大人の夏休み その5(最終回) / 2006年09月07日
テニスを愛する皆さま、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
何だかすっかり秋の匂いがしてまいりました。風がちょっと涼しくて心地よいのだけれど、東京は、夏がほとんど無かったのでちょっと切ない。
夏が終わるって子供の頃はちょっとがっかりするだけだったけど、おじちゃんにはとても悲しく、とても寂しく、とても切ない。
もー取り戻せないんだよね、過ぎてしまった事は。
時は流れるんだよね。終わってからわかるんだね。何事も。
先週はたくさん友人と会った。
フランスで働いてる後輩が彼女(日本人ね)を連れてきた。
結婚する手前で、彼女が父親にどーやって彼(後輩)を紹介するか悩んでいた。
なんだか初々しくってこっちが恥ずかしくなって照れてしまった。
なんだかドラマを見ているみたいで、現実じゃないみたいで、不思議な感覚にとらわれて横を見ると兵藤ゆき姉が笑っていた。
後輩の彼女は、久しぶりに見る容姿端麗、才色兼備。本当に素敵な女性だった。
頭がグラグラした。
間違い探し。(何で?)
中堅の夫婦が(なんだ中堅って?)若いカップルに人生相談をされています。
さー何処が間違っているでしょう?
答え。(何が答えだ!)
そう、我が家の家族は未だ旅行から戻っておらず、何故かゆき姉とゆき姉の子と僕が暮らしている。
そして、僕と、ゆき姉と、ゆき姉の子と、僕の後輩と、後輩の彼女の5人で結婚の話とかをしている。(世にも不思議な物語か)
もちろん、ゆき姉と後輩カップルは初対面。しかもご飯まで作ってあげている。
なんだそれ?
どーしていつもこんなに楽しいシュチエーションなのだ。
神様、ありがとう。
後、後輩の俳優の田口浩正が子供を連れて遊びにきた。
田口も昔は我が家に入り浸っていた。
何をやらせても本当に器用でセンスがある。しかし、車の運転だけは下手で、横に乗るのがとても怖かった。しかし時間というのも恐ろしい。やんちゃな田口がりっぱなお父さんになったように、やんちゃな運転がりっぱな運転になっていた。
(どんな運転だ?なんだりっぱとは?)
子供も信じられないくらいかわいい。しかも太っていない、、、、、、
恐ろしい。(恐ろしくない)
後は、哲ちゃん所の新築パーティー。
ロケで参加不可能なはずだった。はずだった。
それがあなた、ロケが雨で中止になったのでした。
またしても小躍りしながら出かけた。
いつものメンバーが久しぶりに集まった。
いつもの馬鹿話しをして、いつもの笑い声がして、次の日には何も覚えていない。
あー、情けない、、、、、、、
もーずーっと情けないっぱなし。
それぞれ年を取ったけど、何も変わっていない。
今の仲間とつきあい始めて、もー14,5年経つ。20代の終わりで急速に仲良くなった。
毎日会っていて、毎日朝まで飲んで、昼に一緒に飯食って、夜も飯食って、それからまた飲みに行ってまた朝帰る。(一緒に暮らせっつーの)
みたいな生活をしていた。
ある時(もちろん飲み屋)、「ローグ」ってバンドで(懐かしい)ヴォーカルやってた奥野(ちなみに、のぼるくんの母「さゆり」の飼い主。のぼるくんの名付け親。僕の親友。長いな、、、)に「こんなさぁ、毎日、毎日だらだら飲んでないでさぁ、なぁんだかさぁ、このままじゃダメだろ。たまには生産的な事をしよーぜい」と言った。(らしい)
そしたら、2,3日後に1枚のファックスが届いた。
そこにはコックの帽子をかぶり、黒い眼帯をした「豚」のキャラクターが印刷されてあった。その下に「PORK SAUTES]と書いてある。
「何だ?これ」
すぐに電話した.
