大人の夏休み その1 / 2006年08月09日
テニスを愛する皆様ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
先週はバタバタしてしまってすみませんでした。
ドラマ2本を抱え、バラエティーにも出演し、別の仕事で沖縄に行き、もちろんサッカーの試合にも行って来ました。
このブログも水曜日に更新すると宣言したからには、宣言通りに実行するのが大人です。がんばりました。家に帰ってきて、睡眠時間を削り、書き上げ、ちゃんと送りました。しかも、沖縄に旅立つ前に原稿を書き上げねばなりません。通常
よりも早く書き、担当の藤原くんに送りました。
それが大人です。決められたルールです。近代社会の基本です。
そう、ルールを守る。それこそが近代社会です。
ルールを守れない奴は「北斗の拳」の世界の住人です。
阿部寛に「秘孔」を突かれます。
そしてもっとも大事なのは、「信用」です。
お金だって、普段は何気なく使っていますが、あの紙こそ「信用」です。
あんな「ただの紙」を価値あるものと認識させ、流通させている原動力。
それこそが「信用」です。
貨幣に価値はありません!「信用」に価値があるのです。
信用を獲得するのは非常に大変です。しかし信用を失うのは一瞬です。
先週のブログが木曜日に更新されていました、、、、、
はっはっはっはっはっはっは。
言い訳させて下さい。
わたしは(何で急にわたし?)月曜日には原稿を送っていました。担当の藤原の野郎から、いえ、藤原くんからメールが届きました。
「私用で大阪に行くので、今週のブログは木曜日に更新します」
皆様、藤原のクソ餓鬼を、いえ、藤原くんを責めないで下さい。
部下の責任は(いつから上司になった?)わたしの責任です。
わたしが責任をとります。
とは言うものの、考えてみたらどんな風に責任とっていいかわかんないし、ブログって街の掲示板にわたしの、非常にわたくし的な文章を勝手に書いているんだ
からぁ、 いい?
ちょっと反省するくらいで。(誰に甘えてんだっつーの)
そんな訳で、すみませんでした。今週からもしっかりしますのでよろしくお願いします。
ってな訳で先週に書いたんだけど、行って来ました。沖縄。
ベリーハードスケジュールで。
まず、羽田空港で、やっぱり仕事で沖縄に向かう勝地涼くんに会いました。二人で笑いながら沖縄空港に着きました。
こんな偶然中々ないし、折角だから那覇空港で写真撮ろうってことになり、お互いの携帯で写しました。そしたらなんと、その2ショットのバックに大先輩の梅宮辰夫さんが写っているではありませんか!(すみません。僕らは気づいてい
て、狙って撮りました)貴重な写真をゲットし、二宮に(嵐のね)送りました。
(この二人とは、一昨年一緒に舞台をやったのだ)
写真を是非見て欲しいんだけど、前に書いた様に著作権の問題があるので出せませんが、かなりいい写真。
すみません。梅宮さん。
で、空港で勝地と別れ、車でホテルに。
着替えてすぐに車で現場に移動。
2時間30分北に走り、バスの中で食事。
この時、昼の12時。
打ち合わせの後、撮影開始。
刺す様な日差しの中、延々と撮影は続く。
場所を移動して、ロケ。夕日の撮影のため移動してロケ。
また移動して、夜「満天の星」の撮影。
この時、夜10時。
一日目のロケが終わり、ホテルに移動。
移動時間2時間強。
ホテルの側で夕飯。
この時当然、12時を回っている。
