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勝村政信プロフィール
俳優。「天才たけしの元気がでるテレビ」で注目を浴び、その後演劇活動をメインに行い現在に至る。飄々としたスタイルで芸幅の広さをアピールする一方、舞台演技の評価は高い。最近では「ラスト・クリスマス(フジテレビ)」、「HERO(フジテレビ)」、「義経(NHK)」等に出演し活躍している。趣味はサッカー、テニス、フィットネスなどスポーツ全般。
出演情報
レギュラー  TVasahi「ナサケのオンナ~国税局査察官~」 出演

毎週木曜21:00~21:54
ナレーション  NHK「スポーツ大陸 一歩一歩に魂こめて~競歩 山﨑勇喜~」 OA
10/16(土)22:00~(BS1)
10/17(日)10:05~(総合)
10/19(火)24:15~(関西総合)
10/24(日)24:00~(BS1)
9/25より公開  熊沢尚人監督「君に届け」 出演
9/18より公開  羽住英一郎監督「THE LAST MESSAGE 海猿」 出演
4/10より公開  石原興監督「獄(ひとや)に咲く花」 出演
3/13より公開  谷口正晃監督「時をかける少女」 出演
CF  「セイロガン ト-イA」
CF  FUJITSU「夢をかたちに(社会システム空港篇)」
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ハル その1 / 2006年12月13日

テニスを愛する皆様、ご機嫌いかがですか?勝村政信です。
先週の更新の後、石廊崎のオートキャンプ場でロケをやってきまして、到着するのに3時間30分かかりまして、、、、、、
途中で嫌になっちゃいまして、、、、

走っても走っても、着かない、あの恐怖、、、、、

まるで、アメージング・ストーリー。

新幹線なら神戸を楽に超えます、、、、、
飛行機なら沖縄に行けます、、、、、、

ロケが終わったのが、夜中の2時を回っていまして、、、、
東京に着いたのが、5時を回っていまして、、、、、

徹夜じゃん、、、、、

ざっけんなよ!

遠過ぎるよ!石廊崎オートキャンプ場~よ~!あ?こらぁ~!

朝、2時間の仮眠をとって、久々にサッカーに行ってきました。
あー、気持ちのいいこと。
冬の寒い午前中に汗をかき、時差ボケもすっかりなおってしまいやした。
ありがとうございました。石廊崎オートキャンプ場。

で、先週の海外修行をポツリポツリと思い出していきやしょう。

まずはオランダに行ってきました。

知ってた?オランダの事って?

考えてみたら、オランダについては何も知らないに等しかった。
(ま、他の国もそんなに知らないけど)
行く前にオランダについて知っている事は、海抜0m,チューリップ、木靴、風車、飾り窓、ドラッグやれる喫茶店とか、、、、のみ。

もちろん、僕らサッカー小僧には、あれ?、、、、、小僧?
おじちゃんでしょ。おれ、、、、、、
小僧がおじちゃんになったらなんてゆうんだろ?、、、、、、、


おじぞう?、、、、、、

こじさん?、、、、、、


サッカーおじぞう、、、、


ま、いっか。


74年のワールドカップで、近代サッカー、トータルフットボールをつくった、ヨハン・クライフ率いる、オレンジ軍団である。
(書きたい事が山程あるが、テニスのサイトだかんね。このくらいに)

これくらいかな。

ま、勘違いもあるのはわかっている。

僕らもそうだけど、観光客は、ほとんど「国」というものを勘違いしている場合が多い。
っていうか、外国に対する「願望」に近いのかな。
日本に来る外国の方は、いまだに「時代劇風」なたたずまいを期待してるでしょ。
日本人が全員「空手」が出来ると思っているでしょ。
前にイギリスに行った時には、「歌舞伎町には、裸の女が出てくる販売機があるって本当か?」と聞かれた。
面倒くさいから、「男のはあるけど女のは未だだ」と言っといた。

で、行ってみた。(17日に成田を発った)

スキポール空港に着いた。
今はどの国の空港も、カチンと来るくらい警備がうるさい。

仕方ないけど、、、

しかし、スキポール空港は「羽田空港かよ!」と、つっこみたくなるくらいあっさり通れた。

おどろいた。

しかし、おどろいたのはそれだけでねぇ。

スキポール空港には、空港内に「カジノ」があった、、、、

何故か、流石だ!と思った。(何故だ?)