(まだ携帯なんか誰も持ってなかった)
「何?これ?」
「この前お前が生産的な事しよーって言ったろ」
「え?」(もちろん忘れてた)
「バンドやろー。バンド。コンセプトも考えた。ちょっとうちに来いよ」
「え?」
家が近所だったので、すぐに行ってみた。
部屋に入ると奥野はパソコンの前で笑っていた。
パソコンの画面の中には、さっきの「豚」が僕を威圧していた。
「いいのが出来たろ」
「え?」
「バンドの名前はポークソテーズ。コンセプトは洋食屋な。ポークソテーズって店でみんな働いてるんだよ。で、みんなコックとか、ウエイトレスとかの格好して歌うんだよ。で、タイトルに必ずメニューに出てる洋食の名前を入れるんだよ。いいだろ?」
「え?」
「で、俺が曲作るから、お前が詩を書けな。」
「え?」
「てきとーでいーよ」
「え?」
「じゃぁ、今なんか書けよ」
「え?」
「およげ、たいやきくんを目指すからな。印税で生活するぞ」
「おー!」(金かよ)
そんなこんなで、我等の「ポークソテーズ計画」(印税計画だろ)が始まった。
まずメンバー。
奥野は勝手に決めていた。誰の承諾も得ずに、、、、
「ヴォーカルは4人」
「よ、4人?」
「チーフが俺。で、勝村はシェフな。で、」
「ちょっと待てよ。なんでお前(奥野)がチーフで俺(勝村)がただのシェフなの?」
何もわかってないくせに、そんなとこだけこだわる。
「いいじゃねーか、俺(奥野)が全部考えたんだから」
「でも、最初になんかやろーって言ったのは俺(勝村)だぞ」(子供か?)
しばらくもめたが、奥野が正論なので仕方なく引くことにした。(あたりまえだ)
「で、かおりが(川村かおり)ウエイトレス。後、キッチュが(松尾貴史)支配人な」
「俺が(勝村)支配人じゃないのか?」
「黙って聞けよ!話が進まないから」(いい歳して怒られた)
「で、ギターが喧太(原田芳雄さんの息子。吉川晃司くんとこのギタリスト) で、ベースがユータ(BUCK-TICKのベーシスト)で、ドラムが麿(晃司くんとこのドラマー)旗持ちがオービー(作曲家)で行くから」(いつもの飲み仲間だ)
「え~そんなんでいいのか~?(実はものすごく豪華なメンバーである)みんなに話した?」
「ううん」
「、、、、まぁいっか」
「うん」
こんな会話で勝手にメンバーも決まった。(いいのか?バンドやってるやつもいるんだぞ?)
奥野は仕事が速い。登場のメンバー紹介曲は既に出来上がっていた。しかも、
コーラスの部分は詩がついていて、高いのと低いのとハモッたコーラスまで入っている。
完璧。
しかも、えらくかっこいい曲だった。
その場で少しレクチャーを受け、僕もメンバー紹介の詩を書き始めた。
なんかわかんないし、自信なんかなかったけど、そんな事どーでもよかった。
(よくない)
全員のをすぐに書き終え、奥野に見せた。
ケラケラ声を出して笑った。
二人で笑いながら、録音した。(15年以上前から奥野の部屋でレコーディングができた)
あっとゆー間に1曲目の「WE are PORK SAUTES」ができあがった。
ちょっぴり興奮して家に帰ると、さっそく詩を考えた。
「カレーライス」
と題名だけ書いた。
(遠藤賢二さんが好きだったから。後にサッカーも一緒にやった)
これもあっとゆー間にできた。(内容はともかく。遠藤さんすみません)
我慢できず、すぐに奥野の部屋に戻った。
「できたよ。詩が」
「どれ?」
「どー?」
「めちゃくちゃだよ。ま、いーや。ここの文字数だけ合わせといてくれよ。きっちーなぁ。シセンは」
「あ?シセンって何?」
「詩が先にできてる事だよ。後から曲をつくるから大変なんだよ」
「おー!そんな専門音楽用語!初めて聞いた!」(ただの素人。興奮だらけである)
次の日。なんと!なんと!3曲入ったデモテープが完成していた。
(僕の仕事が遅いからもー1曲作っといただって。まだ2日しかたっていない)
1曲目 「WE are PORK SAUTES]
2曲目 「カレーライス」
3曲目 「ハンバーグの作り方」(これが後にNHKの「みんなのうた」で流れる)
すぐにみんなを集めてミーティングをした。
まずデモテープを聴いてもらった。
かおりが最初に言った。「いつライブやんの?」
誰もいいとか悪いとかじゃなく、普通にしてる。
まるで、昔から決まっていたみたいに。(ミュージシャンは素敵だ!)