業界用語で「てっぺん」を回っている。
昼の12時に昼飯食べて、夜の12時に夕飯。
その間食べ物は一切口にしていない、、、、
ユニオンに訴えようかと思ったが、ユニオンがどこにあるかも知らないので、断念する。(でも、沖縄料理がメチャ美味しかった)
結局、4時くらいまで飲んだり食べたりした。
次の日は7時出発。(死ぬよ)
前日よりも強い日差しの中、ずーっとロケを続け、僕だけ一足早く帰京。
つぎの仕事のためだ。
しかも、那覇空港のチェックインの3分前に到着した。
プロデューサーが素敵な笑顔で「間に合いましたね」と言って送り出してくれた。空港でお土産物を見て回る時間もなく、そのまま飛行機に乗り込んだ。満員の機内は親子連れだらけ。トイレの横に座った僕は、入れ替わり立ち代わりやってくる人々に、しかもひっきりなしに、、、(2時間くらい我慢しろよ!)一睡も出来ず、羽田に戻った。
待っていたハイヤーに乗り込み、もー一仕事して、やっと家に帰った。
で、次の日には、5時30分に起きて、6時前に撮影に出掛けた。
やれやれ。でしょ。
ま、いつもこんなんじゃないけど、詰まっている時はこんな生活をしている。
で、やっとスローライフね。
なんだか、来週に続くって書きたくなってきた。
ちょっと、休憩してきます。
ただいまっと。(冷たい物飲んで来た。復活)
スローライフね。
スローライフって正直なんだかわからない。
今回の沖縄の旅は「スローライフ」がテーマだった。
いい機会だから個人的にもいろいろ聞いてみたい事も聞いてこよーと思ってでかけた。内容はまだこれからオンエアーされるから書けないけど、会った人みんな誰もスローライフなんて知らなかった。
都会でつくりだされた言葉なんだと実感した。
スローライフって、沖縄なんかでゆったりと、しあわせに、「心」ゆたかに暮らしている。
って漠然としたイメージだと思うんだけど、実際にスローライフを送っていると都会で思われている人は、そんな甘っちょろくなかった。
自分がやりたい事が、その場所(例えば沖縄)にあった。
そこは、たまたまリゾート地だったけど、住んでみると実は過酷な場所だった。
でも、人間は慣れていく。
いろいろな事に。
辛かった暑さも、一番辛い時間帯は表に出なければやりすごせる。
ついでに、休んでいるんだから、寝ちゃえと。(ま、シエスタだね)
で、沖縄の人たちは都会みたいにがちゃがちゃ急がない。
初めは戸惑うけど、その生活にも慣れてくる。
で、都会の人間からは、島のリズムでゆったり生きていて、自分のやりたい素敵なことを、時間にとらわれず自由にやって生きている。
そんな素晴らしい人生を謳歌している特殊な人たちの生き様の総称を「スローライフ」と呼ぶ。
みたいな捉え方を、僕らはしていたんじゃないかと思うんだよね。
ま、もちろん天の邪鬼の僕は思ってなかったけど。
今回出会った人たちは、確かに自分の好きな事をやってた。
闘いながら。
ゆったりと余裕かまして生きている人は一人もいなかった。
一人だけ例を出すと、沖縄の昆虫を写真で撮り続けているカメラマン。
(元々は東京の人だ)
沖縄だけにしか生息しない16種類の昆虫を8年かけて撮影に成功した。
とんでもない快挙だし、とんでもないエネルギーだし、真似することは難しい。っていうか、出来ない。
しかも、昆虫に興味の無い人にはなんの意味もない。
そんな生き様に、その意味のなさに僕は感動した。
なんて演劇的な生き方なんだ。
泣きそうになった。
