消えない日焼けの跡 / 2006年05月17日
第一回目は、僕が就職していた頃の話にしてみました。僕は高校を出てスポーツ用品の問屋で働いていました。だからテニスに限らず、どんなスポーツにも精通していました。商品はもちろん、地方のスポーツショップにも精通していました。当時は、高田馬場にエコースポーツという(残念ながら今はありませんが) スポーツショップがあり、そこで働いている方達や、関係者の方達に本当にかわいがっていただきました。夏はテニス、冬はスキー、休みの日にはだいたい遊びまわっていました。今でもお世話になっているくらいです。その頃にあった不思議な体験です。どーしても人に話したかったんでよーやく夢がかないました。
『消えない日焼けの跡』
22年前、横浜の先輩に海水浴に誘われた。
「夜に横浜駅近くの居酒屋に集合して飯食って呑んで、朝から海で遊ぶぞ。」と言われた。
行ってみると、先輩二人と女性が二人、四人で盛り上がっていた。
朝まで呑んで、車で出発した。(先輩の一人は酒が呑めない)
車の中で気を失い、先輩の「着いたぞ。」の声で目を覚ますと、そこは軽井沢のテニスコートだった。
軽い目眩を覚え、夢と現実の区別が曖昧になった。
4人とも純白のテニスウエアーを身にまとい、真新しいテニスシューズを履き、笑顔まで純白に見えた。
「お前も着替えろよ。」先輩に言われ、僕は海パンとビーチサンダルになった。
日焼け止めクリームを塗るかどうか迷ったが止めておいた。
4人とも中々の腕前で、白熱した試合が展開されている。
僕の白い肌が真夏の太陽を浴びて、熱を帯び始める。
「よし、じゃあ次お前やれよ。」
先輩のDONNEYのラケットを借りて試合に参加した。
海パンにビーサンにDONNEYのラケット。
誰も何も言わない。
何かが僕の頭の中で動いたような気がした。
また軽い目眩がした。
すぐにビーサンの鼻緒が切れた。
裸足になった。
焼けたコートが僕の足の裏を焼く。
すぐに僕の足の裏の皮が大きく破けた。
皮膚のすぐ下の真新しい、真っ赤な皮膚が出て来た。
綺麗な色だと思った。
それからは先輩達の試合をずっと見ていた。
誰も何も言わない。
夕方近くに帰る事になった。
僕の身体は、海水浴に行った様に日焼けしていた。