しかしそれぞれが文句を言ってくる。
「衣装は自分で決めさせろ」とか
「ソロの部分は必ず入れろ」とか
「自分で歌う所は自分で書く」とか
「ローディー(楽器を運ぶ人)はいないのか?」とか
黙って聞いていると腹立ってくるのでシカトした。(ミュージシャンはむかつく)
最近、テニスの話題が何もないな~、、、全米やってんのに、、、
アガシ引退に涙したのに、、、、、
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その5(最終回)
続き。
光陰ロケットの如し。
さらに三時間たった。
やはりヒーローは来ない、、、、、、、、
街は壊滅状態だ。
田中の野郎は「ふたまわりくらい」縮んでいる。
もー汗も出ていない。
それどころか、解脱し始めている。
きっと居場所がなくなり、神に近づこうと考えたのだろう。自然に。
時間がない。
ディレクターが、「諦めましょう」と宣言した。
次のトラップに向かった。
時間は既に朝の4時をまわっていて、薄明るくなり始めている。
身長が30cmくらいに縮んだ小田中が先頭に立ち、仕掛けた場所を目指す。
到着。
カメラを構え、緊張するスタッフ。
さすがにここでの失敗はお蔵入り(放送中止)を意味する。
みんなで15cmくらいに縮んだミクロ田中をまたぎ、仕掛けた木に向かった。
すぐに全員の歓声が上がった。
最初の木に2匹のカブトムシが集まっている。
そして仕掛けた木のほとんどにカブトムシが集まってきていた。
5mくらいに成長した「一騎田中軍曹お館様」が僕らをまたぎかえし、やさしく微笑んでいる。
そして何かを思い出したかのように、嘲笑を浮かべ、言った。
「勝村さん、ガードレール。見に行きましょうか?」。
ご要望にお答えして、田中様の写真をなんとか本人からゲットしました。
流石、一騎田中でしょ。
完全に立場がかわった。
し、しまった。
こんな所で今までの全てが、、、
まさかの僕の責任問題にまで発展しそうな感じになってきた。
ガ、ガードレールなんかに仕掛けたばかりに、、、、、、
全員の集結した悪意が僕を包んだ。
とにかく笑おう。
ずっと辛かったから、笑ってとりあえずスッキリしようぜい!みたいな「オーラ」がみんなから出ている。
全員でスケープゴードを探している。
コミューンの原則でもある。
「じゃぁ、行きましょうか」ディレクターまでもが笑いながら囁く。
腹を決め、ゆっくりとガードレールに近づく。
空がどんどん明るくなる。
僕の意識はどんどん遠くなる。
ガードレールが見えてきた。
もう逃げられない。
次の瞬間、僕は叫んだ。腹式で。
この時ほど、舞台をやっていてよかったと思った事はなかった。
山に僕の腹式の発声が木霊する。
「やっほー!」
じゃなかった。
「いたぁうわゎrbdkjdhgv!たくさんいとぅわたぁーcstszcsfzgJtLH!」
うるさいし、訳わかんない。
そう、カブトムシがいたのだ。
しかもどの木よりも多く。
オス、メス入り乱れて。
ガードレールに。
奇跡が怒った。
いや、起こった。
まさかの奇跡。まさかのガードレール。
僕は快哉を叫んだ。
その後の収録も順調に行き、楽しい行事が終了した。(仕事だろ)
返り際に田中さんに挨拶すると、「これからはガードレールですね」と涙ぐみながら帰って行った。
数週間後、高価な「ヘラクレスオオカブト」が我が家にやってきた。
そしてまた、あらたな闘いがはじまった。
何だかすっかり秋の匂いがしてまいりました。風がちょっと涼しくて心地よいのだけれど、東京は、夏がほとんど無かったのでちょっと切ない。
夏が終わるって子供の頃はちょっとがっかりするだけだったけど、おじちゃんにはとても悲しく、とても寂しく、とても切ない。
もー取り戻せないんだよね、過ぎてしまった事は。
時は流れるんだよね。終わってからわかるんだね。何事も。
先週はたくさん友人と会った。
フランスで働いてる後輩が彼女(日本人ね)を連れてきた。
結婚する手前で、彼女が父親にどーやって彼(後輩)を紹介するか悩んでいた。
なんだか初々しくってこっちが恥ずかしくなって照れてしまった。
なんだかドラマを見ているみたいで、現実じゃないみたいで、不思議な感覚にとらわれて横を見ると兵藤ゆき姉が笑っていた。
後輩の彼女は、久しぶりに見る容姿端麗、才色兼備。本当に素敵な女性だった。
頭がグラグラした。
間違い探し。(何で?)