しかし、その生き方を選択した人たちは、全然ゆっくり生きていなかった。
そーゆー質なのだ。
そーゆー事が出来る人なのだ。
そーゆー事しか出来ない人なのだ。
優先順位がはっきりしているのだ。
見つけたものにまっしぐらに向かって行く力がすんごい。
そして、遊び心があって、ちょっと頑固でユーモアがあって、、、
確かに羨ましかった。そんな人生を送れる人たちは少ない。
みんな目が輝いていた。
昔、僕のいた劇団、第三舞台の先輩の長野里美さんが、「才能ってのは、夢を持ち続ける力だ」と言っていた。
けだし名言である。
こんな素敵な経験はなかなか出来るものではない。
こんな素敵は人たちに出会う度、「人生って悪くない」と思う。
そして、第三舞台の主宰の鴻上尚史さんが言っていた言葉を思い出した。
「俺たちの演劇は、前向きの絶望である」
今はこの言葉が、地球人の人生において普遍性を持つ。
と思う。
さー、だから、いえ、それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『大人の夏休み』 その1。
何年か前、番組で「大人の夏休み」をやりましょうって企画があった。
子供の頃に経験した「夏休み」を大人になった僕らが再現しようと。
兵藤ゆき姉。森尾由美ちゃん。勝村くん。の3人が僕ら。
川で泳いだり、魚を捕ったり、カブトムシを捕まえたり、、、、
まあ、子供の頃の僕はどれも経験した事の無い物ばかりだったが、、、、
すごく楽しかった。妙に楽しかった。いやになっちゃうくらい楽しかった。新潟の魚沼郡の、とある村?町?だった。
カブトムシがいる場所に案内してくれたのが、70過ぎの正三じいちゃんだった。木を見て、正確にカブトムシの居場所を教えてくれた。普段はゆっくり歩いているのに、カブトムシが飛んで逃げると、チーターの如く森を走り廻り興奮しながら捕まえていた。
見ていた僕らも興奮した。笑いながら。
そんで、すごいな~と思った。
何がすごいって、正三じいちゃんのスピード。
が、すごいのはもちろんだけど、カブトムシの魅力がすごい。
なにせ、普段ゆっくり歩いている70過ぎのじいちゃんを、森を全力で疾走するカール・ルイス(ちょっとふるい?)に変えてしまう程の魅力。
カブト力(りょく)?
とでも言えばいいのかしらん?
カブトムシは老若男子にとって、憧れの、永遠のスターなのだ。
容姿端麗。ブラックメタリックのボディ。
力が強く、弱気を蹴散らし、強気を蹴散らし、何でも蹴散らす。
いや、角散らす。
全盛期のマイク・タイソン(やっぱりふるい?)みたいだ。
たくさん捕まえて、山分けした。
文字通り山分け。
今年のカブトムシ捕りの成果。
はじめに書いたが、僕は子供の頃カブトムシ捕りをした事が無かった。
ばーちゃん家で、飛んで来たカブトムシを捕まえたりした事はあったが、山に入り、木から捕まえた事など全くなかった。
そこで、おじちゃん(僕)は考えた。
近所の代々木公園にカブトムシを放ち、繁殖させ、渋谷の子供達にもカブトムシ捕りの魅力を味わせてあげたい。と。
あれ? 味わわせてあげたいだっけか?
正三がチーターにミューテーションした様に、渋谷の子供達にも「カブト力(りょく)」を味わせてあげたい。(正しい方で読んでください)
大人をも、動きの遅いじいさんをも(失礼)魅了してしまう「あの」興奮。
を味わわせてあげたい。(以下同文)と切に思ったのだ。
計画は秘密裏に行わなければならない。(何故だ?)
