんて答えてしまう。
ざっけんな!俺!ひよるな!俺!
だから会話が嘘くさくて、人と話がしずらくなってしまう。
真夏日は何もしていないのに、悪者扱いだ。
共同体の必殺技。
「スケープゴード」
何かを、誰かを生け贄にして結束を固める。くそっくらえだ。
他にもたくさん納得出来ない言葉があるんだけど、長くなるから書かない。でも、せめてぼやきたい。ぼやき倒したい。人生こうろ師匠が懐かしい。
キング・オブ・ぼやき。人生こうろ師匠。いて欲しいな~。
人生師匠じゃないけど、(人生師匠って言い方もへんだね)いつまでもいて欲しい人ってたくさんいますね。
浅越さんもその一人でした。日本人のテニスプレーヤーで世界レベルで戦える人ってそんなに多くないでしょ。本当に凄いことなんだけど、ちゃんと国のレベルで評価して欲しい。
しかも、個人競技。
どれほどの精神力の強さを持っているのか想像すらできない。
浅越さんを目指してテニスを始めたり、諦めたりした若者がたくさんいると思う。
そんな若者が、成長し、ウインブルドンで勝利した時に、「今自分がここにいるのは、浅越さんのおかげです」なんて言って欲しい。
テニスを諦め、企業を起こした人も「自分が今あるのは、テニスの浅越さんがいたおかげなんです」なんて社員の前で言って欲しい。
僕個人は、なんかの試合の後に「ありがとう」なんて言ってるのが、本当に嫌なんだけど、自分に影響を与えてくれた、「人」や「試合」には未だに感謝している。そして違うかたちでお礼や感謝の意を表しているつもりだ。
浅越さん、お疲れ様でした。
世界中に浅越さんに影響を受けて成長している人がたくさんいます。
あなたは僕ら地球人の誇りであります。
もちろん誇れる人は他にもたくさんいます。
でも間違いなく、あなたはその中の一人です。
あなたの勇姿は、僕らの胸に深く刻み込まれています。
生涯忘れることができないでしょう。
実は、この文章がみなさんの目に触れている時に、僕は沖縄にいます。もちろん仕事で。
沖縄との付き合いは非常に古い。
僕が小学生の時に海洋博をやっていて、町内会を代表して連れて行ってもらったのが最初だから、31年の付き合いってことになる。
それからも数えきれないくらい行かせてもらっている。
去年も縁があって沖縄の離島に、撮影でかなり住んでいた。
やはり離島は、観光で行くのと生活をするのでは全く島の顔が違う。
と思ってたけど、全然かわらなかった。日差しを避けるか受けるかの違いくらいで、ほとんど同じ。笑っちゃうくらい。
住んでる人は素敵だし、何か焦った感じがないんだね。これが。
宮古島に行った時は、車が全部30kmくらいしか出していない。
自転車みたいだった。
僕は西表にずっと泊まっていたんだけど、この話もちゃんとまとめて書きたいと思っている。
今回はスローライフをしている人に会いに行くんだけど、それは来週にでも報告します。
そーいえば、28日にカブトムシを捕りに行って来ました。今週は「いとう」の完結編だから、来週の後半にでもカブトムシの話を書きます。さらに長い長い話になるとは思いますが、我慢して下さい。
一昨年に個人で初めて行って、去年は僕が舞台をやってたから行けなかったんだけど、久々に行って来ました。メンバーは、杉本哲太ちゃん。河相我聞ちゃん。
北村一輝ちゃん。松重豊ちゃん。(今回欠席)兵藤ゆきさん家。(今回欠席)
後、専門家のみなさま。それに子供たち。
大体20人くらいの大所帯。興奮したな~。今回も。
これも続編かなんかで文章にしちゃおうかな。みんなまとまった休みがとれないから、仕事の隙間にちょちょいと夏休みしちゃうんだけど、これがまたとても楽しい。
そんな訳で、あと一ヶ月の夏をそれなりに楽しみましょう。
それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『幻の魚 いとう』 完結編。
最後の日、この日もベロベロでボートに乗った。
川をボートで下っている時に、「いとう」を釣りに来ている地元の一行に出会った。
中の一人が夕べ「いとう」を釣り上げたと言っている。
見せてもらうと、なんと!1、6メートルの化け物「いとう」だった。
酔いが醒めた。
これだ!僕らが求めていたものは。
いたんだ!幻!いたんだ!化け物「いとう」!
