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勝村政信プロフィール
俳優。「天才たけしの元気がでるテレビ」で注目を浴び、その後演劇活動をメインに行い現在に至る。飄々としたスタイルで芸幅の広さをアピールする一方、舞台演技の評価は高い。最近では「ラスト・クリスマス(フジテレビ)」、「HERO(フジテレビ)」、「義経(NHK)」等に出演し活躍している。趣味はサッカー、テニス、フィットネスなどスポーツ全般。
出演情報
レギュラー  TVasahi「ナサケのオンナ~国税局査察官~」 出演

毎週木曜21:00~21:54
ナレーション  NHK「スポーツ大陸 一歩一歩に魂こめて~競歩 山﨑勇喜~」 OA
10/16(土)22:00~(BS1)
10/17(日)10:05~(総合)
10/19(火)24:15~(関西総合)
10/24(日)24:00~(BS1)
9/25より公開  熊沢尚人監督「君に届け」 出演
9/18より公開  羽住英一郎監督「THE LAST MESSAGE 海猿」 出演
4/10より公開  石原興監督「獄(ひとや)に咲く花」 出演
3/13より公開  谷口正晃監督「時をかける少女」 出演
CF  「セイロガン ト-イA」
CF  FUJITSU「夢をかたちに(社会システム空港篇)」
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Nさんの事 / 2006年06月28日

テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。

フェデラーやっちゃいました。41連勝。
テニスの神様ボルグの記録に並びました。25年間も記録が破られてなかったんだね。ボルグ。
でも、全仏が終わってすぐにゲリー・ウェーバーオープンに出てたんだ。フェデラー。
バケモンだぁ。
何だろう?ゲリー・ウェバーオープンって?
でも大丈夫なのか?ウィンブルドン。
いよいよ、と言うか、もー始まりました。ウィンブルドン。楽しみです。
とても楽しみなんですが、、、
全仏、ワールドカップと眠れない日々を過ごしている私たちの健康はどーなるんだろー?
選手の過密スケジュールが問題になっていますが、見ている我々の過密スケジュールの問題はどーなっているんだろー?
世界中が混乱しているんだろーなー。
杉山、森上も見事1回戦を二日がかりで勝利!
おめでとーございます。
二人は2回戦であたるけど、まー、決勝戦まで行けばどのみち戦うんだから仕方ない。
近い将来、ウィンブルドンで日本人同士の決勝なんて見てみたいね。
そんな事を夢見て、さらに眠れない贅沢な日々、贅沢な時間を楽しませてもらいましょう。

フェデラーは、記録は塗り替えられるでしょう。って書いてたら、塗り替えちゃいました。簡単に。まあ、昔の記録と今の記録は比較出来ないけど、数字が残ってしまうからなぁ。だけど凄い記録だよなぁ。
でもフェデラーは「ボルグには及ばない」って言ってたけど、全仏でクレーコートの記録を出した時のナダルもフェデラーを讃えていたし、一流選手ってちゃんとしてるね。
サッカーのワールドカップでも、ブラジルのロナウドが、僕のアイドル、ドイツのG.ミューラーの記録を塗り替えました。いろいろ条件が違うから本当に比較が出来ないんだけど、これまた凄い記録が生まれた。当分破られる事はないでしょう。

記録とは関係ないけど、シンクロの武田さんがラジオで話してたんだけど、手の平の水かきがかなり大きいらしい。しかも、泳いでいるうちに進化し始めたと言ってた。鈴木大地さんの手の平の水かきもかなりでかいらしい。
この話は、僕の頭の中で金メダル級の記録として残った。
身体を鍛えると筋肉がつくように、尋常じゃない時間泳ぎ続けると手の平の水かきが進化を始める。
凄いな~。見てみたいな~。直接。水かき。人間の。
他にも、水の中にずーっといるから、陸で、陸?でいいのかな?
陸で立っているのがつらかったとか興味深い事をたくさん話していた。
ジャックマイヨールなんか魚類のカテゴリーに入りそうだし。
サッカーでは、イングランドに惜しくも破れたエクアドルは、自国(ホーム)では異常に強い。W杯予選では、ブラジルやアルゼンチンを破って来ている。国がかなりの高地にあるため、酸素が薄く、慣れていない他の国の人達は体力的についていけないのが大きな敗因である。
つまり、エクアドルの人達は心肺機能が通常より発達しているんだね。
環境に順応して、「進化」したんだね。国民全てが。
昔、僕の友人(水球のオリンピック候補にもなった)が、空手の有段者とけんかになりそうになった時に「水」を探したそうだ。川でも池でも海でも「水」の中に引きずり込めば必ず勝てるからだ。
「お前はカッパか!」
アフリカのサンコンさんは日本に来て視力が4.0に落ちたらしいし、、、
他にもそんな話はいくらでもありそーだから、ダーウィンの「進化論」に対抗して、珍しい進化の本、「珍化論」かなんかだせそーな気がする。
中国の奥地では、空を飛べる人がいるらしいーし、(本当かよ。)野人はいるし(これはテレビで見た。)流石、四千年の歴史。