題して、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」
その為には、僕がカブトムシのトップブリーダーにならなければならない。
とにかく、もっともっと数を増やさなければならない、、、、、、
道は険しそうだ。カブトムシは年を越さない。
一夏限りの季節限定の取り扱い注意だ。慎重に、そして大胆に計画を推進しなければならない。(なんか、なければならないが妙に多い)
うじゃうじゃとは繁殖だ。
それにはまず飯だ。
餌だ。
健全な精神は健全な肉体関係に宿る(なんだそれ)。
とにかく、身体作りだ。
栄養バランスのいい、しかも美味しい物を選ぶ。
いくつか試したが黒糖ゼリーが一番人気だった。
本当に美味しそうで、見ていると僕が食べたくなってしまう。
誘惑を断ち切り、カブくん達に振る舞う。
食べる食べる。カブくん、いや、タイソンくん。
タイソンくん達の食欲は底なしである。
我が家のエンゲル係数は一気に跳ね上がる。
やれやれ。である。
これが、三日分のカブくんの食事(ゼリー)
餌のおかげか、夜中に箱の中を元気にブンブン飛び回る。
最初は何の音かわからず、恐怖に顔を引きつらせ、左手に懐中電灯を握りしめ、右手に少年用金属バットを握りしめ、音の出どこを探した始末。
やれやれ。である。
毎日、丑三つ時に起こされる。草木でさえ眠っているのに、、、
連夜のやれやれ。である。
毎日睡眠不足。ただでさえ寝苦しい夏の夜。
2週間も続くとノイローゼ気味になってくる。
「もー、捨てちゃおーかなー」
なんて考えが、しょっちゅう頭をよぎる。
「そんなの捨てて楽になっちゃえよ」
とうとう僕の頭の中に悪魔が登場した。
疲れと睡眠不足とエンゲル係数の高さから、簡単に頷こうとした。
「渋谷の子供達の笑顔が見たくないのかな?」
今度は天使が囁いた。
ハッとわれに返り、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」の秘密計画を思い出した。(忘れてたのかい)
しまった!
トップブリーダーとした事が、、、
悪魔を払いのけ、天使の前に跪いた。
子供達の笑顔の為に、しっかりしなければ、、、
布教のために、世界の極東の島まで行脚したフランシスコ・ザビエル。
わ~た~し~こそ、渋谷の~フランシスコ・ザビエルでぇ~す。
(意味がわからない)
ザビエる決心をした僕の苦悩などおかまい無しに(どんな決心だ)タイソンくん達は食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくっていた。
どーしよーもなくやれやれ。である。
何日か後、うんこで汚れた土をかえようとしたら、白く輝く真珠を見つけた。
そっと手に取ると、それは、タイソンくん達の愛の結晶であった。
先週はバタバタしてしまってすみませんでした。
ドラマ2本を抱え、バラエティーにも出演し、別の仕事で沖縄に行き、もちろんサッカーの試合にも行って来ました。
このブログも水曜日に更新すると宣言したからには、宣言通りに実行するのが大人です。がんばりました。家に帰ってきて、睡眠時間を削り、書き上げ、ちゃんと送りました。しかも、沖縄に旅立つ前に原稿を書き上げねばなりません。通常
よりも早く書き、担当の藤原くんに送りました。
それが大人です。決められたルールです。近代社会の基本です。
そう、ルールを守る。それこそが近代社会です。
ルールを守れない奴は「北斗の拳」の世界の住人です。
阿部寛に「秘孔」を突かれます。
そしてもっとも大事なのは、「信用」です。
お金だって、普段は何気なく使っていますが、あの紙こそ「信用」です。
あんな「ただの紙」を価値あるものと認識させ、流通させている原動力。
それこそが「信用」です。
貨幣に価値はありません!「信用」に価値があるのです。
信用を獲得するのは非常に大変です。しかし信用を失うのは一瞬です。
先週のブログが木曜日に更新されていました、、、、、
はっはっはっはっはっはっは。
言い訳させて下さい。
わたしは(何で急にわたし?)月曜日には原稿を送っていました。担当の藤原の野郎から、いえ、藤原くんからメールが届きました。
「私用で大阪に行くので、今週のブログは木曜日に更新します」
皆様、藤原のクソ餓鬼を、いえ、藤原くんを責めないで下さい。
部下の責任は(いつから上司になった?)わたしの責任です。
わたしが責任をとります。
とは言うものの、考えてみたらどんな風に責任とっていいかわかんないし、ブログって街の掲示板にわたしの、非常にわたくし的な文章を勝手に書いているんだ
からぁ、 いい?