中堅の夫婦が(なんだ中堅って?)若いカップルに人生相談をされています。
さー何処が間違っているでしょう?
答え。(何が答えだ!)
そう、我が家の家族は未だ旅行から戻っておらず、何故かゆき姉とゆき姉の子と僕が暮らしている。
そして、僕と、ゆき姉と、ゆき姉の子と、僕の後輩と、後輩の彼女の5人で結婚の話とかをしている。(世にも不思議な物語か)
もちろん、ゆき姉と後輩カップルは初対面。しかもご飯まで作ってあげている。
なんだそれ?
どーしていつもこんなに楽しいシュチエーションなのだ。
神様、ありがとう。
後、後輩の俳優の田口浩正が子供を連れて遊びにきた。
田口も昔は我が家に入り浸っていた。
何をやらせても本当に器用でセンスがある。しかし、車の運転だけは下手で、横に乗るのがとても怖かった。しかし時間というのも恐ろしい。やんちゃな田口がりっぱなお父さんになったように、やんちゃな運転がりっぱな運転になっていた。
(どんな運転だ?なんだりっぱとは?)
子供も信じられないくらいかわいい。しかも太っていない、、、、、、
恐ろしい。(恐ろしくない)
後は、哲ちゃん所の新築パーティー。
ロケで参加不可能なはずだった。はずだった。
それがあなた、ロケが雨で中止になったのでした。
またしても小躍りしながら出かけた。
いつものメンバーが久しぶりに集まった。
いつもの馬鹿話しをして、いつもの笑い声がして、次の日には何も覚えていない。
あー、情けない、、、、、、、
もーずーっと情けないっぱなし。
それぞれ年を取ったけど、何も変わっていない。
今の仲間とつきあい始めて、もー14,5年経つ。20代の終わりで急速に仲良くなった。
毎日会っていて、毎日朝まで飲んで、昼に一緒に飯食って、夜も飯食って、それからまた飲みに行ってまた朝帰る。(一緒に暮らせっつーの)
みたいな生活をしていた。
ある時(もちろん飲み屋)、「ローグ」ってバンドで(懐かしい)ヴォーカルやってた奥野(ちなみに、のぼるくんの母「さゆり」の飼い主。のぼるくんの名付け親。僕の親友。長いな、、、)に「こんなさぁ、毎日、毎日だらだら飲んでないでさぁ、なぁんだかさぁ、このままじゃダメだろ。たまには生産的な事をしよーぜい」と言った。(らしい)
そしたら、2,3日後に1枚のファックスが届いた。
そこにはコックの帽子をかぶり、黒い眼帯をした「豚」のキャラクターが印刷されてあった。その下に「PORK SAUTES]と書いてある。
「何だ?これ」
すぐに電話した.