人間の身体ってのも、非常に興味深い。
僕も舞台をやっている時に、ちょっと感じる時がある。
大体、一ヶ月稽古する。死ぬ思いで稽古する。
本番がはじまる。
死ぬ思いで本番を迎える。
稽古場では味わう事の出来無い空間のドアを開ける。
するとそこには、様々な、幾重にも交錯している「念」が渦巻いている。

「舞台」は人を選ぶ。

舞台にあがるには、免許証みたいなものが必要だ。
もちろん、無免許でもつかまらないけど。
渦巻く「念」に絡み付かれると身体が「歪」になっていく。
心も「歪」になっていく。
正しく「歪」になれると「舞台」が手を伸ばして迎えて来れる。
酸素と水素の関係みたいに。
それで化学反応がおきて、よーやく「舞台」の一部になれる。
「舞台」は激しくエネルギーを消耗する。
しかし、しばらくすると稽古場の疲れがとれて来る。
すると同時に、本番の疲れが溜まって来る。
やれやれ。である。妙にバランスがいい。

台詞が身体に落ちて来る。
思いが身体から離れて行く。
そしてたまに「演劇の神様」が降りて来る。

そんな大嵐が同時に襲って来る時がある。
そんな時に身体の内側から、ぞわぞわと誰かが呼びに来る。
懐かしい友人が遊びに来たときみたいに。
身体が軽くなったり、重くなったり、不思議なバランスになる。

進化は、そんな時に始まっているのかも知れない。
「舞台」と言うキーワードが作用して。


では、今週も楽しく生きて行きまっしょい。


『Nさんの事』

大阪の友人にNさんがいる。

何と言うか、僕にとってとても大事な人なのだ。
Nさんは大阪で劇団を主宰している。
大阪人の様なふりをしているが、実は新百合ケ丘の生まれだ。
ちょいとインチキ臭い。

僕が芝居を始めた20年くらい前に、新宿の「タイニイアリス」という小さな劇場で、Nさんの劇団の芝居を観た。何故観に行ったかは失念してしまったが、あの衝撃は忘れない。

恐ろしい程の力技と人数とアイデアとセンスとばかばかしさ。

オープニングは、貧乏臭いアパートだ。
そこに越して来た青年に、以前住んでいたらしい人に宛てたらしい手紙が届く。
(らしいが多い。やはりインチキ臭い。)
手紙の主を求めて、記憶の旅に出る青年。
時間軸や空間軸がずれ、交錯し、応援団が現れ、大男が女性をジャイアントスイングでぶん回し、アパートの部屋が裂ける。
と、そこにはいつのまにか、銭湯の男湯が湧き出て来る。
全裸の男達が身体を洗い、水を怖がる長靴を履いた子供(大人だけど)が、シャンプーハットで頭をシャンプーしながら踊っている。
皆、大事な部分はうまいこと桶で隠し、たまにすべって露出してしまったり、、、

なんなんだこの人達は。いかれてる。確実に。
白日夢を見ている様だった。
クラクラした。
僕の思っている芝居の概念が(ま、概念なんて程演劇に詳しくはなかったが、、、)壊れた。

何でもいいんだ。何でもありなんだ。と思った。
ピカソの絵を初めて見たときの混乱に似ている。
同じ「人」や、「物」を見ても、ピカソの目には、「そー」写り、ピカソの鼻には、「そー」匂い、ピカソの耳には、「そー」聞こえる。
それを、「そー」、一枚の紙に描くだけなのだ。