ちょっと反省するくらいで。(誰に甘えてんだっつーの)
そんな訳で、すみませんでした。今週からもしっかりしますのでよろしくお願いします。
ってな訳で先週に書いたんだけど、行って来ました。沖縄。
ベリーハードスケジュールで。
まず、羽田空港で、やっぱり仕事で沖縄に向かう勝地涼くんに会いました。二人で笑いながら沖縄空港に着きました。
こんな偶然中々ないし、折角だから那覇空港で写真撮ろうってことになり、お互いの携帯で写しました。そしたらなんと、その2ショットのバックに大先輩の梅宮辰夫さんが写っているではありませんか!(すみません。僕らは気づいてい
て、狙って撮りました)貴重な写真をゲットし、二宮に(嵐のね)送りました。
(この二人とは、一昨年一緒に舞台をやったのだ)
写真を是非見て欲しいんだけど、前に書いた様に著作権の問題があるので出せませんが、かなりいい写真。
すみません。梅宮さん。
で、空港で勝地と別れ、車でホテルに。
着替えてすぐに車で現場に移動。
2時間30分北に走り、バスの中で食事。
この時、昼の12時。
打ち合わせの後、撮影開始。
刺す様な日差しの中、延々と撮影は続く。
場所を移動して、ロケ。夕日の撮影のため移動してロケ。
また移動して、夜「満天の星」の撮影。
この時、夜10時。
一日目のロケが終わり、ホテルに移動。
移動時間2時間強。
ホテルの側で夕飯。
この時当然、12時を回っている。
業界用語で「てっぺん」を回っている。
昼の12時に昼飯食べて、夜の12時に夕飯。
その間食べ物は一切口にしていない、、、、
ユニオンに訴えようかと思ったが、ユニオンがどこにあるかも知らないので、断念する。(でも、沖縄料理がメチャ美味しかった)
結局、4時くらいまで飲んだり食べたりした。
次の日は7時出発。(死ぬよ)
前日よりも強い日差しの中、ずーっとロケを続け、僕だけ一足早く帰京。
つぎの仕事のためだ。
しかも、那覇空港のチェックインの3分前に到着した。
プロデューサーが素敵な笑顔で「間に合いましたね」と言って送り出してくれた。空港でお土産物を見て回る時間もなく、そのまま飛行機に乗り込んだ。満員の機内は親子連れだらけ。トイレの横に座った僕は、入れ替わり立ち代わりやってくる人々に、しかもひっきりなしに、、、(2時間くらい我慢しろよ!)一睡も出来ず、羽田に戻った。
待っていたハイヤーに乗り込み、もー一仕事して、やっと家に帰った。
で、次の日には、5時30分に起きて、6時前に撮影に出掛けた。
やれやれ。でしょ。
ま、いつもこんなんじゃないけど、詰まっている時はこんな生活をしている。
で、やっとスローライフね。
なんだか、来週に続くって書きたくなってきた。
ちょっと、休憩してきます。
ただいまっと。(冷たい物飲んで来た。復活)
スローライフね。
スローライフって正直なんだかわからない。
今回の沖縄の旅は「スローライフ」がテーマだった。
いい機会だから個人的にもいろいろ聞いてみたい事も聞いてこよーと思ってでかけた。内容はまだこれからオンエアーされるから書けないけど、会った人みんな誰もスローライフなんて知らなかった。
都会でつくりだされた言葉なんだと実感した。
スローライフって、沖縄なんかでゆったりと、しあわせに、「心」ゆたかに暮らしている。
って漠然としたイメージだと思うんだけど、実際にスローライフを送っていると都会で思われている人は、そんな甘っちょろくなかった。
自分がやりたい事が、その場所(例えば沖縄)にあった。
そこは、たまたまリゾート地だったけど、住んでみると実は過酷な場所だった。