テンションが一気に上がった。
釣り具を見せてもらった。
自分達で作った質素な釣り具だった。
ルアー(疑似餌)も手作りの発砲スチロールを削ったもので、「ねずみ」の形をしていた。流石に地元の人だと思った。
地元では、このルアー(疑似餌)が主流みたいだった。
僕らの釣り具を見せると目を丸くして驚いていた。
僕らの釣り具は、もちろん日本のメーカーで、竿も数種類。
ルアー(疑似餌)も色とりどりに輝き、種類豊富で美しかった。
「凄い!」地元の人達はとても驚いて「こんな凄いのは初めて見た。」と口々に言っていた。
釣り具では完全に圧倒していた。
初めて見る美しく輝く釣り具達。
嫉妬と羨望と驚愕の目で釣り具を眺める地元の人達。
しかし、化け物「いとう」は地元の人達の前にある。
一通り感動してから地元の人は言った。
『本当に凄い。素晴らしい。見た事もない美しい釣り具だ。だけど「いとう」もこんなきれいなルアー(疑似餌)を見た事がないから、怖がって逃げてしまうよ』
僕らは死後硬直した様に誰も動かなかった。
漆黒の闇夜の意味がやっとわかった。
「いとう」は漆黒の闇夜を泳ぐねずみ等を襲って食べる。
ねずみはキラキラ光ってはいない。
道具ではなく、努力と技術で釣るのだ。
僕らは硬くなったままボートに乗り込んだ。
しかしこれで最後なのだ。落ち込んではいられない。
するとコーディネーターが、「僕もそー思っていたんだけど、言わなかった。あなた達にはあなた達のやり方があると思ったからね(ウインク)。このルアー(疑似餌)のほうがいいよ。」と手作りのルアー(疑似餌。ねずみくん)を貸してくれた。
僕らの身体は超合金になった。もーこれ以上硬くはならない。
借りたルアー(疑似餌。ねずみくん)で始めた。
しばらくするとコーディネーターは「それから、○○(寡黙なおじさんの名前)にはあまり飲まさない方がいい。彼は酒癖が悪くて、昔、人を殴り殺している。ようやく出所して、今は誰もいないこのキャンプ場で働き始めたんだ。」
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僕らはダイヤモンドより硬くなった。
何が赤鹿だ!
何が熊だ!
何が虎だ!
すぐ横にリーサルウエポンがいたのだ。
笑うご機嫌さんに殴り殺される所だった。
よく無事でいられたもんだ。夜に釣れなかったから助かったんだ。
魚がたくさん釣れていたら、釣れた魚に乾杯して、ウオッカがぶがぶ飲んで酔っぱらって、素敵な酒癖が発揮されて、僕らの誰かが殴り殺されていたかもしんなかったんだ!
僕は悲しくないのに泣いていた。
僕らは全員同時にコーディネーターに殺意を抱いた。
おめえ、なんで最後の日にいうんだよ!
飲ますなよ!最初から!ウエポンに!
結局「いとう」は釣れなかった。
でもそれでよかったのだ。
幻は幻のままで。
圧倒的な自然。いや、動物だけが住んでいる「空間」
その匂いに包まれただけで、僕は満足だった。
見たことのない景色。
聞いたことのない音。
嗅いだことのない匂い。
感じた事の無い恐怖。
ほんの数日だったけど、人間って研ぎ澄まされるんだなと感心した。
生きる=恐怖
恐怖と言うフィルターを通して行動すると、普段には感じない別次元の事を感じる。
生きている事をダイレクトに感じる事が出来た。
帰路でもたくさんの風景が、僕の身体に張り付いた。
空港に戻るために、12時間かけて車で移動している途中の外に広がる、見た事の無い灰色の景色。
川に橋が無く、対岸をワイヤーで繋いだだけの簡素なつくりの、電動で動く朽ちかけた「筏」に、車ごと乗り込み川を渡る、不思議な乗り物に乗ったり、ウラジオストックの空港で、丸椅子に座り手作りのピロシキを売るお母さん達をたくさん見かけたり。
一応、国際空港のはずなんだけど。
一生涯忘れる事が出来ない。
今でも身体に張り付いている。
決して、色褪せる事はない。
そして、陽気に微笑む寡黙なウエポンも、違った。寡黙なおじさんも、もちろん忘れる事が出来ない。