空港の中のお土産物の店を覗いた。

昔から、僕は海外に着くとすぐにその国の「お金」が使いたくなる。
それぞれの国には、それぞれの見た事のない「お金」があって、それぞれの国の「言葉」がある。
その国で一人で買い物をすると(もちろん、コーヒーとか、チョコとか、水とかその程度よ)その国に近づける気がするからだ。

今は、ユーロのおかげで、買い物もつまらなくなった。

そのお土産物の店の一押しは、「チューリップの球根」と「木靴」だった、、、、

「あれ?」っと思いながらもちょっと笑ってしまっていた。

「そのままじゃん」、、、、

考えてみれば、成田でも「浴衣」や「団扇」「一番」ってかいてある「鉢巻き」とか、浅草に近い「日本」を代表?する物がいっぱい売ってるもんね。

空港を出ると、かなり寒い。
「アムステルダムで、なんかイベントがあったらしくて、市内のホテルが取れなかったので、ハーレムに行きます」とスタッフに言われた。

僕は、基本的にこーゆースタッフの言葉を信じない。
必ず、何か「裏」があるからだ。
しかし、何も追求することなく素直に従った。

何故かというと、それは、「ハーレム」という「甘美」な響きのせいさ。

(なんだ、せいさ。って)

「ハーレム」
この「毒と蜜」を同時に内包した、この「独特」の響き。

興奮せずにはいられない。(あほか?)

車で30分弱走ると、ハーレムって街の「ホテルハーレム」ってとこに着いた。
なんでもない街の、なんでもない普通のホテルだった。

「ハーレム」って、「街」の名前だった。



なんだよ!



(お前が余分な期待するからでしょ)



真っ暗で、ホテルのまわりがよくわからない。

チェックインして、アムスの街に戻って晩ご飯。

アムスの街は素敵だった。
建物の一つ一つが素敵過ぎる。
素敵すぎて「嘘臭かった」

ディズニーランドに紛れ込んだみたいだった。
書き割りみたいだった。

中央駅は東京駅の「モデル」になっている駅だった。(知らなかった)
街には、ミョウに自転車が多い。(理由は後でわかった)
道路の両側にパーキングスペース。
車だらけ。(ヨーロッパっぽい)
コーディネーターのペペちゃんが、「おいしいレストランを予約しときましたよ」と笑顔で言った。

川の横にある、混んでいて、とても感じのいいレストランに着いた。

お客さんが店から溢れていて、活気があって、テーブルにある料理もおいしそうだ。
ぺぺちゃんとお店の人が話している。
「今、まだ前のお客さんの食事が終わってないから、もー少し待って下さい」と言われた。
僕らは少し興奮して、期待に胸が膨らみ始めた。

しばらく待った。(次々に運ばれてくる料理を見て、さらに期待が膨らむ)

随分待った。

ぺぺちゃんが店の人と笑顔で話している。

その笑顔のまま、僕らに近づいてきて言った。

「すみません、店が違いました」
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、



もーどーでもよかった、、、、、、、、、、



裏の通りのイタリアンレストランに連れて行かれた、、、、、、、

そこはがらがらで、ちょっと暗く、アベックが多かった。

メニューを説明してもらったが、「ちょっと、にっほんごで、せつめいむずかしのありますね」と笑顔で言ってくれた。(もちろん、ちゃんと説明してくれてもいるよ)

せっかくだから、普段食べた事ないのにしよーと思い、カカオのパスタなんかを頼んだ。
魅力的でしょ。

運ばれた料理は、まずくない。

うん、まずくはない。

けど、パスタを食べるにつれて少しづつ「へこんでくる」のは何故かしらん?

食後に街を見学した。飾り窓も見学した。

びっくりした。

43歳の経験豊富なおじちゃんである。
かわいこぶっているのではない。
街の中に、普通にあるのだ。
日本でも、色々な土地で見た事があったけど(なにせ、出身が西川口の近所だ)観光客が集まる街中に普通にあることに驚いた。
飲み屋があって、洋服屋があって、その間に飾り窓があって、、、、

想像もしてなかった。


観光客の女性も子供も普通に歩いている。
もちろん、スケベなおじちゃんたちも歩いている。(僕らも含む)


特殊な場所に集まっているんだとおもっていた。


流石だ!と思った。(流石だ!と、オランダ!は韻を踏んでいる。どーでもいい)

で、次の日の昼過ぎから仕事。

早寝早起きが習慣のあたしは、やはり朝早く目覚めた。
外国の街に行くと、とにかく歩く事にしている。
ホテルを出て、寒風吹き荒む表に立った。何も無い、、、、、、
適当に歩いたが本当に何にもない。

部屋に戻ろうかと一瞬考えた。

やっぱ、もったいないから勘を頼りに歩く事にした。
10分くらい歩くと遠くに教会らしき建物発見!
さらに20分近く歩き、街を発見!