でも、人間は慣れていく。
いろいろな事に。
辛かった暑さも、一番辛い時間帯は表に出なければやりすごせる。
ついでに、休んでいるんだから、寝ちゃえと。(ま、シエスタだね)
で、沖縄の人たちは都会みたいにがちゃがちゃ急がない。
初めは戸惑うけど、その生活にも慣れてくる。
で、都会の人間からは、島のリズムでゆったり生きていて、自分のやりたい素敵なことを、時間にとらわれず自由にやって生きている。
そんな素晴らしい人生を謳歌している特殊な人たちの生き様の総称を「スローライフ」と呼ぶ。
みたいな捉え方を、僕らはしていたんじゃないかと思うんだよね。
ま、もちろん天の邪鬼の僕は思ってなかったけど。
今回出会った人たちは、確かに自分の好きな事をやってた。
闘いながら。
ゆったりと余裕かまして生きている人は一人もいなかった。
一人だけ例を出すと、沖縄の昆虫を写真で撮り続けているカメラマン。
(元々は東京の人だ)
沖縄だけにしか生息しない16種類の昆虫を8年かけて撮影に成功した。
とんでもない快挙だし、とんでもないエネルギーだし、真似することは難しい。っていうか、出来ない。
しかも、昆虫に興味の無い人にはなんの意味もない。
そんな生き様に、その意味のなさに僕は感動した。
なんて演劇的な生き方なんだ。
泣きそうになった。
しかし、その生き方を選択した人たちは、全然ゆっくり生きていなかった。
そーゆー質なのだ。
そーゆー事が出来る人なのだ。
そーゆー事しか出来ない人なのだ。
優先順位がはっきりしているのだ。
見つけたものにまっしぐらに向かって行く力がすんごい。
そして、遊び心があって、ちょっと頑固でユーモアがあって、、、
確かに羨ましかった。そんな人生を送れる人たちは少ない。
みんな目が輝いていた。
昔、僕のいた劇団、第三舞台の先輩の長野里美さんが、「才能ってのは、夢を持ち続ける力だ」と言っていた。
けだし名言である。
こんな素敵な経験はなかなか出来るものではない。
こんな素敵は人たちに出会う度、「人生って悪くない」と思う。
そして、第三舞台の主宰の鴻上尚史さんが言っていた言葉を思い出した。
「俺たちの演劇は、前向きの絶望である」
今はこの言葉が、地球人の人生において普遍性を持つ。
と思う。
さー、だから、いえ、それでは、今週もがんばって生きて行きまっしょい!
『大人の夏休み』 その1。
何年か前、番組で「大人の夏休み」をやりましょうって企画があった。
子供の頃に経験した「夏休み」を大人になった僕らが再現しようと。
兵藤ゆき姉。森尾由美ちゃん。勝村くん。の3人が僕ら。
川で泳いだり、魚を捕ったり、カブトムシを捕まえたり、、、、
まあ、子供の頃の僕はどれも経験した事の無い物ばかりだったが、、、、
すごく楽しかった。妙に楽しかった。いやになっちゃうくらい楽しかった。新潟の魚沼郡の、とある村?町?だった。
カブトムシがいる場所に案内してくれたのが、70過ぎの正三じいちゃんだった。木を見て、正確にカブトムシの居場所を教えてくれた。普段はゆっくり歩いているのに、カブトムシが飛んで逃げると、チーターの如く森を走り廻り興奮しながら捕まえていた。
見ていた僕らも興奮した。笑いながら。
そんで、すごいな~と思った。
何がすごいって、正三じいちゃんのスピード。
が、すごいのはもちろんだけど、カブトムシの魅力がすごい。
なにせ、普段ゆっくり歩いている70過ぎのじいちゃんを、森を全力で疾走するカール・ルイス(ちょっとふるい?)に変えてしまう程の魅力。
カブト力(りょく)?
とでも言えばいいのかしらん?