Nさんも目や、鼻や、耳で感じた「そー」を舞台にしているだけなのだ。

お馬鹿屋敷チラシ

Nさんの劇団のチラシ。
先月、東京でやっていた。
劇団に専属の鍼灸の先生がいたり、やはり怪しい。


演劇に明るくない人には何が何だかわからなくて申し訳ないが、Nさんはドイツの劇作家、ブレヒトの「異化効果」を具現化するために、舞台で「イカ」を焼いた、、、異化効果。イカ効果、イカ焼こうか、、、
やれやれ。(インチキ臭さはここにはない。もー、ただのインチキだ。)
呆れて物が言えない。

しかし、今まで観たどのブレヒト劇より面白かった。

劇場はNさんの思惑通り、衝撃や静寂や爆笑や沈黙や落涙や興奮に包まれる。

当時、そんな芝居を作り上げている劇団はほとんど無かった。

僕は魅了された。

数年後、大阪で初めてNさんに会った。
稽古場の階段ですれ違った時、面識の無い僕に、「いやー、高速で事故って車が燃えちゃってさぁ。ビックリしたよー!」と包み込む様な満面の笑みで話しかけて来た。
ビックリしたのはこちらである。なんて人なんだと思った。

さらに数年後、同じ舞台で一緒になった。

僕はさらに魅了された。

「一緒に芝居やろーぜ。」と誘われた。
断る理由など見つからない。

「アドリブの芝居だから台詞覚えなくていいからね。」と言われた。

意味がわからない。(やはりインチキだ)

そんな事言われても無理だから稽古させてくれと頼んだ。
Nさんは少し考えてから、「そーかー。わかった。じゃあ、海に行こう。」と言った。

意味がわからない。(もー書かない)

海1

アドリブ芝居のメンバー。
看板の永盛丸という船にNさんの親戚の漁師が乗っていた。


3泊だか4泊だか、みんなで海に行った。で、遊んだ。
稽古はしなかった。
楽しかった。
子供の頃みたいに楽しかった。
このまま夏休みが終わらないで欲しい。みたいな感情が湧き出て来た。

海2

この3ショットは手前のタオルがNさん。
奥のバンダナが僕。
真ん中の赤いTシャツが、のぼるくんのお母さん、「さゆり」の飼い主。


大阪だけの公演だったので、大阪へ戻った。
大阪では、バスケットやテニスで遊んだ。

水を人間はどれだけ飲めるのか?をみんなで競争した。コンビニで冷たい2リットルの水を2本づつ買い込んで飲んでみた。
胃がパンパンになり、消防のホースよりも勢いよく水を吐いた。
みんな笑った。おもいっきり笑った。

いきなり冷たい水を飲んだので、急激に身体が冷えて、信じられないくらい身体が震えた。みんなで心から笑った。歯がガチガチ鳴った。

遊び終わってから毎日「正宗屋」という安い(当時、10年ちょい前くらいの大阪で、安いってのは信じられないくらい安かった。しかもうまい。)居酒屋で呑んだ。

そこでもみんな本当に楽しそうに笑った。

結局、稽古らしい稽古はしなかった。
しかし、芝居の評判は大変良かった。

まるで魔法使いである。

とにかく、Nさんはちょいとインチキ臭い。

競馬を愛し(生活のほとんどは競馬関係の仕事らしい。)と言われている。
釣りを愛し。(マグロだかカツオ釣りの漁船に乗り込み、漁師をしていた時期もあるらしい)
もー、いかがわしいにも程がある。

大阪に僕が芝居の公演に行くと、
「勝村よ、座長って大変だろ。今日は俺がおごってやるからな。」
と包み込む様な満面の笑みでビールをクイッと呑む。

二人でしばらく無言のまま、ビールをクイッと呑む。
安くて美味しい串揚げを山ほど頼む。

そして最後に必ずこう言う、
「お前はテレビでも映画でも何でもやってがんばるんだぞ。演劇は俺が守っとくからな。」

顔を覗くと、ちょいと赤みがかった包み込む様な満面の笑みで、焼酎をクイッとやっている。
エッセイ風 | 投稿者 勝村政信 16:34 | コメント(11) | トラックバック(0)