かなり歩いている。

迷わないように、デジカメで曲がり角を撮影するという方法を思いつく。

我ながらクレバーな我である。

早朝の街は未だ眠っている、、、、、、
でも、この街もディズニーランドである。
店が全部閉まっているのに、床屋さんだけ何故か開いている。
しかも、お客さんが髪を切ってもらっている。
見た事のない景色だが、近所にある床屋も開いていて、やはりお客さんが髪を切ってもらっている。意味不明、理解不能である。
その近くにも床屋さんがあって、やはりお客さんが髪を切ってもらっているる、、、、、

教会に着いた。

隣の広場で、朝市の準備が始まっていた。
教会の中に入りたかったが、何度もグルグルしたけど入り口がわからなかった。
もう少しで街が起きる気配があったが、戻る時間になってしまった。
非常に残念だったけど、ホテルに向かった。

タクシーなど一台も無い。

行きに撮っておいたデジカメの映像が、帰り道にどれほど役に立ったか。

これは、ウルトラお勧め出来る技であった。

ホテルに戻り、今日からホームステイするお宅に向かった。

そう、これは久々に出演する事になった「世界ウルルン滞在記」である。

しまった!番組にたどり着くまでこんなに長くかかってしまった。

みなさま、もーお分かりですね。そう、来週に続くみたいです。

ニューヨークには何時になったらたどり着くのかしらん?

ま、いっか。(いくない)

さあ!(いきおいづけだね)

そんな訳で、今週もがんばって生きていきまっしょい!





『ハル』 その1


僕の中学の時の友人の家に「ハル」と言うおばあちゃんがいた。

ゼンマイで動いている様なおばあちゃんだ。
顔はしわしわで、表情が今ひとつわからない。
背中は丸まり、痩せて、小さい人だった。
どちらかと言うと、チンパンジーに近い顔立ちだった。

「ハル」はあまりしゃべらなかった。
たまに「ハル」は独り言を言っていた。
友人の家に遊びに行っても、気配が無い時が多かった。

でも、「ハル」はいつもいた。
そしていつも何故か立っていた。
庭の木の間で、ずーっと立っている時もあった。
ずーっと立っているかと思うと、座布団にペタンと座りストレッチしてるみたいに座布団に胸をつけ、見事に座布団一枚の中で眠っていた。

座布団一枚で眠る「ハル」の部屋の陽の当たる壁には、少し色褪せた「ジミーコナーズ」のポスターが貼ってあった。

ある時、「ハル」の家の軒下に大きな蜂の巣が見つかった。

みんなが怖がっていると、「ハル」は素手で黒いビニールのゴミ袋を掴み、蜂の巣に被せ、たき火をしていた一斗缶に蜂の巣の入った黒いビニールのゴミ袋を投げ込み、蜂の巣を退治した。

まわりの人達は驚愕し、言葉を無くした。
しかし、みんなの脳裏に何かが引っかかっていた。

思った通り、黒いビニールのゴミ袋はすぐに溶け、たくさんの蜂が中から出て来た。

みんなが恐怖のあまりその場から逃げ出した。
まさに、蜘蛛の子を散らすみたいだった。
蜂が出て来たのに。

しかし、「ハル」は微動だにしなかった。



その友人の母が病気で亡くなった。
「ハル」の義理の娘にあたる。

僕の母と名前が一緒だった。

「福子」

友人も僕も悲しみに包まれた。

「ハル」は無表情だった。

県民の日だった。

「県民の日」から、「ハル」は全ての家事をするようになった。

「ハル」は一つも愚痴を言わない。
「ハル」は一つも文句を言わない。
「ハル」は毎日懸命に働いていた。
そして「ハル」は座布団一枚で寝ていた。

「ハル」は現実をちゃんと受け入れる覚悟をしていたんだ思う。
あの無表情の中に。

現実は受け入れるか、受け入れないかの二者択一だ。


つづく。


エッセイ風 | 投稿者 勝村政信 11:24 | コメント(16) | トラックバック(0)