カブトムシは老若男子にとって、憧れの、永遠のスターなのだ。
容姿端麗。ブラックメタリックのボディ。
力が強く、弱気を蹴散らし、強気を蹴散らし、何でも蹴散らす。
いや、角散らす。
全盛期のマイク・タイソン(やっぱりふるい?)みたいだ。
たくさん捕まえて、山分けした。
文字通り山分け。
今年のカブトムシ捕りの成果。
はじめに書いたが、僕は子供の頃カブトムシ捕りをした事が無かった。
ばーちゃん家で、飛んで来たカブトムシを捕まえたりした事はあったが、山に入り、木から捕まえた事など全くなかった。
そこで、おじちゃん(僕)は考えた。
近所の代々木公園にカブトムシを放ち、繁殖させ、渋谷の子供達にもカブトムシ捕りの魅力を味わせてあげたい。と。
あれ? 味わわせてあげたいだっけか?
正三がチーターにミューテーションした様に、渋谷の子供達にも「カブト力(りょく)」を味わせてあげたい。(正しい方で読んでください)
大人をも、動きの遅いじいさんをも(失礼)魅了してしまう「あの」興奮。
を味わわせてあげたい。(以下同文)と切に思ったのだ。
計画は秘密裏に行わなければならない。(何故だ?)
題して、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」
その為には、僕がカブトムシのトップブリーダーにならなければならない。
とにかく、もっともっと数を増やさなければならない、、、、、、
道は険しそうだ。カブトムシは年を越さない。
一夏限りの季節限定の取り扱い注意だ。慎重に、そして大胆に計画を推進しなければならない。(なんか、なければならないが妙に多い)
うじゃうじゃとは繁殖だ。
それにはまず飯だ。
餌だ。
健全な精神は健全な肉体関係に宿る(なんだそれ)。
とにかく、身体作りだ。
栄養バランスのいい、しかも美味しい物を選ぶ。
いくつか試したが黒糖ゼリーが一番人気だった。
本当に美味しそうで、見ていると僕が食べたくなってしまう。
誘惑を断ち切り、カブくん達に振る舞う。
食べる食べる。カブくん、いや、タイソンくん。
タイソンくん達の食欲は底なしである。
我が家のエンゲル係数は一気に跳ね上がる。
やれやれ。である。
これが、三日分のカブくんの食事(ゼリー)
餌のおかげか、夜中に箱の中を元気にブンブン飛び回る。
最初は何の音かわからず、恐怖に顔を引きつらせ、左手に懐中電灯を握りしめ、右手に少年用金属バットを握りしめ、音の出どこを探した始末。
やれやれ。である。
毎日、丑三つ時に起こされる。草木でさえ眠っているのに、、、
連夜のやれやれ。である。
毎日睡眠不足。ただでさえ寝苦しい夏の夜。
2週間も続くとノイローゼ気味になってくる。
「もー、捨てちゃおーかなー」
なんて考えが、しょっちゅう頭をよぎる。
「そんなの捨てて楽になっちゃえよ」
とうとう僕の頭の中に悪魔が登場した。
疲れと睡眠不足とエンゲル係数の高さから、簡単に頷こうとした。
「渋谷の子供達の笑顔が見たくないのかな?」
今度は天使が囁いた。
ハッとわれに返り、「カブトムシうじゃうじゃ計画。イン代々木公園」の秘密計画を思い出した。(忘れてたのかい)
しまった!
トップブリーダーとした事が、、、
悪魔を払いのけ、天使の前に跪いた。
子供達の笑顔の為に、しっかりしなければ、、、
布教のために、世界の極東の島まで行脚したフランシスコ・ザビエル。
わ~た~し~こそ、渋谷の~フランシスコ・ザビエルでぇ~す。
(意味がわからない)
ザビエる決心をした僕の苦悩などおかまい無しに(どんな決心だ)タイソンくん達は食べまくり、うんこしまくり、交尾しまくっていた。
どーしよーもなくやれやれ。である。
何日か後、うんこで汚れた土をかえようとしたら、白く輝く真珠を見つけた。
そっと手に取ると、それは、タイソンくん達の愛の結晶であった。
続く。