(まだ携帯なんか誰も持ってなかった)
「何?これ?」
「この前お前が生産的な事しよーって言ったろ」
「え?」(もちろん忘れてた)
「バンドやろー。バンド。コンセプトも考えた。ちょっとうちに来いよ」
「え?」
家が近所だったので、すぐに行ってみた。
部屋に入ると奥野はパソコンの前で笑っていた。
パソコンの画面の中には、さっきの「豚」が僕を威圧していた。
「いいのが出来たろ」
「え?」
「バンドの名前はポークソテーズ。コンセプトは洋食屋な。ポークソテーズって店でみんな働いてるんだよ。で、みんなコックとか、ウエイトレスとかの格好して歌うんだよ。で、タイトルに必ずメニューに出てる洋食の名前を入れるんだよ。いいだろ?」
「え?」
「で、俺が曲作るから、お前が詩を書けな。」
「え?」
「てきとーでいーよ」
「え?」
「じゃぁ、今なんか書けよ」
「え?」
「およげ、たいやきくんを目指すからな。印税で生活するぞ」
「おー!」(金かよ)
そんなこんなで、我等の「ポークソテーズ計画」(印税計画だろ)が始まった。
まずメンバー。
奥野は勝手に決めていた。誰の承諾も得ずに、、、、
「ヴォーカルは4人」
「よ、4人?」
「チーフが俺。で、勝村はシェフな。で、」
「ちょっと待てよ。なんでお前(奥野)がチーフで俺(勝村)がただのシェフなの?」
何もわかってないくせに、そんなとこだけこだわる。
「いいじゃねーか、俺(奥野)が全部考えたんだから」
「でも、最初になんかやろーって言ったのは俺(勝村)だぞ」(子供か?)
しばらくもめたが、奥野が正論なので仕方なく引くことにした。(あたりまえだ)
「で、かおりが(川村かおり)ウエイトレス。後、キッチュが(松尾貴史)支配人な」
「俺が(勝村)支配人じゃないのか?」
「黙って聞けよ!話が進まないから」(いい歳して怒られた)
「で、ギターが喧太(原田芳雄さんの息子。吉川晃司くんとこのギタリスト) で、ベースがユータ(BUCK-TICKのベーシスト)で、ドラムが麿(晃司くんとこのドラマー)旗持ちがオービー(作曲家)で行くから」(いつもの飲み仲間だ)
「え~そんなんでいいのか~?(実はものすごく豪華なメンバーである)みんなに話した?」
「ううん」
「、、、、まぁいっか」
「うん」
こんな会話で勝手にメンバーも決まった。(いいのか?バンドやってるやつもいるんだぞ?)
奥野は仕事が速い。登場のメンバー紹介曲は既に出来上がっていた。しかも、
コーラスの部分は詩がついていて、高いのと低いのとハモッたコーラスまで入っている。
完璧。
しかも、えらくかっこいい曲だった。
その場で少しレクチャーを受け、僕もメンバー紹介の詩を書き始めた。
なんかわかんないし、自信なんかなかったけど、そんな事どーでもよかった。
(よくない)
全員のをすぐに書き終え、奥野に見せた。
ケラケラ声を出して笑った。
二人で笑いながら、録音した。(15年以上前から奥野の部屋でレコーディングができた)
あっとゆー間に1曲目の「WE are PORK SAUTES」ができあがった。
ちょっぴり興奮して家に帰ると、さっそく詩を考えた。
「カレーライス」
と題名だけ書いた。
(遠藤賢二さんが好きだったから。後にサッカーも一緒にやった)
これもあっとゆー間にできた。(内容はともかく。遠藤さんすみません)
我慢できず、すぐに奥野の部屋に戻った。
「できたよ。詩が」
「どれ?」
「どー?」
「めちゃくちゃだよ。ま、いーや。ここの文字数だけ合わせといてくれよ。きっちーなぁ。シセンは」
「あ?シセンって何?」
「詩が先にできてる事だよ。後から曲をつくるから大変なんだよ」
「おー!そんな専門音楽用語!初めて聞いた!」(ただの素人。興奮だらけである)
次の日。なんと!なんと!3曲入ったデモテープが完成していた。
(僕の仕事が遅いからもー1曲作っといただって。まだ2日しかたっていない)
1曲目 「WE are PORK SAUTES]
2曲目 「カレーライス」
3曲目 「ハンバーグの作り方」(これが後にNHKの「みんなのうた」で流れる)
すぐにみんなを集めてミーティングをした。
まずデモテープを聴いてもらった。
かおりが最初に言った。「いつライブやんの?」
誰もいいとか悪いとかじゃなく、普通にしてる。
まるで、昔から決まっていたみたいに。(ミュージシャンは素敵だ!)
しかしそれぞれが文句を言ってくる。
「衣装は自分で決めさせろ」とか
「ソロの部分は必ず入れろ」とか
「自分で歌う所は自分で書く」とか
「ローディー(楽器を運ぶ人)はいないのか?」とか
黙って聞いていると腹立ってくるのでシカトした。(ミュージシャンはむかつく)
続く(とうとう最初の文章までも、、、、)
最近、テニスの話題が何もないな~、、、全米やってんのに、、、
アガシ引退に涙したのに、、、、、
そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!
『大人の夏休み』 その5(最終回)
続き。
光陰ロケットの如し。
さらに三時間たった。
やはりヒーローは来ない、、、、、、、、
街は壊滅状態だ。
田中の野郎は「ふたまわりくらい」縮んでいる。
もー汗も出ていない。
それどころか、解脱し始めている。
きっと居場所がなくなり、神に近づこうと考えたのだろう。自然に。
時間がない。
ディレクターが、「諦めましょう」と宣言した。
次のトラップに向かった。
時間は既に朝の4時をまわっていて、薄明るくなり始めている。
身長が30cmくらいに縮んだ小田中が先頭に立ち、仕掛けた場所を目指す。
到着。
カメラを構え、緊張するスタッフ。
さすがにここでの失敗はお蔵入り(放送中止)を意味する。
みんなで15cmくらいに縮んだミクロ田中をまたぎ、仕掛けた木に向かった。
すぐに全員の歓声が上がった。
最初の木に2匹のカブトムシが集まっている。
そして仕掛けた木のほとんどにカブトムシが集まってきていた。
5mくらいに成長した「一騎田中軍曹お館様」が僕らをまたぎかえし、やさしく微笑んでいる。
そして何かを思い出したかのように、嘲笑を浮かべ、言った。
「勝村さん、ガードレール。見に行きましょうか?」。
ご要望にお答えして、田中様の写真をなんとか本人からゲットしました。
流石、一騎田中でしょ。
完全に立場がかわった。
し、しまった。
こんな所で今までの全てが、、、
まさかの僕の責任問題にまで発展しそうな感じになってきた。
ガ、ガードレールなんかに仕掛けたばかりに、、、、、、
全員の集結した悪意が僕を包んだ。
とにかく笑おう。
ずっと辛かったから、笑ってとりあえずスッキリしようぜい!みたいな「オーラ」がみんなから出ている。
全員でスケープゴードを探している。
コミューンの原則でもある。
「じゃぁ、行きましょうか」ディレクターまでもが笑いながら囁く。
腹を決め、ゆっくりとガードレールに近づく。
空がどんどん明るくなる。
僕の意識はどんどん遠くなる。
ガードレールが見えてきた。
もう逃げられない。
次の瞬間、僕は叫んだ。腹式で。
この時ほど、舞台をやっていてよかったと思った事はなかった。
山に僕の腹式の発声が木霊する。
「やっほー!」
じゃなかった。
「いたぁうわゎrbdkjdhgv!たくさんいとぅわたぁーcstszcsfzgJtLH!」
うるさいし、訳わかんない。
そう、カブトムシがいたのだ。
しかもどの木よりも多く。
オス、メス入り乱れて。
ガードレールに。
奇跡が怒った。
いや、起こった。
まさかの奇跡。まさかのガードレール。
僕は快哉を叫んだ。
その後の収録も順調に行き、楽しい行事が終了した。(仕事だろ)
返り際に田中さんに挨拶すると、「これからはガードレールですね」と涙ぐみながら帰って行った。
数週間後、高価な「ヘラクレスオオカブト」が我が家にやってきた。
そしてまた、あらたな闘いがはじまった。
了